HOME>ご注文について:どんなスーツができてくるの?
オーダースーツのヨシムラ
 オーダースーツはコワいですか ??
オーダースーツに初挑戦の方も、他店で何着かお仕立てになられたことのある方も、初めて当店のご利用を検討される方はどんなスーツが出来るのか時価表示のお寿司屋さんのようで怖くて不安ですよね。

当店には、比較的お手頃価格のオーダースーツがあるとはいえ、それなりにお金がかかりますから当然のことです。

こういった不安(どんなスーツが出来るの?ということ)に対して、一般にオーダースーツのお店では、NET上のテーラーであるなしを問わずハウスモデルのスーツを展示しヨーロピアンモデルだとか、クラシコイタリアスタイルなどとご紹介していますが、当店ではこのようなことはあまり積極的ではありません。

それは、スーツはどんなにイメージ先行で仕立ててもお客さまの体型によって仕上がったスーツの見た目は大きく変わってしまいますし、何より仕立屋として、お客さまへデザインの押しつけをしたくないからです。
また、こういったお客さまの不安は、出来上がったデザインを見ただけで解消できるものではなく、お客さまとのお話(接客)を通じてご理解ご納得いただくものだと考えるからです。

それ故、見本となるスーツはたくさんあるにもかかわらず、当店ではデザイン見本(画像)をあまりWEBで出しません。

皆さんにはイメージする物がない(少ない)という点でご面倒をお掛けしますが、どうかオーダーの基本には『本当に欲しい物は、自分でイメージを作り、それをお店にぶつけアドバイスを聞いていく。』ということを忘れないでください。
手間が掛かるようですがそれがオーダースーツを長く愛用するためのキーワードです。
ですから、ご注文の際には雑誌の切り抜きでもWebからの画像でも何でも結構ですのでご自身のイメージを形にしてお持ち込み下さい。

それでは当社でお仕立てできるスーツの一番基本的なことを以下ご紹介いたします。
スタイル的な参考というより最低限の決められることと、そのポイントのご紹介ですからどうぞご参考程度にお読み下さい。
※各オプション料金は税抜きにて表示しております。

1.スタイル
シングル2つボタン
いわゆる一般的なスーツです。やはり定番ですね。
近年世代を問わず3つボタンスーツに人気が集中していますが長い目で見ると、2Bスーツに軍配が上がります。
イラストではとてもオーソドックスなデザインに見えますが、ボタン位置・襟巾・ウエスト絞り・ゴージ位置etcを 変化させることでお好みのデザインに仕上がります。


シングル3つボタン
近年は世代を問わず人気の高いデザインですが、実は奥が深くこの3Bスーツには厳密には3種類あります。

<1> 3×2(上2つ掛け)
3つボタンのうち上2つのボタンを留めるタイプです。
このため必然的にVゾーンは上がり、襟元は狭くなります。
どちらかというと若い方向け

<2> 3×1(中掛け)
襟のプレスを第1・2ボタンの中間に向けてプレス掛けしていますので真ん中のボタンだけを留めて着用します。
襟の立ち上がり部分に第1ボタンが丁度当たるため襟がフワッと立ち上がり優しい雰囲気が出るのと、胸板が貧弱な方には胸に適度なボリュームを与えることが出来るのが特徴。

<3> 
3×1(段返り)
3つボタンですが襟のプレスは第2ボタン横に向けられたデザインを段返りと言います。
第2B横へのプレスですので実質的には2Bスーツと同等のVゾーンになります。
アメリカントラッドの代表的デザインです。

※:
皆さんが<2>と<3>を比較する場合は、<2>の場合は第1ボタンホールが襟の表側に出ていますので、ボタンホールの表裏がそちらが表側(つまり通常とは表裏が逆)に付いていますのでそれを見比べると<2>と<3>かの違いが分かります。

シングル4つボタン
シングル4Bは流行に大きく左右されるデザインです。
特徴的なのは、Vゾーンの狭さとフロントが上まで留まるためタイトになること。
ビートルズなどの影響を受けたモッズファンにはたまらないデザインです。


ダブル4つボタン1ツ掛け
体型を気にせず、どなたでも似合ういわゆる一般的なダブルのスーツです。
フォーマル感もあり、やはり定番ですね。
こちらもボタン位置や襟巾・ウエスト絞り・ゴージ位置等を変更することでイラストより英国調に仕上げることも可能です。
ダブル4つボタン2ツ掛け
ボタンを2つ掛けることでVゾーンを少し上に上げたタイプです。
ウエストポイントが4×1より高くなりますのでメリハリの利いたデザインになります。
「ダブルはダボッとしているからイヤ!」と言う方にオススメのデザインです。
ダブル6つボタン1ツ掛け
このタイプは比較的年輩の方が礼服などで使われるケースが多いようです。
クラシカルなデザインを希望の方には良いでしょう。


2.ベント
ベントとは背広の背中部分の逃げを作る部分です。
もともとは14世紀頃英国で乗馬の際、スーツの背中がお尻に入り込んでシワになるのを防ぐため背中の部分を切ったのが始まりで、乗馬を意識したブリティッシュデザインだとサイドベンツ、アメリカンはセンターベント、ソフトタイプのゆったりしたスーツにはノーベントが多いです。
ちょっと変わったフックベントはアメリカのアイビーリーグでよく使用されていたのでこれもアメリカンですね。
最近ではブリティッシュデザインや タイト目なクラシコイタリア調のデザインが主流であることからサイドベンツが多く全体の半数以上がサイドベンツです。
サイドベント
ノーベント
センターベント
フックベント


3.袖口
袖口は一般的には「開き見せ」とよばれる袖口を縫ったボタンをはずせない物が主流です。
ところが近年人気が出てきたのは、袖口が飾りでなく、通常のボタンのように開閉できる本切羽(ほんせっぱ)と呼ばれるタイプと重ね釦と言われるボタンとボタンの間隔を詰めて縫いつけボタン同士が重なるタイプ。
ほんの少しのことですが、こういった面でもオーダーを楽しみたいものですね。
レギュラー
本切羽
+2000円


4.裾ボタン
通常の既製服として売られる背広では3つが主流です。
袖ボタンの数には特段のセオリーはありませんのでお好みでお決めになればOKですが、最近のオーダーでは4つボタンが主流です。
※:
袖ボタン数はフロントボタンの数+1がセオリーという人がいたり、アメリカントラッドでは2つが一般的という意見もあります。

袖を本切羽で4つボタン
以前はこだわりデザインでしたが、今や随分一般的になったアイテムです。
ふとした機会に袖ボタンを全開したり、普段から4つボタンの内1つを外してお洒落にする方も多いです。


5.サイドポケット
サイドポケットは背広を正面で見たときに目立ちますので気を付けて選んだ方が良いです。
一般的なポケットは「フタツキ」といいます。
これ以外には手を入れやすい様にした「ハッキングポケット」(ブリティッシュなデザインに多い。乗馬の際にこの方が手を入れ易いから)小さなポケットを右のポケットの上に付けた「チェンジポケット付き」(この場合のチェンジとは小銭の意味つまり小銭入れ)

最近の英国系ブランドではこのハッキングポケットとチェンジポケット付きが多くなっていますので要注目です。
なお、ハッキングの角度は±1センチ〜±3センチの中で選ぶことが可能です。(標準は1.5〜2.0センチ)
傾斜がキツくなるほどシャープな印象になりますし、よりシャープな印象を出したければフラップの形状をスクウェアーカットにするのも一案です。
フタツキ
ハッキング
チェンジ
+1000円


6.裏仕立て(ライニング)
背広の裏側には裏地が付きますがその仕立て方も指定できます。
冬は寒いので防寒面も意識して、内側全面に裏地を張った「総裏仕立て」、反対に夏は暑いので背中の部分の裏地を取った「背抜き」の2つをメインに、それぞれに良い仕立ての代名詞である「お台場仕上げ」を付けるか付けないかの選択があります。

特に「お台場仕立て」は良い仕立ての見分け方でもご紹介しましたが表地を胸の内側まで贅沢に使用した仕立てですのでオーダーメイドらしさが出ます。
その他真夏向けには背抜きよりも裏地を少なく使った「大見返し」や「半裏仕立て」もあります。
背抜
総裏
背抜/角台場付
総裏/角台場付
半裏
+5000円
+5000円
+5000円


7.ネーム
胸の内側にはお客さまのお名前を入れることができます。
漢字・ローマ字(筆記体・ブロック体)・ドイツ文字(花文字)が可能です。

既製服ではスーツが仕上がった後からネームを入れますので、入れる場所は内ポケット下か内ポケットフラップ上に限られてしまいますがオーダーではお客さま毎に生地を裁断した際にネーム刺繍を施しますので、これ以外の場所にも刺繍が可能です。

刺繍できる字体(ローマ字)は筆記体もブロック体も可能ですが、刺繍糸は1本の糸で行いますので筆記体の方が総じてキレイに仕上がります。


8.前タック
ズボンの前の逃げを作る部分です。
一般的にはスーツでは2タック、カジュアルなパンツではタック無し(ノータック)が多いですが、もちろんこの辺はお客さまの好みで決めると良いでしょう。
タックにはウエストの増減により生地が引っ張られるのを逃がす役割がありますので、体重の増減のある人は2タックが良く
逆に日頃から痩せていて体質的に太らない方は1タックかノータックが良いでしょう。 その方は太股部分の見た目がスッキリしますから。

その他イラストはありませんが、3タックやボックスタックなども可能です。


9.サイドポケット
ズボンの横のポケットです。
一番使用頻度の高いポケットですから十分注意して選びましょう。
一般的なのは手が入れやすい「ナナメ」タイプ、
ちょっと若々しいのが地面に垂直に切れている「ストレート」タイプ。

その他、両玉縁のポケットやノータックの場合はジーンズのような横置きタイプのポケットを付けることも可能です。


10.ピスポケット
ズボンのお尻のポケットです。
これは本当は縫製可能なデザインとしてはたくさんあるのですが一番人気があり、かつ実用的な5種だけをご紹介いたします。
両玉
一番標準的なポケットにフタの無いタイプです。
一般にお尻のポケットにフタがあるとボタンを留めるときに振り向かねばならず面倒です。ですから敢えてポケットは付けない。この方が使い勝手が良いからです。

両玉クモフタ付き
これに対し、それでは「お洒落でない」お尻は自分で見えないからこそお洒落すべきという方は実用性よりもスタイリッシュさを優先してポケットを付けます。
フラップが付くと多少カジュアル感が出ますのでフォーマルユースの場合は適しません。

両玉片方クモフタ付き
こちらは、より実用的に片方だけフタを付けたタイプ。利き腕側は実用面からフタを付けない方が便利という意見から生まれたのがこれです。

片玉
こちらは、ピスポケットの玉縁部分を上下に付けず下側だけに付けたデザイン。(両玉縁はこれを上下両方に付けたものです。)
縁取り部分が少ないため、視覚的にスッキリ見えるのが特徴です。

チー付き
チーとは表地をヒモ状に作成して、ボタンを留めるループを作ったもの。多少カジュアル感が出ますが、他店にはあまり見られないタイプのデザインです。


11.折り返し (Turn Up)
パンツの裾の折り返し部分です。
パンツ全体をスッキリ細く見せたいのでしたらシングルに。 適度な重みを裾に持たせてシルエットをキレイにしたいのでしたらダブルにするのが良いでしょう。
なお、フォーマルなスーツはシングルがセオリーです。
タキシードとか礼服では余程の目的・意図がない限りダブルにはしません。

またダブルの折り返しの幅は3.5cm〜4.5cm程度が良いと思います。
(これもご指定できますが特にしていなければご身長に合わせるか、4.0cmで折り返しを付けます。)


12.オプションサービス
無料の物から有料の物まで、当社の魅力の一つに豊富なオプションサービスがあります。
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