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生地を知りたい知っとかなくちゃ
◇ オーダーにまつわる用語:縫製・パターン・ディテール・アイテム編

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ア 行
開き見せ
ジャケットやコートの袖口にボタンが付いたタイプが多いですが、ただ単に筒袖にボタンを張り付けているのではなく、ボタンの開閉が出来るように見せかけている装飾的な袖口の作りを開き見せと言います。
当店でも袖ボタンを付ける場合は、開き見せが標準装備になりますが、女性物ではこの開き見せがない場合も多いので、開き見せが不要な場合は筒袖に指定することも可能です。

アームホール
袖ぐり部分のことをアームホールと呼びます。
最近の既製服では、このアームホールがかなり小さめものが多いですが、あまりに小さすぎると腕を上に上げた時などは窮屈に感じますし、逆に大きすぎてしまうと袖の中で腕が泳いでしまって動きにくく感じることもあり、洋服全体のシルエットと、腕の動きなどに伴う機能性との両方に関わることから洋服作りのキーポイントの一つと言われています。
画像はメンズ対応でレディースを作った際アームホールが大きすぎ失敗した例。
エイみたいでしょ!

アンコン仕立て
身頃部分に裏地をほとんど使用しないタイプのお仕立てのことで、見返し部分を広く取るため大見返しとも呼び、真夏にはとても快適な仕立てです。
※レディースでは夏仕立てでご紹介していますが、レディースの夏仕立ては裏地を殆ど使用せず、肩パットを裏地でくるんでいます。ただし、袖裏に関しては有り無しをお選びいただけます。(オプション費用2,500円)

怒り肩(上り肩)
俗に言う怒り肩のことで、肩の傾斜が少なく肩のラインが上にあがっている体型です。
一般的に上がり肩の人の場合、上着を着たときに背中の首の付け根あたりに余り皺が見られますが、オーダーではこういった場合、肩パットを薄くしたりして補正を加えます。

いせ込み
肩部など特に立体的な部分の仕立ては、表裏の針目を揃えながら2ミリ程度の縫い目で細かく縫った後、縫い糸を軽く引き締めプレスすることで立体的なラインを出しますが、この一連の作業をいせ込みと言います。
平面の生地を立体的に形作るため、縫製の中でも高度な技術を要しますが、主に袖山、後ろ肩線、スカートのウエスト、胸の切り替え線などに用いられます。

A体
標準体型のことを衣料サイズではA体と分類されます。

AB体
A体型と比較して、ウエストとヒップがやや大きい体型を言います。 参考までに、レディースの場合A体型はバストとウエストの高低差が少なくても20cm以上なのに対して、AB体型はバストとウエストの差が10〜12cmぐらいです。

拝みボタン
リンクボタンとも言いますが、左右一対のボタンでフロントを重ねることなく突き合わせるように留めるデザインのボタンのことで、主にタキシードなどで使われます。

カ 行
貝ボタン
貝殻で作ったボタンのことで、中でも白蝶貝や黒蝶貝がメジャーですが、他にメキシコアワビ貝や高瀬貝、広瀬貝などもあります。
ピンク、グレー、ブルーなどの天然の色と光沢が綺麗で、主にワイシャツに使われるのが一般的ですが、希にスーツに使用される場合もあります。

重ねボタン
当店では袖口のボタンを重ねて付けることも可能で、これがなかなか人気のあるディテールなのですが、最近では既製服でもこの重ねボタンのものをよく見かけるようになりました。
袖ボタンを3〜4個にした場合はこの重ねボタンがスタイリッシュでおすすめです。

額縁仕立て
裏側の布の裾の始末を額縁のように45度に切って仕立てることを額縁仕立てといいます。
技術的には高度な作業ですが、直しが利かない等デメリットもあります。
※メンズの本切羽仕様の場合のみ、この額縁仕立てが標準装備となっています。

鏑(かぶら)
ジャケットの袖先をまくったようなデザインを鏑と言いますが、これも今のところはメンズの工場のみ対応が可能です。m(_ _)m

柄合わせ
チェックやストライプなどの生地の場合、洋服の出来上がり時にその柄が崩れないように模様を合わせて裁断し、左右の身頃や身頃と袖部分の縫い合わせ、肩のライン、ポケットを張り付ける際、柄のズレを極力なくすように柄を合わせて縫製することを柄合わせと言います。
関連URL:http://www.vightex.com/rep/00/12b/index.html

閂止め(かんぬきどめ)
ポケット口やボタンホールの両脇などの縫い止まりを補強するための止め縫いで、ミシン縫いの場合と芯糸を通して巻き縫いする方法があります。

キュプラ裏地
旭化成のベンベルグ(登録商標)に代表されるキュプラ裏地は通気性が良く 肌触りがとても良いです。
20色以上の色の中からお好みの色をお選びいただけますので、ご希望の方はどうぞ裏地見本をお申し付け下さい。
オプション費用2,000円(柄裏地は3,000円)

屈伸体(くっしんたい)
背中や肩が丸くて胸部の張りの少ない、前にかかんだ体型を言いますが、身長の高い人やお年寄りに比較的多く見られる体型です。
こういった方は体型補正が出来ていない服を着ると、上着を着用した時に後ろ側の裾がはねたようになり、また前端が開きすぎてしまいます。

くるみボタン
服地と同じ生地(共布)や配色の良い別布でボタンの芯を包んで作ったボタンのことをくるみボタンといいます。
くるみボタンにはフォーマル感やエレガントな雰囲気があるので、レディースでは人気のオプションの一つです。
オプション費用1,000円

クローバー襟
テーラー襟の中でもクローバーの葉の形に似た全体的に丸い感じの襟をクローバー襟と言います。

クロップトパンツ
裾が途中で切り落とされたような形のパンツのことをクッロプトパンツと言いますが、近年のファッションとしては7〜8分丈、もしくはくるぶし丈で全体的に細身のパンツの事をいいます。

ゴージ
襟の上襟と下襟の縫い合わせ部分のラインのことをゴージと言いますが、その時々の流行によってゴージの位置や角度が変化していきます。
最近では襟をぐっと上に持ち上げた雰囲気のハイゴージが主流ですね。

コバステッチ
ジャケットの襟・前身頃・ポケット周りのステッチで、端から2cmぐらいの先端ギリギリの位置に入れる一番オーソドックスなステッチです。
画像は分かりやすくステッチの色を変えています。

サ 行
シック(股シック)
パンツの内側の股部分に使われる股ずれ防止用の三角形の補強布のことで、紳士物のパンツにはこれがたいてい付いています。(画像では黄色く加筆した部分)
夏物など股ずれが原因でパンツをダメにする人(概して太めの人)などはシックを大きめにすると防止効果があります。
レディースの場合は一般的にパンツも総裏がベースですのでこの股シックは付けません。

地直し(地のし)
スチームをあてたり一度水につけて伸縮させた後アイロンをかけたりして布目を整えることを地直しといいます。
地のしをしないと出来上がった服が時間の経過に伴いゆがんだりすることがありますので、特に打ち込みの柔らかい生地が多いレディースではこの作業は必須です。
関連URL:http://www.vightex.com/rep/00/12c/index.html

地の目
生地の経(たて)糸と緯(よこ)糸の織り目のことで、地の目を正しく扱うことは衣服の形くずれを防ぐための最も重要なことです。

シーム
縫い目や切り替えラインのことです。

シームポケット
脇のシームに沿った縦型のポケットですが、表からはポケットが見えないので、全体的にスッキリとした印象になります。
ちなみに当店では、シームポケットはプリンセスラインに沿ってお付けしています。

シャネルスーツ
ガブリエルシャネルがデザインしたスーツで、ミックスツイード地の襟なしのジャケット&膝丈のスカートというスタイルが基本ですが、最近ではこのタイプのスーツの代名詞としても使われています。
とてもエレガントな雰囲気で、ミセス〜若い世代までの幅広い層に愛されるスタイルです。

ショールカラー
丸みのある長い襟でヘチマに似ていることからヘチマ襟とも言われていますが、タキシードではこの襟が主流です。

ショルダーライン
肩線のことで、肩パットの厚みやカッティングによって肩のラインを強調させたり、逆にナチュラルでソフトなラインにもなるのですが、その時々の流行によって微妙に変化していくます。
今から10年前ぐらいは、厚手のパットで肩がバーンと張ったスーツが大流行だったのですが、近年ではノーパッドの物やナチュラルなショルダーラインの物が好まれるようになりました。
ジレ
ベストのことをフランス語でジレと言います。

シロセット加工
スカートのひだやパンツの折り目を消えにくくするために、天然アミノ酸から抽出した成分で出来た特殊な液を振りかけて熱プレスする加工のことをシロセット加工と言い、主にウール製品に用いられます。
参考URL(当社外サイト):http://www.siroset-tes.or.jp/siroset_index.html

芯地
服の型くずれを防いだり、襟や胸・肩に張りを持たせるために、表地と一体となって縫い合わせる布のことを芯地といいます。
芯地には毛芯・スレキ・パンピースオーガンジーなどが代表されますが、紳士物ではしっかりとした毛芯を使うのが一般的とされているに対して、通常レディースでは着心地やシルエットの柔らかさを強調するため接着芯を多用します。
画像の中ではeが毛芯、fが接着芯です。

水牛ボタン
水牛の角を削って出来たボタンでプラスティックボタンと比べると、明らかに風合いが違いとても高級感があります。
ただ、プラスティックボタンと比べると素材が堅すぎ割れやすい側面もあるのですが、何よりこの高級感がオーダーならではですね。
当店では黒・焦げ茶・鼈甲のそれぞれ艶有りと艶無しをご用意しております。

裾周り
衣服の下の縁の全周の長さのことを指し、蹴回し(けまわし)とも言います。

スタンドカラー
まっすぐ立った襟のことで、正式にはスタンディングカラーもしくはスタンドアップカラーと言います。
マオカラーもこのスタンドカラーの1種ですね。
ステンカラー
ノッチ襟よりも襟台がやや高めで、ネックのあきどまりに向かって襟が直線的に折り返った襟のことですが、ブラウスの襟のような形の襟と言えばすぐにピンときますね。

ストレッチパンツ
ストレッチ=伸縮性のある素材で出来たパンツのことを言いますが、ストレッチ機能の特性を活かした細身のデザインが多いです。

スリット
縦に細長く入った切れ目のことで、上着の袖口や裾、スカートやパンツの裾に用いられます。
スリットの大半は装飾的な意味をなすことが多いのですが、タイトなシルエットの洋服に対して適度な運動量を持たせる役目もあります。
背抜き
ジャケットの後ろ身ごろの肩より下の背中にあたる部分に、裏地を使用しない仕立てのことですが、特に夏物のスーツではこの背抜きが多く用いられます。

タ 行
台場仕立て
ジャケットの裏側の内ポケットの廻りを表地で囲む仕立てのことですが、内ポケットを表地でしっかりガードすることでポケットが安定し型崩れしにくくなります。
スーツの裏側の見えない部分にまで表地をふんだんに利用する贅沢な仕立てすが、見た目にも高級な雰囲気がとても人気の高いオプションの一つです。 オプション費用5,000円
※現状では、メンズの工場のみ対応が可能です。

タキシードスーツ
男性のタキシードスタイルに準じて、ショールカラーのジャケットとパンツを組み合わせた婦人物のスーツのことですが、中には襟をピーク襟にアレンジしたタイプもあります。
画像は東京SHOPMASTERの私物です。

たすき皺
アームホールが小さかったり身頃のゆとりが不足している場合によく見受けられる、前後身頃の袖付け周辺に出来る斜めの皺のことです。

裁ち合せ
型紙を使って布を裁断する場合に、布目の方向や柄合わせなどを考えて、前後身頃、袖、衿、ポケットなどの型紙を生地の無駄のないように置くことを裁ち合せと言います。

ダーツ
平面的な布を立体化する技法の一つで、体の凹凸に合わせた丸みや絞りを出すために布の一部をつまみ、そのつまんだ部分を縫い消してライン状にしたものをダーツといいます。

タック
パンツやスカートなど、布をつまんで縫い上げたひだをタックといいます。
タックは装飾的なイメージの方が強いかと思いますが、タックにはウエストの増減によりフロント部分の生地が引っ張られるのを逃がすという役割もちゃんとあるのです。

タブ
襟や袖口に取り付けられた垂れ飾りのことで持ち出しとも言いますが、ボタン留めにして留め具の機能を持たせた物もあります。
コートの袖口に取り付けられたタブは装飾的な意味合いの方が強いです。

玉縁ポケット
ポケット口をバイアス使いした表地で細く縁取りしたポケットのことで、これに蓋を付けたポケットのことを俗にフタツキポケットと呼びます。
チェンジポケット
右側の腰ポケットの上に付いた腰ポケットと同形状の小さめのポケットのことをチェンジポケットといいますが、小銭(=チェンジ)を入れるためのポケットとして伝統のあるデザインの1つです。オプション費用1,000円

力ボタン
ボタンを縫いつけた裏側に付ける小型ボタンでコート等に多く用いられますが、この力ボタンを付けることによってボタン付けの補強を計ります。

チケットポケット
切符や定期券を入れるための小さめのポケットで、左裏側の見返し部分に斜めに付いたタイプが多いです。
※現状では、メンズの工場のみ対応が可能です。
つきじわ
上衣を着た時に、背面の首の付根あたりに出る突き上がったようなあまり皺のことを突き皺と言いますが、主に怒り肩の体型の人に見受けられる皺です。
ただし、インナーのシャツの厚みや骨格・肩の筋肉の付き方によって盛り上がったりするケースもありますのでこれらはツキジワではないこともあります。

D管留め
 主に縫製の弱い既製服でポケット周りの縫いつけ部分を補強するために施された、Dを象ったステッチです。
この工程には専用のミシンもしくは手作業をを用いるので手間がかかる贅沢な仕様とも言えますが、今ではちょっとしたお洒落としての知名度が高くなっています。

テーパードパンツ
裾に向かって段々細くなる、女性物の伝統的なシルエットのパンツのことですが、決して全体的に細いのではなく、腰のあたりは割合ゆったりとしていているタイプが多いです。

テーラー襟
いわゆる背広襟のことですが、上襟と下襟からなるカチッとしたデザインでノッチ襟とも言われています。
ゴージの高さやラペルの幅等で表情も変化していくので、襟幅の太め細めをお好みで指定するのも良いですね。

天狗(てんぐ)
紳士物のパンツの内側には持ち出しでボタンが付いているのですが、天狗の鼻に似ていることからこのように呼ばれています。

ドゥエ・ボットーニ
シャツの台衿にボタンが2つ付いていて襟が通常より高いデザインで、ナポリスタイルのシャツの1種です。
クラシカルな雰囲気であると同時にスポーティでカジュアルな趣もありトレンド性も高いです。

トラウザーズ
パンツを英国ではトラウザーズと呼びますが、特にスーツや礼服のズボンのことを指します。

ドレーピング(ドレープ性)
生地の説明などでは良く耳にする言葉としてドレープ性が挙げられるのですが、ドレープとは布地が柔らかく垂れ下がるといった生地その物の性質を示す言葉です。
自然に出来た布地の優美な たるみ具合やしなやかなひだをこのドレープ性という言葉で表現します。

ナ 行
なで肩(下り肩)
俗に言うなで肩のことで、肩のラインがなで下ろしたように下がって見える体型です。
一般的に下がり肩の人の場合、上着を着たときに背面に抱き落ちたような皺や前面の首の付け根にかけてたすき皺が見られるますが、オーダーではこういった場合肩パットを厚くするなどの補正を加えます。

猫背
首がやや前方に屈み背筋が丸まっている体型のことですが、屈伸体と違う点は肩胛骨だけが猫の背中のように異常に丸い体型ということです。

ハ 行
パイピング
ほつれ止めのために布の端をバイアステープや別布でくるんで始末する方法ですが、使用箇所によっては装飾的な意味をなすこともあります。
レディースでも背抜きの場合は表地の縫い代の始末にこのパイピングが使用されています。

ハ刺し
テーラー襟などの襟の折り返しにより美しい立体感を出すために、表布と芯をぴったりつけて杉綾の形に一針ずつ織り糸をすくうように刺して(縫って)いく技法ですが、針目がハの字に似ていることからハ刺しと呼ばれています。

パッチポケット
表側から生地を張りつけポケットのことで、アウトポケットとも言います。
見た目にカジュアルな印象を受けますが、最近ではワーク系のスーツでもこのパッチポケットを用いられることが多くなってきましたね。
ちなみにパッチポケットにフラップをつけたものことをパッチアンドフラップポケットと言います。
バルカラー
折り襟の1種で、上襟が幅広で大きく下襟が小振りなデザインが特徴的な一見コートのような襟の形です。

反身体
胸がピシっとはり体がが少し後ろへそり返っている体型のことで、上着を着用した時に前裾が重なる(拝む状態)になり、首の付け根にかけてたすき皺が見られます。
概して姿勢が良すぎる人に見られる体型です。
ピークドラペル
下衿の角度を上にあげ、先が剣のように尖った襟をピークドラペル(ピーク襟)と言いますが、ノッチラペルと同様に代表的な襟の一つです。
ダブルブレストスーツではこのピークドラペルが絶対と言って良いほど用いられるのですが、タキシードを例に、中にはシングルスーツでも用いられることもあります。
比翼(ひよく)
表からはボタンやボタンホール、ファスナー、スナップなどの留め具が見えないよう、前あき部分を二重に仕立てたことを比翼と言います。
主にコートの使用されることが多かったのですが、最近ではレディースのスーツでもこの比翼デザインが多くなってきました。

ピリング
ピリングとは毛玉のことです。
天然繊維だけに限らず合成繊維にもピリングができるのですが、着用の際の摩擦や洗濯によって布地の表面に毛羽が立ち、この毛羽が絡み合って毛玉が出来てしまいます。
カシミヤなどの高級素材を雑に扱うと脇の下などに出来ますので高級素材は大切に扱いましょう!

ピンタック
ピンのように極細の縫いひだのことで、折り山から1~2ミリの箇所を一定の間隔でつまみ縫いしています。
婦人服では、パンツのプレス部分にこのピンタックをあしらったパンツが大人気ですね。

Vゾーン
テーラードジャケットの襟あき部分です。
ボタン位置によって襟の開きが左右されるので、体型に合ったVゾーンというのがある種存在するのですが、お好みや流行によっても広い・浅いが左右されつつあります。

フィッシュマウス
小振りのテーラー襟で上襟の角を丸くカットして下襟を剣のようにやや尖らせた、魚の口のような襟です。

フォブポケット
紳士物のスラックスのベルト下に小さなポケットが付いているのを見たことがありませんか?
実はあのポケットは懐中時計を入れるためのポケットで、フォブポケットといいます。

フラップ
蓋付きポケットの蓋(ふた)の部分をフラップと呼びますが、フラップは元々雨風をしのぐために付けられたことからも、アウトドア的な印象があります。
アウトドア的な印象すなわち室内は雨に降られないということからも、フォーマルウェアのポケットにはフラップなしが良いとされています。

フラワーホール
テーラー襟などの下衿の上辺部分に刻まれた穴のことで、元々はこの穴に花を飾ったことからの呼称ですが、現代では社章などのバッジをつけるのに使用されています。

へちま襟
丸みがある長い襟でまるでヘチマのような形なのですが、タキシードではこの襟が最も主流です。

プリンセスライン
女性物の上衣に用いられる、脇の付け根からウエスト部分を通って裾まではいる立体的なラインのことをプリンセスラインと言いますが、このプリンセスラインがダーツと同様の役割を果たすので、バストとウエストの高低差を無理なく埋めることができ、よって綺麗なウエストの絞りを演出することが可能になります。
ベント
上衣の背中心もしくは両脇の裾に入れた、持ち出しの重なりのある割れ目をベントと言います。 元々は乗馬服のデザインで、馬にまたがった際の運動量を出すという機能性と上着の裾がごく自然に流れるよう工夫されたものですが、身体のラインをよりいっそう強調する効果もあります。
ベントには、センターベント、サイドベンツ、フックベントなどがあります。

ボタンダウンシャツ
シャツの襟先を身頃にボタン留めにしたシャツのことをボタンダウンシャツと呼びます。
ノーネクタイでもOKのカジュアルシャツでトラッドの定番アイテムです。

本切羽(=本開き)
実際に開閉機能を持つ袖口のあきのことで、高級紳士服には大抵施されるのですが、当店でもキュプラ裏地と同じぐらい人気のオプションの一つです。
オプション費用2,000円

マ 行
前肩
肩先が前に突き出たような体型で、ある種日本人特有の体型とも言われています。
このような体型の場合は、本来の肩線より少しだけ前方向に持ってくることで、衿ぐりが安定し着崩れを防ぐことができます。

マオカラー
スタンドカラーの一種ですが、中国の国家指導者だった毛沢東の名にちなんだ呼称です。
中国ではマオカラージャケットは正装とされていましたが、日本でもパーティーや結婚式などのフォーマルなシーンでの着用ももちろんOKです。

ヤ 行
ゆとり
洋服の構造上、実寸に運動性などの機能性を考慮した分のゆとり量を加えるのは当然のことですが、 このゆとりのサイズによってシルエットも大きく違ってくるものです。
オーダーでは一般的に、ジャケットの場合はバスト・ウエスト・ヒップそれぞれに10数cm、ボトムのヒップで4~6cm程度のゆとり量が適量とされています。

ヨーク
背や胸・肩などに使う切り替え部分のことで、Yシャツの肩部分に使われるのが最もポピュラーです。
素材を体の曲線に合わせるための機能性とデザイン上の装飾的な目的の両方を持ち合わせています。

ラ・ワ 行
ラウンドネック
いわゆる丸首のことで、首の開きが狭いタイプや広いタイプ、V字にカットされたもの、襟なし、襟付きとデザインも様々ですが、見た目にとても女性らしさを感じさせます。
ラグラン袖
襟ぐりから脇下にかけて斜めに切り替えが入った、肩から一続きになった袖のことをラグラン袖と言い、主にコートやブルゾンで用いられます。
肩のラインがゆたっりとしていて着心地がとてもラクに感じます。

リクルートスーツ
就職活動の際に着るスーツや新入社員の人たちが着るスーツのことですが、誠実さや知的さ、清潔感などの印象を相手に与えるために、紺やダークグレー、黒のシンプルなデザインが好ましいとされています。
ただし、職種によっては個性を必要とする企業もあるので、一概にこれが良いとも言えないですね。

ローライズ
股上の浅いパンツのことをローライズと呼びますが、ここ数年はジーンズを筆頭に股上の浅いタイプのパンツが大人気ですね。
ちなみに当店でもこのローライズパンツのお仕立てが可能になりましたが、股上は20cm〜23cmぐらいで、ウエストラインが斜めにカットされていることと、フロント部分のタックやダーツや一切なくウエスト周りがスッキリしているのが従来のパンツと違うところです。
ただし、ローライズは元々のパターンがなり細身の為、従来のパンツと比べゆとり量が少なく、パターン上での規定数値の修正範囲も狭いため、細身の方以外にはあまりおすすめできません。