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お客様!いらっしゃ〜い!

 アンゴラコートのご注文です。 
11月に入り街路樹も色づきはじめ、季節が秋から冬へと移り変わっていくのが感じられる今日この頃皆さんいかがお過ごしでしょうか?
これからのシーズン毎日の通勤着もだんだん冬の装いになることと思いますが、冬の必須アイテムといえばコートですよね。
そろそろ新しいコートが欲しいな〜」なんて思っていらっしゃる方も多いのでは?
....でも、いざコートを買おうと思ってもデザイン的に「これだ!」って思う物がなかなか見つからなかったり、デザインは気に入っているのにサイズが合わない、或いは予算的にちょっと・・・と、このような事ってありませんか?
私なんか背が低いから折角デザイン的に気に入ったコートがあってもいざ試着すると、全然ダメなんてことも良くあります。

また、コート地は高級素材が多く長期間着用することもあってお手入れに気を使わなくちゃいけないし...
でも、なるべく簡単に手入れのできる物が良いしお手入れ方法もどうしたら良いの...?
というようにコートを購入する時って結構慎重にってしまうんですよね。

今回ご紹介するお客さまリピーターのSさんもコートのご注文にあたり色々と悩まれたようで最初はこんなお問い合わせをいただきました。

03.10.25
RE: コート地&冬物のサンプル帳がご用意できました。
三谷さん
こんばんわ。先日、サンプル帳を送っていただいたSです。
予算との兼ね合いもあり、コートと冬物スーツどちらを作ろうか、と悩んだのですが、やはりコートにしました。
色は濃いグレイか黒で、ステンカラー・コートにするか、チェスターコートにするか、どちらもほしいのでまだ迷っています。

オーダーするにあたって、ちょっと質問させてください。

まず生地についてなのですが、送っていただいたサンプル帳のなかで、気になっているのが「スーリーアルパカ」と「ピュアアンゴラ」の2つです。
ただ、なるべく長期間愛用したいと考えているので、耐久性や生地の手入れ方法などが気になります。
あまりデリケートな生地を選んでしまうと、おおざっぱな性格なので手入れ不足でだめにしてしまったりすると悲しいので。
特に「スーリーアルパカ」のように、毛足が長い生地の場合、手入れとかの面で大変だったり、ということはあるのでしょうか?
また、毛が抜けてしまうというようなことはありますか?
お返事をよろしくお願いします。では。
☆★☆ レディース担当三谷より一言・・・☆★☆
う〜ん...やっぱりコートのご注文はスーツと違って長く着ることを考えて生地やお手入れ方法とか気になるものなんだなぁ...
「せっかくなら長く着た〜い!」「手入れは簡単な方が良いなぁ」なんて思いますよね。
Sさんもやはり長期間愛用したいということで生地の耐久性やお手入れ方法について不安があるようでした。
そこでSさんに次のようなお返事を出しました。
03.10.27
件名:お問い合わせ有り難うございました。
Sさん
こんにちは、オーダースーツのヨシムラ(三谷)です。
昨日は久しぶりの好天に恵まれ気持ちの良い一日でしたがいかがお過ごしでしたか?
昨晩はコート用サンプル帳をご覧頂きお問い合わせ有難うございました。
さて、早速ですがご質問いただきました件についてご案内いたします。
生地について・・・
>>> 耐久性についてはご検討頂いている生地双方とも長期間ご着用いただける生地ですのでご安心下さい。
今回の2点を比較しますと、毛足が長い分「スーリーアルパカ」の方が毛は抜けやすいですね。
でも、だからと言って着用して直ぐにぼろぼろ抜けてしまうということではございませんのでご安心下さい。
お手入れについて・・・
>>> どちらも長持ちさせるためにはある程度のお手入れは必要ですね。具体的にはご着用後、毛並みに沿ってブラッシングしていただければホコリも払えますし、生地の風合いも保てますので長くご着用いただます。
もし食べこぼしの汚れがついてしまった場合は直ぐにクリーニングへ出した方が良いです。(食べこぼしをそのままにしてしまうとそこを狙って虫が食べにきますので...)

以上、簡単ですがご案内いたしました。
ご検討のほどよろしくお願いいたします。
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オーダースーツのヨシムラ
吉村株式会社_http://www.vightex.com
レディース担当___三谷_一美
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☆★☆ ここでちょっと生地について補足を・・・☆★☆
今回Sさんがお選びいただいた「スーリーアルパカ」と「ピュアアンゴラ」はどちらも織りの甘さがレディースコートとしてお薦めの生地です。(レディースコート用サンプル帳でご紹介しています。)
アルパカキャメル
アンゴラグレー

スーリーアルパカ
アルパカはラクダ科に属し南米のペルー、アルゼンチンなどアンデス山脈を中心とした海抜3,000~5,000mの高地に生息しています。
アルパカには「ハウカイヤ」と「スーリー」の2種類がありますが、スーリーはアルパカ全体の産毛量では3〜5%しかない貴重な毛のため高級とされています。
スーリーアルパカの特徴は毛が長くて細く、シルクのような光沢があります。
また、繊細な毛質と恵まれた天然の色がアルパカの最大の特徴と言われています。

ピュアアンゴラ
100%アンゴララビットの毛。感触はウサギを抱いた時と同じです。
アンゴラは、約150年前に初めてフランスで紡績されたのが始まりとされていて繊維の太さが極めて細く、中空で表面もデリケートなため、空気を含んでかさ高となり感触は柔らかく「軽さはウールの3分の1、暖かさは3倍」と言われているんですよ。中国が最大の生産国です。

...と、このようにどちらもコートの王道「カシミヤ」とはまた違った良さのある生地です。

そしてご注文の方はその後 またまたSさんよりお問い合わせをいただきました。
03.10.29
またまた教えてください。
三谷さん
先日、コートのことでお問合せしたSです。
すみませんが、また分からないことがあるので教えてください。
コートのデザインについてなのですが、添付した画像のコートのようなデザインをオーダーすることは可能なのでしょうか?
ダブルチェスターコートのような前の合わせで、ボタンが表から見えないようになっているんだと思うのですが。このデザインはいわゆるチェスターコートとは別物でしょうか?

左側イラスト:デザインについてお問い合わせいただいたコートです。
右側イラスト:出来上がりのイメージとしてお持ちいただいたイラストです。
※:両方ともオリジナルは某アパレルサイトさんからの流用画像でしたので社内で著作権がらみがあり掲載できないためイラストに書き直して見ました。
イラストは当社アルバイトの緑川君の作品です。うまいものですね。←ナイスガイです!
☆★☆ コートのデザインについてちょっと一言・・・☆★☆
このデザイン、皆さんも一度は何処かで見たことのあるコートではないでしょうか?
イラスト左側のコートは「タイロケン」と言って、もともと英国バーバリー社のオリジナルデザインで共布のベルトでウエストを締めて着るボタンなしのラップ式(体に巻き付けて装着するデザイン)ダブル前コートをいいます。
昔で言うならガウンをベルトで締めて着るような感じ..ですかね。
このコートの特徴は...ボタンが無いため前見頃をダブル仕立てのようにして体に巻き付けベルトで締めて着用するので実用面ではちょっと問題ありですがデザイン的には可愛いですよね。

ここで当社でお仕立て可能なデザインをご案内しますと・・・
シングルチェスターコート
ダブルチェスターコート
ラグランステンカラーコート

以上 3種類が基本パターンになりますがアレンジとしてレディースではステンカラーで付け袖というご希望が多いですね。
その他、共布ベルト付も人気のあるオプションですね。(今回のSさんからのご注文もベルト付でした)

ちなみに、当社ではイラスト左側のようなコートもお仕立て可能ですので「私もこんなコートが欲しい〜」と言う方はどうぞお気軽にご相談下さい。

さてその後、Sさんは色々と悩まれた結果、コートのデザインと生地が決定したとのことでご来店いただくことになりました。

そしてご来店当日。Sさんがお見えになりました。
今回のご注文については事前にメールでご希望をお伺いしていましたのでご来店当日はデザインについて細かな部分についてお話しをお伺いして採寸はスーツのご注文をいただいておりましたのでコート丈のみ測ってご注文完了でした。
それでは今回Sさんからいただいたご注文をまとめてみますと・・・
生地>>> 1366−1(ピュアアンゴラのグレー)

ポイント1・・・生地の軽さ
Sさんがアンゴラを選ばれた理由ですが、何でもSさんかなりの肩こり症とのこと。
コートはスーツと違い着丈を長くするため仕上がりはどうしても重くなりますよね。
そこで、なるべく軽いコートが欲しいということでしたので生地の軽さでは申し分ないアンゴラでのご注文となりました。
メンズで既にアンゴラコートのご注文をいただいたお客さまからもご試着の際「軽いですね〜」とのご感想をいただきました。
アンゴラは「暖かくて軽い」のが一番の特徴ですからね。

基本デザイン
・シングルチェスターコート(比翼仕立て)
>>>長期間着用と、実用性を考えオーソドックスなデザインになりました。
・共布ベルト付(こちらは有料オプションでプラス2,000円になります。)
>>>今年のトレンドはベルト付!
・衿巾・・・10センチ
>>>スーツの衿巾は通常7cm〜8cmが標準ですので少々広めですね。
・腰ポケット・・・アウトポケットフタ付き
>>>カジュアル感がでますね。

ポイント2・・・ベルトのステッチ
通常ステッチを入れる場所は衿・前身頃・腰ポケットですが、今回は共布のベルトにもステッチを入れてみました。
Sさんからいただいたデザイン画のコートを拝見したとき「これ可愛い!」と、当社の女性陣もお気に入りでした。
今までコートのご注文でベルト付はお受けしておりましたがステッチをお入れするのは今回初仕様になります。

ポイント3・・・着丈
Sさんは普段お仕事ではあまりジャケットはお召しにならないとのこと。
ニットのセーターにパンツスタイルが多いためコート丈は膝丈にしてカジュアルな雰囲気がでるようにしました。

以上がSさんからご注文いただいたアンゴラコートですが、さてさて仕上がりは・・・楽しみでしょ!!
出来上がりは次回の「お客さま!ありがとう!」にてご紹介いたしますのでお楽しみに!

最後に....お・ま・け
☆★☆ コートのお手入れについて一言・・・☆★☆
コートはカシミヤ、アンゴラ、アルパカetc...と様々ですが一番手軽なお手入れは洋服ブラシで毛並みに沿ってブラッシングする方法ことです。
(リンク先は当社逸品コーナー スーツコート用ブラシです。)
そして、コート着用時に注意していただきたいことはコートを着たまま長時間座ったりするのは絶対NG
お尻の下敷きになった部分は毛が寝てしまいますので後からなかなか起きあがりません。くれぐれも注意してくださいね。

それから保存方法ですが...シーズンオフには皆さんクリーニングに出されますよね。
クリーニングから戻ってきた後は、ビニールの袋がかかっていますがそのビニールはどうされていますか?
埃がかからないようにとそのままクローゼットにしまっていませんか?
実はこれって最悪!で、ビニール袋をかけたままですと上記が上に上がってしまうため、通気性が悪いことと相まって適度な温室になってしまい、虫が繁殖しやすい環境を作るんです。
コートに限らず洋服の良い保存状態はビニール袋を外し通気性の良い洋服カバーに入れておくのがベストですね。

:通気性の良い洋服カバーとは...不織布(「織らない布」のことで繊維を糸にしないで繊維のまま布状にしたもの)で出来ている物。
当社ではご試着の際ご来店いただいたお客様にはスーツを洋服カバーに入れてお持ち帰りいただいておりますが、その洋服カバーは片面が不織布を使用していますのでクローゼットにそのまましまっておかれてもOKなんですよ。
お気に入りのコートを末永く着るためにお手入れもしっかりとしましょうね!