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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 実はレディースも得意です!
11月のSHOPMASTER日記帳に少し掲載いたしましたが、当社は卸売部門で紳士服のオーダーの他に婦人服地を販売しているため婦人服のオーダーも得意です。

写真は当社が毎号必ず広告掲載している雑誌レディーブティック誌(洋裁関係の雑誌ではNO.1の発行部数)ですが、当社の卸部門はこんな形でオーダー専門店を応援しています。
レディースブティック
婦人物のサンプルは1シーズン500点!程、これを年5回製作していますから、年間で2,500〜3,000種類の生地を提供しています。

もちろん実店舗でもこれらの生地を使ったオーダースーツのご注文を受け付けていて、最近ではオーダー注文の約20%がレディースのオーダーです。
こう考えるとネットでもこれを利用しない手はありませんね。

ということで来夏を目処に只今レディースサイトを開設準備中です。

でも、これが本当に難しいんです!!
何故かって?それは以前も書きましたがレディースは次の点でメンズと全く違うんです。

  1. レディースはデザインが豊富(すぎ?)
    紳士服は乱暴にいえばシングルのスーツかダブルかの2つしかありませんが、レディースはスーツ向けデザインに限定しても本当にデザインが多いです!
    基本のデザインだけでも10種類近く(男はシングル・ダブル・モーニング・タキシード・マオカラー位)これにディテール(細部)の指定が加わると何千通りにもオーダーが可能です。
    参考までに今回は基本デザイン画をいくつか掲載してみました。是非ご覧下さい。
    シングル
    ダブル
    ラウンドネック
    Vシェープ

    カラーデザイン
    バックデザイン
    スリット
  2. ボタンとボタンの間隔レディースはこだわりが多い。
    写真はあるレディースオーダーのお客さまの出来上がりスーツですが、レディースではこんな「ボタンとボタンの間隔まで」ご指定されたり(これは紳士物工場では出来ません!)、ボタンや裏地をこだわられたりする方がほとんどです。
    (キャメルの生地にグリーンの裏地とか、男性の想像力を遙かに越えるコダワリですね。)
    これらのニーズにネットでのやりとりだけで一つ一つ応えていくのは本当に大変なことです。

  3. レディースの生地サンプルは多すぎてお送りできない。
    当店の生地サンプルは紳士物でカタログに掲載した物だけで年間約500種扱っていますが、これが婦人物になると・・・・・年間で約3,000種もあります。
    こんなに送りつけられたらいくら何でも受け取る側で困ってしまいますよね。

  4. 採寸も大変!
     男性は極端な話、「背が高いか低いか」という尺度と「太っているか痩せているか」の尺度でだいたい決まりますから2×2で4通り、一方で女性はこれに「上半身・下半身」という別尺度がありますから2×2×2の8通りで、その分採寸も大変です。
    (よく痩せているのに胸がすごく大きい方っていますよね。男性ではあまりないじゃないですか?痩せてて胸板が厚い人って!そのことです。)

本当に難しいレディースオーダーですが、「実店舗でやって実績があるのにNETで出来ないはずがない!」という社員の声に後押しされ、とうとうレディースサイト(の開設準備)を本格稼働させることにしました。

毎週定期的に打ち合わせをやって」「女子社員の意見をまとめて」「できることと出来ないことを分けて」といった段階ですが半年後を目標に、頑張って開店(?)させたいと思います。

☆★☆SHOPMASTERよりちょっと一言・・・
 紳士物のオーダー専門店で「レディースもやります!」というのを目にすることがあるかと思いますが、その時は紳士物と婦人物のどちらの工場を使うか確認した方がいいです!
 というのは、お客様にはわかりにくいかもしれませんが縫製工場もそれぞれ特徴があり、紳士物が得意な工場にレディースの注文を出すとどうしても出来上がりが「カチッ」となりすぎて、女性らしい柔らかいラインが出ないことがよくあるからです。
これは各縫製工場がそれぞれ得意分野があって、紳士の工場だと型紙から縫製ポリシーまでがちがちの紳士服になってしまうからなんですが、皆さんがテーラードのジャケットを作るとき「カチッ」と着るレディースのつもりなら全く問題ないんですが、ワンピースや柔らかい生地で優しい雰囲気のジャケットだとこれだとダメですよ。。

レディースははやっぱりレディースの工場でなきゃ!

ちなみに当社では紳士物は4工場、婦人物では2工場でお客さまの注文によって工場を使い分けています。(また別の機会に工場見学訪問記でも書きたいと思います。)