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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 ジャケットスタイルの色々
4月に入り桜も満開となりましたが新しいシーズンの始まりですね。
この季節はお仕事に限らず色々なことをスタートされる方も多いかと思いますが心身共に気持ちを入れ替えるにはファッションも外せない重要な要素ですね。
そこで今回は昨今、クールビスなどで注目されておりますジャケットスタイルを今更ながら考えてみたいと思います。
既にジャケットスタイルを取り入れ着こなしなどよくご存じの方も多いかとは思いますが
今回はこれまで着てきたのはスーツばかりでまだジャケットに手が出せない...そんな方に少しでもお力になれればと思いご案内させて頂きます。

お読みになって「こんなこと今更言われなくても分かっている」いうお客様もいらっしゃるかと思いますがお付き合い頂ければと思います。

先ず
スーツとジャケットの大きな違いは何..?という方も多いのではないでしょうか。
正直な所、違いは共布のパンツがあるかないか位しか思いつかないですよね。
確かにその通りで私も言葉にして説明をするには上手い表現が出来ません。
ただスーツの上着を他のパンツと組み合わせいるのは本人がばれていないと思っていても何故か不思議と分かってしまうものです。

言葉で説明するのは難しいのですが一言で言えば「組み合わせのバランス」ではないでしょうか?
スーツに使用するような素材でジャケットに出来るものは有るのですが色目素材感シルエット(合わせるパンツとの相性)、付属の雰囲気(釦等)、この辺りを余程上手く考えないとスーツのジャケットを他のパンツと組み合わせるのが難しくなります。
その様なことからスーツの上着を他のパンツと組み合わせるのはオススメしません

スーツにもジャケットにもなる、またはパンツ単品で使えるそんなセットアップスーツがありますがそういったスーツには有る程度、共通点が有ります。
このセットアップスーツを考えてみるとジャケットスタイルのヒントが隠されていますのでそれをいくつか上げてみたいと思います。

・カッチリしすぎない肩のシルエット
・ホップサックなどスポーティーな生地
・無地もしくは織り柄(ヘリンボーンなど)
・ドレッシーになりすぎない仕様(ポケット、ステッチ等) 
・やや細身のシルエット

等々...共通点を挙げればまだまだ出そうですが難しくなるのでこの程度にしておきます。
また、上記が全て当てはまるとも言えないのですが分かりやすい所で考えればこんな感じかと思います。

それでは上記で挙げた共通点についてもう少し詳しくご説明致します。
先ずは、、、

・カッチリしすぎない肩のシルエット
>>>ジャケットはスーツと比較しますとスポーティーな装いになりますのでスーツのようにカッチリとしたパッドを入れるとその分、構築的なイメージとなり雰囲気が硬くなってしまいます。
確かにこの様なジャケットもありますしお好きな方には良いのですがジャケット初心者の方には少々難しいかもしれません。
明確な違いを付けられるにはパッドを薄くしたりまたは抜いてしまっても良いかもしれません。
マニカカミーチャなどのシャツ仕立ても良いですね。
これはご体型によって変わる部分でもありますしお好みの部分でもありますのでお気軽にスタッフにお尋ね下さい。
※画像はマニカカミーチャ仕様です。

・ホップサックなどスポーティーな生地
>>>ドレッシーなものをお好みの方はこの限りではありませんがジャケット単品でお召し頂くことを考えますと細番手の糸を使用した生地(SUPER120'S等)よりもある程度ざっくり感のある生地の方がジャケットの雰囲気は出しやすくなります。
当社が今シーズン展開しております125周年記念の生地(ポーラ織り)などはジャケットスタイルに最適です。
またこれからのシーズンですとウール100%以外にリネン(麻)モヘア混紡のものなども涼しげで良いですね。

・無地もしくは織り柄(ヘリンボーンなど)
>>>これはセットアップスーツに限ったことでジャケット単品であればチェックや大柄なウィンドウペーンなども勿論OKです。
または千鳥格子やグレンチェックなども使いやすいですね。
逆にストライプの生地はジャケット単品並びにパンツ単品でもコーディネートしづらくオススメしません。
稀に上手くコーディネートされる方がいらっしゃいますがそれはかなりお洒落な方です。
その様なことからジャケット初心者の方は先ずは止めた方が無難です。
画像のようにコットンなども選択肢の一つです。

・ドレッシーになりすぎない仕様(ポケット、ステッチ等)
>>>これも絶対ということはないのですが通常のポケットなどよりもアウトポケットにしてみたりステッチをAMFステッチからミシンステッチにするだけで大きく雰囲気が変わります。
またボタンを本水牛のものではなくナットボタンメタルボタンにしてもよいですね。

これはよりスポーティーになるということですがこの様なことでカッチリ感が薄れデデニムなどにもコーディネートしやすいジャケットとなります。
カッチリとしたジャケットがお好みの方はこの限りではありません。

好きなものをどの様に組み合わせるかがポイントですが私の場合は下記の様なスタイルにすることが多いです。
 基本デザイン
シングル3つ釦中掛け及び段返り
 胸ポケット
箱ポケット
 腰ポケット
アウトポケット(フタツキ)
 ベント サイドベンツ
 フロントカット  カッタウェイフロントLGカット
 ステッチ ミシンステッチ(コバから5ミリの位置で) 
 裏仕様 大見返し
 肩パッド 無しか一番薄いもの
 袖釦 本切羽3つ釦(くっつき)
 ボタン ナットボタン
フロントカットをLGカットにすれば軽快感も加わりオススメです!!

生地にもよりますし、こればかりではないのですが基本スタイルはこの様なものになります。
私の場合はスポーティーになりすぎないジャケットが好きなのでこの様な組み合わせですがここはお客様のお好みに合わせて考えてみてください。

・やや細身のシルエット
>>>実はこれが一番大切ことかもしれないのですがジャケットはスーツとは違い前ボタンを掛けずに着ることが殆どとなります。
そうなると通常のスーツのゆとりではボタンを外した時にゆとりが入りすぎて綺麗なシルエットが出ません。
ここは逆に外している時を優先して少しウエスト部分を絞ってみても良いかもしれませんね。
そうするとボタンを外していても綺麗なシェイプが出ますのでだらしなくなりません。
確かにボタンを止めると少々きつくなりますが粋に着こなすためにはこの様なことも必要かもしれません。

以上、ご説明して参りましたがいかがだったでしょうか?
これまでスーツばかりでジャケットスタイルをなさったことが無い方はご参考にして頂けましたら幸いです。
今回、仕様やデザイン、生地を中心にご紹介してみましたが更に深く掘り下げていくとシャツやタイのコーディネート、シューズのセレクトなど色々とあります。
ジャケットスタイルを通してこの様なことを考えていくとスーツの着こなしの幅もグンと広がるはずです。

これから暑いシーズンに入りますのでリネン素材などのジャケットスタイルは爽快ですし冬場であればフラノやツイードで暖かなイメージも出せますのでスーツとは違った魅力が見えてくるはずです。
皆さんも是非、チャレンジしてみられてはいかがでしょうか。

それでは今回はこの辺りで失礼致します。
次回をお楽しみに〜!!
(執筆:山橋)