MDの仕事とは...
MD
(マーチャンダイザー)
という言葉、皆さんはご存じでしょうか?
就活中の学生も漠然と“
MDになりたい!
”と言いますが、実のところどういう意味かはっきり分かっている方は意外と少ない、そんな言葉ではないでしょうか。
私は前職の大手アパレルではこのMDを長年やっておりました。
携わったブランド
もティモシーエベレスト、キャサリン・ハムネット、デイジー&スキナー、ロベルタ・ディ・カメリーノ、リキエスタ、マエストロ・チェザーレ...etc、
出入りさせて頂いた
百貨店
も伊勢丹、三越、東武、西武、そごう、丸井等々、
海外の展示会
もピッティウオモ
(伊)
、ミラノウニカ
(伊)
、マジック
(米)
...etc、
お陰様で幅広く経験させて頂きました。
そこでここではMDの仕事がどういう仕事か?、まずこのことを皆さんに紹介したいと思います。
簡単にMDの仕事イメージを図で表すとこんな感じになります。
詳細(時計回りに)を説明しますと...
1.アイデア
:主担当:オーダースーツのヨシムラ(SHOPMASTER、MD玉岡)
>>>
アパレルや百貨店など小売業は常に新しい商品、新しいアイデアに飢えています。
その
アイデアを商品化するのがMDの大きな仕事
です。
2.原材料調達
:主担当:吉村株式会社(生地卸売り部門)
>>>
アイデアがあっても物がなくては製品には出来ません。
MDは時として
原材料まで遡ってその調達
をいたします。
(丁度北海道物産展でイカ飯の調達まで百貨店幹部がするように、、、です。)
そして、当社では、この仕事はSHOPMASTERを中心に生地の卸売部門が統括して皆さんに商品提供をしております。
3.企画
:主担当:オーダースーツのヨシムラ(MD玉岡、SHOPMASTER)
>>>
アイデアを具体的な
商品に変えていく作業
が企画の仕事。
ファッションは原材料だけでは全く商品価値がなく、そこにアイデアに見合ったイメージのパターンを作り上げていかなければなりません。
例えば、暑い夏に軽く涼しい「芯地を使わない1枚仕立てのジャケットを作る」というアイデアに対して、このイメージに沿う、肩の形、袖のシルエット、ウエスト絞りの具体的な企画を作り上げていく、そういった作業を言います。
4.商品化
:主担当:三久服装(吉井、梅本、イ君)
>>>
企画が出来上がったら次は製品化。
こちらは物作りですが
作り手に企画の持つイメージをいかに伝えるか
、これもMDの重要な仕事。
当社の場合はグループ企業にハンドメイド工場の三久服装がありますから、この点は他店と比べ非常に有利です。
5.売り場作り
:主担当:MD玉岡
>>>
製品化した物は店頭展示しなければお客様の目に触れることはありません。
こういったことを
売り場担当だけに任せずアドバイス
していくのもMDの仕事です。
6.販促
:主担当:SHOPMASTER、MD玉岡
>>>
当社の場合は、
HP上でいかに伝えていくか?
等が販売促進上重要なファクターとなります。
この点はSHOPMASTERと擦り合わせを行いながら新商品のイメージを具体化していきます。
7.接客
:オーダースーツのヨシムラ全スタッフ
>>>
一般的なMD業務では
直接接客するところはMDの仕事として認識されていません。
何故なら、MDの仕事はデスクワークや裏方仕事にその時間の多くを割いてしまうため、販売の表舞台に出る時間的余裕がないのです。
しかしながら私は、自分のMDはこれを含めたイラストの循環図で考えています。
それは、お客様と直接語り合うことで
“企画側の思い”と“お客様の考え”を摺り合わせる
ことができ、それこそが何よりの市場調査であり、次のアイデアにつながっていくからです。
この点は一般的なMDの発想と違うところです。
8.結果検証
:主担当:MD玉岡、SHOPMASTER
>>>
MDの仕事で大切なことの1つはPLAN-DO-SEE。
良い結果でも悪い結果でも結果が出るためには原因があり、それを
反省すること
もまたMDの重要な仕事です。
9.市場調査
:主担当:MD玉岡
>>>
結果が出て、次の企画を考える時にはやはり市場調査が必要になります。
百貨店などの小売りの現場、専門誌、あるいは海外の展示会などなど、色々な角度からの
情報収集を行い次のアイデアに結びつけ
ていきます。
お読みいただきお分かり頂けたでしょうか?
そうです。要は商品作り〜販売全般のコーディネーター。
もっと分かりやすく言えば、
何でも屋がMDという仕事
なのです。
何でも屋だからこそ、広く薄く仕事をして業界人ぶる評論家の様な人もいますし、逆に地道ながらも広く深く業界に携わり、業界のご意見箱のような人もいるのがこのMDの世界なのです。
私は、このどちらに位置しているのか、自分では分かりません。
ですが、この経験を生かしこれまでのヨシムラにはなかったMDの目線で皆さんに色々な情報を提供したいと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。
↑