HOME>お客様!ありがとう!>東京ショップマスターの秋冬スーツ。
オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!

 東京ショップマスターの秋冬スーツ。
 9月も下旬となり今年も残すところあと3ヶ月ちょっとですね。
正月をどのように過ごすか、そろそろ考えようと思います。

10月というとアパレル業界では、重ね着の提案から重衣料の生産まで慌ただしく動き出します。
当社でもNEW秋冬物サンプル帳を出して1ヶ月が経とうとしておりますが、今年もクラシックな柄から少しエッジの効いた生地まで幅広く展開しておりますので、色々妄想も膨らむ今日この頃です。

そこで、、、当社でスーツを数着仕立て、今回ようやく理想の形に近づけてきたと思える1着が出来上がりました。
今までは少しイタリアンな雰囲気のスーツや、アメリカントラッドの紺ブレ、ハリスツイードのスリーピース等々一貫性の無いように思える物を仕立てて参りましたが、まだ自分の理想のスーツという物を確立していない時期なのかもしれません。今後このような場で自分の好みを確立していくこととなりそうですが、その変化も気長に楽しんでご覧頂ければと思います。

それでは、今回仕立てたスーツをご紹介させて頂きます!
テーマはブリティッシュスタイル

 生地 G1022
(当社オリジナル、ダークグレー、ストライプ)
【 上衣 】
 基本デザイン 
シングル2つボタン
 衿
ピークドラペル
 ボタン位置
標準
 ゴージライン ハイゴージ
 胸ポケット 箱ポケット
 腰ポケット ハッキング(弱)
 ベント サイドベンツ
 袖口 くっつき切羽、ボタン4つ
 裏仕様 総裏
 裏地 Z494−2(エンジ色)
 ステッチ ピックステッチコバに入れる
 ポイントステッチ  シルバー(ネームの刺繍糸も同色)
 ボタン 艶無し鼈甲(5番)
 特記事項 肩パッド極薄の物。
衿幅8.5センチ、フロントカットはカッタウェイ
【 ベスト 】
 基本デザイン  6つボタン5つ掛け
 背仕立て  尾錠付き
 特記事項  ハイゴージ・ノッチ襟付き
【 下衣 】
 前タック  内1本
 脇ポケット  ナナメ
 ピスポケット 左フタツキボタン止め
 裾口 ダブル、折り返し幅4センチ
 特記事項 美脚シルエット 裏の附属は黒を使用

上記の仕様で仕立てたスーツ。
さて、、、どのように仕上がったのでしょうか!
こちらです。
オリジナルの生地は、ハリ・コシともに優れており、着ていく毎に身体に馴染む感覚が味わえます。上着の方は比較的、細身なスタイルが好きなので、人台にかけてもスッキリとした印象になりますね。
それでは、雰囲気をご覧いただきましたので次はディティールのご紹介です。

上着

□ 襟 □
ハイゴージ:ピークドラペル
こちらは入社以来、玉岡氏のスタイルが格好いいなーと思っていたと言うこともあり、シングルの打ち合わせでピークドラペルにしました。
通常はシングル→ノッチドラペル、ダブル→ピークドラペルというようにフロントの打ち合わせによって襟の基本形が決まってきます。全体的に少しシンプルなデザイン、サイズ感なのでアクセントを取るため今回ピークドラペルへ。
日本語では剣襟と呼ばれており、どこか鋭角的でキリッとした印象になります。
□脇ポケット□
ハッキングポケット(±1センチ・弱スラント)
今回のテーマでもあるブリティッシュ。もともと脇のポケットをナナメにつけるハッキングポケットは乗馬する際に手を入れやすくするため角度をつけたものです。その為、脇ポケットをハッキングにすることによりブリティッシュに
□袖口□
本切羽:くっつき4つボタン
袖口はこちらもクラシカルなくっつきボタンにすることにより、手元を引き締めます。重ねボタンも遊び心があったり、手が少し長く見えたりとバランスは良いのですが、イタリアの遊び心から始まったとされているため、ブリティッシュというストーリーを統一。
□ フロント □
襟付き・6×5掛け
当社でベストをオーダーされる方は、衿無しの方がスッキリと見える、かさばらないという理由もあり7割ほどと比率が多いのですが、胸回りのボリュームが欲しい時やクラシカルな印象を与えたいという方には是非ともお薦めしたいのがこの襟付きです。
下衣

□ 裾口 □

ダブル:4センチ
毎度毎度好みのデザインと言うこともあり常にダブルの4センチで仕立てております。 足下に少しボリュームを出し、全体的なバランスをとります。シングルでもボリュームを出すとなると少し股下を伸ばし長めにしてクッションでボリュームを出しますが、股下短めが好きなのでダブルにて。
ワンクッションからノークッション位が個人的な好みです。
いかがでしたでしょうか。

デザインで特徴といった特徴はありませんが、身体に合わせつつ自分の好みのシルエットを求めるというのはオーダーではとても楽しく時間がかかる部分もあります。

また、流行廃りもありレディースのファッションほど流れが速くはないのですが、自分の好み8割、トレンド2割くらいの割合でスーツと向き合うと長く着られる1着となるのではないでしょうか。