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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!

 タキシードの完成です。
今年の春の訪れは少し遅いという予想がされておりますが、皆さん秋冬物はもう見飽きたのではないでしょうか。
当社では、現在新しいサンプル帳の作成で慌しくも真新しい生地に囲まれ興味半分、実務半分楽しく?作業しております!

そんな中、今回ご紹介するのは季節にはあまり関係のないフォーマルな仕上がりをご紹介させていただきます。

ご注文いただいたのは、私もよく接客させていただいているHさんです。
いつもご来店の際は店頭に黒いポルシェをとめて颯爽と来店されるHさんですが、性格はとても優しく、オーダーを楽しんでいらっしゃいます。

前回のご注文では、海外で挙式をあげられる際に着る白の麻シャツ白のコットンパンツをオーダーされ、いつものしっかりとしたスーツとは一味違ったご注文でした。

年始には今回のタキシードのご注文にご来店され、暖かい年賀状もいただき、嬉しい限りです。(裏面にはちゃんとお仕立て頂いた白×麻シャツ+コットンパンツでバシリっ!)

今回のタキシードのご注文は、国内でパーティを行う際に着用されるようで、注文は私が不在だったため、MDこと玉岡氏が承りました。

タキシードといえばドレスコード、ドレスコードといえば、TPOということで、まずはTPOについてご案内させて頂きます。

□ TPO □
フォーマルウェアにとってとても重要になるのが、このTPOです。
特にフォーマルウェアは改まった席に着用するので、間違った装いはできません。
そのためとても重要な事なのですが、服装で大まかに言うと朝と夜、格式の高い・低い、自分の立場や関係性によって分かれております。
文章で説明しても難しいため表にしました。
〜TPOとは〜
 Time(時間)
 Place(場所)
 Occasion(場合)

上記の頭文字をとって、「時間と場所、場合に応じた服装や態度等の使い分け」を意味します。
なんと、この和製英語の発案者は「VAN」の創始者石津謙介だそうです!
その他にも色々と和製英語を発案し、現在でもよく使われる“カジュアル”“キャンペーン”などもそのうちのひとつです。
石津謙介といったら、やはりアイビールックですが、こんなところでも「石津謙介」の名前が出るなんて少し不思議な気分になりますね。

話は逸れましたが、フォーマルを装う場所には、上記のようなドレスコードが必ずといっていいほど付いてまわるので、是非ご活用ください。

それでは、Hさんご注文のタキシードをご紹介します。
<生地>
ロロピアーナ/Super120's/four season(4シーズン)/黒無地

夕方から夜の慶事に着用するタキシードですから、フォーマルの漆黒に限らず、素材感で違いを出すのであればこのロロピアーナです。
無地は素材の良さがダイレクトに伝わるので、独特の艶感や滑らかさから雰囲気のある仕上がりになります。
夜は昼間より光が少ないので、より色気のある艶が演出されます。
また、このfour seasonシリーズは盛夏以外年中着られる目付け(260g程)で、季節を問わないため、1着あれば一生重宝できる素材です。
(もちろん、体型維持してなんぼですが...)
着る時期も選ばず、洒落た艶感、動くたびにきれいに出るドレープ感などまさにベストな生地ではないでしょうか。
<上着>
 基本デザイン シングル1つボタン
 衿型 ショールカラー
 ベント ノーベント
 袖口 レギュラー/3つ
 釦 くるみボタン
 腰ポケット フタ無し
 胸ポケット 箱ポケット
 フロントステッチ 無し
 裏仕立て 総裏
 裏地 胴裏:黒 袖裏:白
 特記事項 タキシード仕様(拝絹)
<下衣>
 前タック 外1本
 サイドポケット ナナメ
 ピスポケット 両玉左右ボタン無し
 裾口 シングル/モーニングカット
 特記事項 キシード仕様(側章付、内側付属白使用)サスペンダーボタン付き
まずは出来上がりの写真からご紹介します。
いかがでしょうか。
独特の艶が写真でもご覧頂けるのではないでしょうか。
今回はロロピアーナの生地ということで上品な艶があるため、通常の拝絹ではなく、より艶の有る当社の生地を採用しました。

それでは、タキシードならではのデザインをご紹介します。

〜 デザイン 〜
□ 上着 □

・ショールカラー

現在タキシードの襟型はショールカラー・ピークドラペルが一般的ですが、Hさんのお好みで、ショールカラーでのお仕立て。
ところで、ショールカラーとピークドラペルどっちがクラシックなの?ということで調べてみると、ふむふむ、諸説あるようですが19世紀後半「スモーキング」といわれるくつろぎ服として登場し、その後エドワード7世によって取り入れられ「ディナージャケット」として、広まったそうです。

一方、ほぼ同時期にニューヨークのタキシード・パーク倶楽部の正装舞踏会で、全員が燕尾服を着ている中、一人真っ赤なスモーキングジャケットを着て参加したことから広がったようで【タキシード事件】と名付けられました。

何れもタキシード(ディナージャケット)の登場はショールカラーといわれており、その後20世紀前半に燕尾服に近づけたピークドラペルが取り入れたようです。

... っということで!結局どちらもフォーマルには変わりありませんので、お好みでお決め下さい!

・フロント:1つ釦・拝み釦

モーニングやタキシードに良く見られるシングル1釦(拝み釦)ですがシンプルになるほど、よりフォーマル度が高くなります。
ブラックスーツにもシングル1釦で拝み釦をお仕立て頂いている方もいらっしゃいますが、慶事の時は良いですが、弔事の際は、普通のジャケットのように釦を留めてください。(弔事には拝み釦留めは向きません)
・ノーベント

もともと乗馬する際に、上着の裾を落ち着かせるため、後ろに開きを入れたことからベントが浸透しておりますが、かしこまった席では特に不要なため、略礼服でもそうですがフォーマルな装いにはほとんどこのノーベント仕様となります。

□ パンツ □
・側章

こちらもタキシードの際につけるもので、以前ナポレオン軍の軍服に識別用に用いられその後フォーマルなタキシード、燕尾服に用いられるようになりました。
普段のスーツにはつきませんが、これもまたタキシード仕様に含まれております。
そしてこちらがご着用の写真です。
いかがでしょうか。
ドレスコードでは、ブラックタイ=タキシード着用が一般的になっておりますが、一着あると体型が変わらない限りずっとお召しいただけますし、男の嗜みとしてワードローブの一部にご検討ください。

タキシードオプション料金→シングル上下+10,500円