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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 「お客さまいらっしゃ〜い」:ハリスツイード完成です。 
 夏の暑〜い時期からSHOPMASTERが熱を上げていたハリスツイード。
もう皆さん過去ログでご覧になられましたね。
  まだの方は>>>過去ログを!暑い最中にハリスツイード!

そこで今回は↑でご紹介したハリスツイードの試作品と別途お客さまからのご注文品が早々に3着出来上がりましたので、是非皆さんにご紹介したいと思います。

その前におさらい>>>
☆★☆ SHOPMASTERより一言・・・ハリスツイード★☆★
英国スコットランド北部のハリス&ルイス島で牧羊された羊を昔ながらの織機で織った素朴な生地
特徴はその太い毛からくる独特の肌触り(早い話がちくちく感)と保温性(コート不要!)、そして耐久性(5〜10年は持ちます!)
色はカントリー調のチェック柄・ヘリンボーン柄が多いが最近では多様化。

それでは今回の登場人物をご紹介しますと・・・

Y氏・・・当社で一番遠距離のお客さまYさん。(40代前半)独デュッセルドルフからのご注文
ヨーロッパではハリスはやはりメジャーな存在なので一風変わったデザインを希望。
ハリスのゴツゴツ感をなくした街着的なジャケットで着用したいとのこと。

I氏・・・ワシントンDCで報道記者のキャリアを持ち現在は某大学の教授。(40代半ば)
仕事柄ビジネススーツも大切ですが、意外と大学では上下別々に着ることが多い反面、お洒落には敏感な先生です。
既にハリスは1着お持ちで今回追加のご注文。
NHKの優しいビジネス英語にコラム欄を持つ多才な方です。

SHOPMASTER・・・私(東京SHOPMASTER)です。
ハリスは小さい頃親に着せられて「チクチク」して嫌だった記憶がトラウマになって以来ハリスから遠く離れてしまった33歳。

さて、
仕事も場所も年齢もかなり違ったこの3人。それぞれどんなハリスジャケットを作ったでしょうか?
それではデザイン決定までの経緯を少し...

Y氏・・・
Y氏にとってハリスを車に例えると、素材的にはオフロードカー。
それ故街着として着るにはちょっと抵抗があるとのこと。
私はてっきり、ハリス=英国(ヨーロッパ)
 >>>ハリスは珍しい存在ではない。
 >>>それ故街には、ガチガチのハリス(ノーフォークのアウトドア仕様)が多いので
 >>>ちょっと変わったデザインがご希望。
 ...と思ったのですが、ご本人はこの様にお考えでした。

02.09.01
件名:ハリスジャケットの件
ヨシムラさん
木曜からデンマークへ往復1200kmのドライブ旅行に出ていたものですから連絡が遅れ申し訳ありません。(ひゅ〜海外勤務は言うことが違いますね...カッコ良い!By Shopmaster)

まず、下記のハリスジャケット紹介の件、こちらでハリスが珍しいかどうか、ちょっとはっきり申し上げられませんし、むしろ、吉村さんのお好きなクルマの例え話がピタッとくるのではないでしょうか。

つまり、ノーフォークジャケットはJEEPとかMercedesならばGシリーズ、あるいはランドローバーというヘビィデュティー仕様、ということになりませんか?

ハリスという伝統素材を生かした正統派、という位置づけでしょうか。

これに対して、ハリスを街で着ると言うならば、そこまでの本格四駆仕様は重たい、ということでライトクロカン仕様として三つボタンジャケットを基本にフラップ玉縁にスエードを使うetc.という工夫、ということでは如何でしょうか?
注文した本人としては、まさに街乗り四駆という感覚でお願いしたものです。

こちらだと、ジャケットで十分にビジネスに耐えるというか、日本のスーツ文化とはちょっと違う、という感じはありますが、ハリス初心者vs.ハリス慣れ、という対比は当たらない、と思えてしまいます。

いずれにしても、お客様からご注目ということはご同慶の至りです。
吉村さんの力の入れ具合からもジャケットの注文が殺到するとは思っていました。
いろいろなデザイン・仕様が出てくると、これは楽しめそうですね。
(独デュッセルドルフより Y)

う〜ん、ハリスの文化を車に例えるとは...なかなかアカデミックでGoodです。勉強になりました。
で、Yさんのハリスはどんなデザインになったかというとこんな感じです。

生地は   ・・・BL1201(キャメル色がベースの小格子柄)
基本デザイン・・・3つボタンジャケット
胸ポケット ・・・普通の切りポケット
※一般にこの手のカジュアルジャケットはアウトポケットが多いですが敢えて普通のフタツキで。
腰ポケット ・・・普通のフタツキ
※こちらも一般的にはアウトポケットが多いですが敢えて普通ののフタツキで。
ポイント1 ・・・ポケットのフタ上部(玉縁部分)をスエード使い
ポイント2 ・・・胸ポケットも同じくブラウンのスエードで
ポイント3 ・・・ボタンは革ボタン
>>>オーソドックスなデザインはヨーロッパならどこにでもある?


次に
大学教授のI先生のハリスは...というと今度はこんな感じです。

生地は   ・・・BL1203(ヘリンボーン柄)
基本デザイン・・・3つボタンの中1つ掛けジャケット
胸ポケット ・・・こちらも通常のスーツのようなポケット
腰ポケット ・・・普通のフタツキポケットですが、ちょっと英国っぽくハッキングを掛けて...
※どうやら仕事柄カジュアル感を出しても良いけれど、基本は押さえなければということで仕事でも着れるようなまとめ方ですね。
ポイント1 ・・・ハッキングポケット
これならボトムの選び方次第ではカジュアルフライデーOKです。
ハッキングがカジュアル感を薄めてくれるのがポイントです。
ポイント2 ・・・袖ボタンを水牛ボタン(艶消し鼈甲色)に
革ボタンよりカジュアル感が出なくなりますね。

そして出来上がりはこんな感じになりました!


そして最後にSHOPMASTERのジャケットは、大層なことではありませんがこんなタイトルで仕立ててみました。

タイトル
夫婦仲良くペアルック
どうせならバリバリの ノーフォーク仕様!!
注:実はこのジャケット、生まれて初めて家内とペアルックで作ろうと思ったものなのですが...それがとんでもないことに・・・(詳細は後日レディースサイトにて)

で、どんな仕様かと言いますと
生地は   ・・・ペアルックでもいけそうな暖色のBL1202
基本デザインは・・・3つボタンジャケット(ノーフォーク仕様)
ポイント1 ・・・バリバリ ノーフォークのため背中の脇の下のあたりにノーフォークのプリーツ&アウトポケットの部分までノーフォークのプリーツを
ポイント2 ・・・スエードをふんだんに使ってノーフォーク(=狩猟用)のイメージを高めました。
(具体的には)●肩あて・・・これは銃身を肩で固定するための補強
肘あて・・・アウトドアでは肘を汚すので交換できるようにするため
襟先のタブ・・・寒いときにスタンドカラーみたいにできるように
※上記のノーフォーク仕様はセットで7000円のオプションです。
ポイント3 ・・・内ポケットまで贅沢に(玉縁部分までスエードを使ってみました。)

どうです、皆さん。
カッコ良いですか?
たかがジャケットですけれど、色んな思いで仕立てると出来上がってくるものも千差万別ですね。
三者三様どれがどれより優れているというものではなく、それぞれが個性を主張し合う1着になりましたね。
これからの時期は週末を過ごすときなどジャケットが肝要ですが、ノーフォークから街着的ジャケットまで是非一度皆さんなりにジャケットに思いをはせてみてはいかがでしょうか?
楽しいものですよ。

<最後に・・・>
I先生からもご感想を頂きました。
02.09.13
件名:いただきました。
ヨシムラさんへ
 本日、確かにハリス・ツイードをいただきました。ありがとうございました。
お願いする時に悩んだボタンの感じも、裏地の色合いもヘリンボーンの生地とほどよく調和していい感じですね。
改めて袖を通してみて思うのは、「これならよほど寒くならないとコートがいらないな」ということです。
昨冬、やはり吉村さんのところでカシミアのコートを作ってもらったわけですが、その出番が少なくなりそうで困っています・・・ということはありませんが、どちらをどう着ようか嬉しい悩みになりそうです。
いずれにしてもありがとうございました。
02.09.14
件名:追加のコメントです。
ヨシムラさんへ
 今回作っていただいたハリス・ツィードについて、私にとっては結構大事なコメントがあったので、追加のメールをお出しします。
 袖のボタンですが、ハリスでしたら革のボタンにする人もたくさんいると思いますが、私の場合は、普通のボタンにして本切羽にしていただきました。
そして吉村さんから出来上がりをお送りいただいた際には、その部分の4つボタンのうち、2つがわざと外してありました。
これがなかなかベリー・グッドなのではないかと思っています。
 これまでも本切羽でスーツを作ってもらっていました。
人に言わせればこれを1つか2つボタンを開けて着るとカッコいい!ということになっているようです。
ですが、ビジネスの真面目な場所に着て行って、相手が保守的なおっさんの場合にはそうすることは、なかなか難しいことです。
したがって私は(大学でえらそうな顔をしているのに)、基本的には袖のボタンをはずして着るということはしておらず、「実は本切羽」というのを、自分だけの密かな楽しみにしていました。
 ところが、ざくっとしたハリス・ツイードの場合、本切羽の4つボタンのうち2つをはずして着るというのが、自然なくずし方になって、かなりいい感じだと思うのです。
ですから、このハリスでは、2つボタン外しでいつも着ることにします。
そしてそれについて人から聞かれたら「実はスーツもそうなってんだけどさぁ・・・」という感じでこっそり自慢しつつ、「そもそも本切羽とは」と、吉村さんのHPで得た知識をもとに話したりしちゃおうかと思っています。
 自慢する云々は別にして、「ハリスに本切羽、2つボタンはずし」は、吉村さんが他のお客さんにセールスするときも、使えるのではないでしょうか。そう思ったので追加でメールしました。

 I先生ご感想ありがとうございました!!
俄然ハリスの売り込みに気合いが入るSHOPMASTERでした!
皆さんもこの冬はハリスのジャケットなどいかがですか?