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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!
 〜大阪編〜 春はそこまで。 
3月を待たずして今年は既に春のような陽気が続きましたが、やはり3月になれば夜明けも早くなり、花粉も飛んで...と、春がすぐそこに来たなぁ、と実感できますね。
また、3月はなにかとイベントやお出掛けの多い月、いざとなって慌てずに春物のご用意もお忘れなく。

そして3月は出会いと別れの季節、さしずめ当社で置き換えれば、ずっしりとした冬物よさようなら!軽やかな春物よこんにちは!と言ったところでしょうか。

そこで今回は春物第一弾として、春一番ならぬ春らしい色のスーツをご注文頂いた方に登場頂きました。
だけど春物だから春らしい色は当たり前でしょ?

ハイそうですが、実は...これが結構難問でして...
<春らしい明るい色目のご注文はそんなに多くは無いのです>


そこで、まず冬物素材と春物素材の違いとは?を簡単にご案内しますと次の通りです。

肉厚感が違う
>>> 具体的には目付(めつけ)という専門用語になりますが、冬物で300グラム前後、それが春夏物ですと230グラム前後と一気に軽く薄くなります。

色目が違う
>>> 冬場にはやはり黒を中心とした濃い色目が中心ですが、春物になりますと主にグレーを中心としてベージュやブルーなどの明るい色目が加わり展開されます。

素材が違う
>>> ウール100%一辺倒の冬物に比べ、サラッと感を打ち出す為のポリエステル混紡やクールビズで大活躍の麻素材など素材のバラエティも豊富になります。

店頭には既に2月中旬には春物が勢揃いしています。
おまけにサンプル帳は出荷済みと「ようし、ここで春物のお客様のご注文をご紹介をして!」と意気込んだのは良かったのですが...
ところが、肝心の次から次へと舞い込むご注文が濃い色目のご注文が多くて、なかなかこちらの意図と合わなくてアタマを抱えていた次第です。
こちらの意図とはの2番目、春らしい色目のご注文です。

つまりWEB原稿を書くにあたって、春物の打ち出しとしてぜひ春らしい色目と考えるのは当然の事。
ご注文とは言え、いくらなんでも初っぱなから冬場と同じような濃い色ではなあ?と弱っていたのです。

そこへ「捨てる神あれば拾う神あり」WEBでご紹介するのにピッタリのお客さまが相次いでお見えになりました。

WEBの春物のご紹介には東京ショップマスターが着ているようなこんな色目のご注文があれば楽なのですが...

そんな数少ない春色をご注文頂いた方が、今回ご紹介するお二人のお客さまです。
前置きばかり長くなりましたが、それではお二人のご注文を順を追ってご紹介します。


■ まず最初のお客様 ■
まず最初の方はHさんで、硬いお仕事(古くさい言い方!)をされているリピーターのお客さまです。
冬物の仕上がりを取りに来られた際、春物のジャケットとして目ざとく見付けて頂き、その色柄や質感にほれこんで頂きました。

□ 生地・・・BL6250 ゼニア社 カシミアシルク □
サンプル帳をご覧のお客さまはもうご存知ですね♪
TOPページにド〜んと掲載しているライトブルー地にベージュのウインドウペインを載せた、贅沢素材です。
WEBではやや濃く映っていますが、実際はもっと明るく、いかにも春らしい軽やかさを感じさせる素材です。

横道へそれますが、いつもサンプル帳のトップページに何を持ってくるか?は結構悩むところです。
東西両ショップマスターと仕入れの一野君がアレコレと悩んだ末衆議一決、今回はこれで行こう!と決めました。
難産の末ですから、早速このようにお客さまから反応があると嬉しいですね。

また、こちらは東京ショップマスターがスペシャルセレクションで取り上げていますので、併せてご覧下さい。

□ 主なデザイン □
3ツボタン中掛け
ナチュラルショルダー
ノーベント
裏地はなるべく薄くとの事で、メンズには珍しいキュプラの極薄裏地を使用しました。
フルオーダーでのお仕立てとなりました。

■ お二人目のお客様 ■
そして続いての方はこちらもリピーターで、Tさんをご紹介します。
来店されたTさんは最初からワードローブに無い色なのでとのことで、ライトグレー一本槍でお探しでした。
□ 生地・・・・・G6018 当社オリジナル □
業界では俗に「トロ」と呼ばれる夏物の代表的な織物「トロピカル」で、ウール100%でありながら清涼感と軽さに溢れた素材です。
この織り方といい、色目といい、かつては春夏物を代表する存在でした。
ちょうど画像では真ん中の明るいグレーになります。

こちらは偶然ですが私がスペシャルセレクションでお勧めしていますので、詳しくはそちらをご覧頂くとして、近頃ビジネススーツでこれぐらい明るい色目のスーツは、残念ながらあまり見かける事はありません。
それだけにTさんのお目に止まって非常に嬉しい限りです。
きっと素敵なスーツに仕上がりますよ、ご期待下さい。

□ 主なデザイン □
3ツボタン段返り
センターベント
腰ポケットハッキング
スペアパンツ付き

ちょうど売り場に見本のスーツが展示してありましたので、3ツボタンの段返り、明るい色目ですので、仕上がりはこんなイメージでしょうか?
★☆★ 大阪SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

近頃は季節感がなくなったと言われていますが、残念ながらスーツの世界も同様です。
梅春になればグレーのシャークスキンと、ひと昔前はスーツの色目だけでも季節を感じましたが、今や年間を通じて黒系のオンパレード。

せめてとこの季節には明るい色目をと、私もご来店のお客さまにお勧めしているのですが、どうしても濃い色目に落ち着いてしまうケースが殆どです。
それだけに今回のお二人のスーツを画像に掲載して、素敵な明るい色目の商品をぜひアピール出来ればと思います。

それでは春らしい仕上がりをお客さま共々、私も楽しみに待ちたいと思います。
■ こぼれ話 ■

その1「雑誌などではこの春の流行色としてグレーのスーツなどが良く目にしますけど?」

雑誌のグラビアや店頭のディスプレイなどは売れ筋では無いけれどアピール出来る商品をモデルに着せたり、マネキンに着せる傾向が多く見られます。
つまりメンズの世界でも実際は従来通りの黒や濃紺が生産の中心にも関わらず、アイキャッチャーとして目立つところには本音以外の商品をアピールする事も多いのです。
甚だしいのは、レディースの場合など雑誌で掲載された商品を早速お店に問い合わせてみると、「あいにく売れてしまいまして」と雑誌の発売と同時にも関わらず在庫が切れているような場合があります。
つまり雑誌のグラビアで「映える」商品というのは決して売れ筋とは限らない為、リスクを恐れて最初から限定数しか生産しないで、特定のお店(主に東京のメイン店)にしか置かないのが、どうやら実情の様です。
(ただし、前シーズンまではライトグレイなどの色目はこのアイキャッチャー的要素が強かったですが、今シーズンはどうやら本物のトレンドになりそうです。>(補足まで)

その2 なぜスーツは黒地が多くなったの?

以前はリクルートと言えば長らく紺色と相場が決まっていました。
それがバブル崩壊以後、景気が悪くなると共に、リクルートに黒が増えてきました。
その為、サラリーマン人生最初のスーツが黒色となり、黒色がスーツの原点になり馴染みやすいと言うことが考えられます。
また黒は無彩色と言うこともありネクタイやシャツなどなんでも合わせやすく悩まずに済む、あるいは冠婚葬祭用に使えて一石二鳥などの利点があると考えられています。
ただ、年配の方の黒地は逆に礼服に間違われる場合もありますので、少しばかりご用心下さい。