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オーダースーツのヨシムラ
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 夏のトリミングジャケットのご注文
GWも終わり、そろそろ初夏の陽気になってきましたが皆さんお元気でしょうか。
これからの季節はビジネススーツもさることながらクールビズや夏に向けたジャケット需要が高まって来る時期ですが皆さんクールビズに、夏のカジュアルに、どんなジャケットをお召しになっていますか?

そこで今月はちょっと変わった夏ジャケットをオーダーされたTさんにスポットライトを当てて、皆さんにご紹介したいと思います。

Tさんの希望するジャケットはどんなジャケットかというと...

ジャケットと言うよりはシャツに近いシャツジャケット
色は夏らしくネイビーの織り柄無地
これに襟周りやポケットの縁取りに白のトリミングをした物
う〜ん、、、
白のトリミング(縁取り)というと芸能人やニュースキャスターが紺のブレザーに1cm幅位のトリミングを付けたジャケットをよくTVで見ますよね。
ジャニーズの櫻井君や女性キャスターのようで、爽やかな感じですね。

最近では既製品でも結構ありますが、オーダースーツ業界は概して保守的な体質からかなかなかこういったご提案をしているお店は多くないようです。
そこを切り開くのが業界での当店の役割(?)ですから、ここは後に続く読者のためにも一肌脱ごう!ということでご相談を受けることになりました。

でも、こんなトリミングジャケット、お店には見本服もないし、ご注文されるTさんもなかなかイメージが注文段階では沸かなさそう...

そこで、、、ちょっとイレギュラーですが、こんな感じでご注文を進めることにしました。
1.ベースとなるジャケット生地の決定

2.デザインの決定
>>> 最初はとにもかくにもベースとなるジャケットを決めなくてはいけません。
Tさんはリピーターですが、こんな洒落たジャケットをお求めですからタイト好みの方で、デザイン面も結構大変です。

3.出来上がりを待ってトリミングの種類・場所の検討
>>> トリミングは場所やテープの幅・種類によって随分イメージが変わります。
そこでお客様にはご面倒なんですがベースが仕上がった段階で一度ご来店頂き、最終テープの種類、色、幅、場所を決めていただくことになりました。

4.出来上がり
こんな手順で進めることになりました。

■ ベースとなるジャケットの生地・デザイン ■
〜 まずは生地選び 〜
普通当店でスーツやジャケットをお仕立になる方は当然紳士物の生地で仕立てるのですが、Tさんはスーツ好きというよりはとてもお洒落な方で、メンズの枠にとらわれない方でした。

で、そのTさんが選ばれたのが...婦人物の生地
織り柄の入った紺無地、なんですが、普段は主に「お母様の面接用スーツ」に使っている生地でした。
画像はこの生地を使った当社お受験スーツ(雑誌VERY6月号で採り上げられました!)
(伊勢丹が22万円でオーダーする物を当店はワンピース&ジャケットで88,000円ですからね。ちょっと宣伝
なかなか、目の付け所が凄いでしょ。
でも、レディースの生地でジャケットを作るとどんなに堅い芯地を使っても、仕立て上がりがカチッとせずトロン、、、とした雰囲気になります。
(ですから、万人受けする物ではありません。)

〜 デザインは・・・ 〜
続いて、デザインは・・・というと、当初はシャツジャケットのような物をイメージされていたTさんもシャツジャケットでは耐久性の面で弱くなるのと、だらしないジャケットに見えてしまうのでは?ということで、通常のマニカカミーチャ仕様のジャケットにされました。

これならノーパッドですし、肩が雨降らしになっていてカジュアル感もありますし、ベースとなる芯地も薄いからシャツジャケットに近い雰囲気が出せます。

そして、最終的にはこんなデザインになりました。
 基本デザイン
シングル2Bジャケット
 Vゾーン
深め
 襟幅
7.2cm ←背の高いTさんにしてはかなりナロー
 上着丈
71.0cm ←標準マイナス6.5cm!
 腰ポケット アウトポケット
 ベント センターベント ←最近のジャケットはセンターベントが主流です。
 ポイント 襟を立てても感じがでるように、、、ということで襟裏はカラークロスを貼らず表地で
 トリミングの予定  ご注文段階では・・・
白のテープで(幅5〜10mm位)
襟周り・ポケット周り・ベント部裏・袖部の裏と襟を立てる事を意識して襟裏にも何かを貼りたい!
・・・といった感じのご注文になりました。

■ トリミング内容は... ■
そ・し・て・・・待つこと3週間、ベースとなるジャケットが仕上がりTさんにご来店頂きました。
折角なのでフィッティングも合わせて行うと、、、こちらは全く問題なし。

そこからトリミング内容の最終検討
私の方からは白のテープを3種類ほどご用意しご覧いただいたのですが、どうにもTさんのお顔が冴えません。
どうやらお気に召さないようで掘り下げて伺って見ると・・・
Tさん、何か普通なんだよね...またテープがウルサク見えるんだよね〜、、、とあまり嬉しくない様子。

なんかもっとユニークな物ありませんか?と聞かれ、、、
う〜ん、、、そうですね。テープが安っぽく感じるのでしたらスエードはどうでしょうか?
丁度一昨年ぐらいにE.Zegna(既製品のライン)で襟裏にベージュのスエードを配した物がありましたよ。
...と、ご案内すると、『それイイですね。どんな色がありますか?』ということに....

そこで、ベージュ、ブラウン、ネイビーのスエードをお出しして色合わせしてみると、、、
ネイビーが爽やかでとても良い感じになりました。

これでトリミング素材は決定です。(何のために白テープ用意したんだろ? (ぼやき))

次は、トリミングを付ける場所の問題です。
でも、Tさんの話を聞いていると当初はジャニーズ櫻井君の着ているジャケットのような物を想像していましたが、どうやらそれだと既製服っぽくてイヤとのこと。

えっ、ではどんなのが良いんですか?
う〜ん、もう少し控えめで、でもちゃんとアクセントになっているというか...
難しいご相談ですね。こうなると私もなかなか提案しづらい...

でも、その後色々紆余曲折があって最終的にはトリミングする場所はこんな場所に決まりました。

トリミングその1:襟裏
>>> これは当初予定通りの襟裏
Tさんは襟を立てて着用することを随分意識していまして、その時のアクセントとしてだそうです。

トリミングその2:アウトポケット上端
>>> 正面から見たアクセントは当初よりグッと控えめに
トリミングはフロント腰ポケットの上端だけ約15cmぐらいだけです。

トリミングその3:センターベント
>>> 活動的なジャケットはベントもヒラヒラ開くことがあります。
この時のアクセントとしてベントの隠れた部分にトリミングを入れて動いたときのアクセントに

トリミングその4:袖先
>>> 袖は本切羽と言うこともあり、釦を外したときにチラッと見えるチラリズムが良いとのこと。
丁度L字型にトリミングして、袖先は釦を留めた状態でもほんの5mmほどが顔をのぞかせる仕様
端の始末も角度は45度で!とのリクエスト付きでした。

さてさて、どんなジャケットになるのでしょうか?
続いては出来上がりのご紹介です。

■ 出来上がりは・・・ ■
さてさて、当初の予定とは少し感じが変わってきてしまったトリミングジャケット。
早速出来がりを紹介しましょう。

〜 まずは全体像 〜
>>> 正面から見たジャケットの全容は意外と控えめ。
腰ポケットのネイビーのスエードは良いアクセントになっていますがジャニーズ櫻井君よりはずっと控えめです。
ちなみに、トリミングとは関係ありませんが、このジャケットの裏地、色は白を使っています
普通、白は下の生地の色が透けてしまうため一般的には使わないのですがTさん了解の元、裏地を白にしてみると....

どうでしょうか?凄く爽やかでしょ。
当初のように白のトリミングでも似合うんじゃないかな?
〜 襟を立てると 〜
>>> 続いて、、、襟を立てた姿を見ると、こちらも襟裏のネイビースエードがチラリ
ちょうど左右の肩線の延長線上から襟腰の部分に控えめに貼り付けているためバランスも取れています。
〜 ベントは・・・ 〜
>>> ベントはこんな感じ。
センターベントで重なりの下側ですから余り目立ちませんね...
でも、何かの時に見えると全体のバランス的にGoodです。
〜 袖先は・・・ 〜
>>> 袖先はL型に作りました。
でもこの直角に曲がった部分の処理って大変なんですよ...
加えて、袖先は45度のカットで。
ボタンを留めてもチラッと見えるのが分かりますでしょうか?

いかがでしたか?夏のトリミングジャケット
この程度ならトリミングは+5000円前後で出来ますので他にはないアクセントを利かせたジャケットが欲しい方は是非挑戦してみてください。