HOME>いらっしゃ〜い!!>大阪SHOPMASTERの春夏スーツ
オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 大阪SHOPMASTERの春夏スーツ
梅雨入りして約1週間経過致しましたがジメジメとした天候は本当に辛いですね。
私も年齢を重ねるが毎に暑さ寒さに弱くなり、これに湿度が加わるとこの所の体力低下に伴い辛く梅雨明けまで本当に気が重いのですが皆様はいかがでしょうか?

前置きはこの位にして今回は今シーズンの私のスーツをご紹介したいと思います。
私のスーツというと、本来は新着コーナーで1回で全てをご紹介すべきなのですが、実は忙しさにかまけてなかなか作業が終わらず、仕上がっていないため、生意気ながら2回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

さて、
まずは生地選びですが先に書いた通り、年齢を重ねるが毎に暑さに対して弱くなってきていることから今回は軽くて涼しいということを必須条件として考えました。
軽くてしなやかというだけならイタリア物となりますがやはり汗を多くかくシーズンですので皺が気にならないというのも念頭に置いて考えなければいけません。
お値段面では稼ぎが悪いことからゼニアやロロ・ピアーナは懐も寂しく除外となりますのでアンダー6万円で検討することにしました。(洋服屋でもこの辺りはシビアです...)

あれでもない、これでもない...とあれこれ考えていたのですが、見た目にも涼しさを演出したいということでグレー系から選ぶことにしました。
本来、私は紺色が好きで紺系の色目のスーツが多いのですが最近、グレーにも興味が出てきたのをきっかけに思い切って仕立ててみることにしました。
これは持っていないから作ろうという訳ではなく気になって欲しくなったから仕立てようという所がミソでこういう気分の時に仕立てた物は今まで持っていなかった物であっても長く着れる物になるのです。
こういった点は生地選びで非常に大切な鍵となりますので欲しくないのに持っていないからなどと簡単に考えずお好みに正直に考えてみてください。

そういった事を考えながら選んだのがイタリアはキャノニコG6091です。
夏らしい涼しげなグレーで見た目にも爽やかです。
モヘアが16%混紡されており肌触りも気持ちよく汗をかいてもまとわりつかないことと思います。

ご覧頂けましたらお分かり頂けますようにモヘアが混紡されることで光沢感も出ており、ヘリンボーンのこの生地は光の当たり方によって表情が変化します。
またミディアムグレーですから明るすぎずコーディネートが容易なので困ったときに重宝するスーツとなりそうです。

仕様については自分自身、トレンドに左右されることなく自分の形が出来上がっていますので悩まないのですが下記の様に決まりました。
 生地
G6091
(キャノニコ、ミディアムグレー、ヘリンボーン柄)
【 上衣 】
 基本デザイン
シングル2つボタン
 衿
ノッチドラペル
 ボタン位置
標準
 ゴージライン ハイゴージB
 胸ポケット バルカポケット
 腰ポケット フタナシ
 ベント サイドベンツ
 袖口 重ね切羽、ボタン4つ
 裏仕様 背抜き
 裏地 Z494−113(紺色)
 ステッチ ピックステッチコバに入れる
 ポイントステッチ 裏地と同色
 ボタン 黒蝶貝
 特記事項 内ポケット玉縁表地仕様、肩パッド一番薄い物、たれ綿つぶす
【下衣】
 前タック 外1本
 脇ポケット ナナメ
 ピスポケット 両玉縁左右ボタン付き
 裾口 ダブル、折り返し幅3.5センチ
 特記事項 折り目加工
以上に決定致しました。
何も変わったところのないオーソドックスなスーツですが私の場合は飽きずに長く着たいと考えているのでその時代に合わせて適度にトレンド感があればOKです。
いつも違う点はすっきり2つボタンにしたことと、夏らしく爽やかに黒蝶貝を使うことくらいかな...

さて、トレンド感を何処で出すのかというと一番はパンツのシルエットです。
例えばここ最近は美脚パンツに注目が集まっておりますが時代によっては太い物や細い物に移り変わります。
皆さんの中にはジャケットのデザインがトレンドを見る上で重要とお考えの方も多いかと思いますが実はジャケットよりもパンツの方がトレンドに対して重要な役割を果たします。

スーツにはシューズが無くてはならないファクターですが最近、ロングノーズのシューズが多いのは実はパンツのシルエットと密接に関わり合っており、細身のスーツが多いのも頷けます。
ロングノーズのシューズのデザインを活かすことを考えると細身のパンツがバランス良いですが太めのパンツでは余程考えたコーディネートでないとシューズのデザインが活かされずバランスが悪くなってしまいます。
その様なことから考えますとトレンドというのはスーツだけではなくそのスーツにあったシューズ、シャツ、タイを考える必要があります。

スーツのシルエット、デザインありきでコーディネートを考えますとコーディネートした時にバランスが今ひとつ良くならないという事がありますがこの様な場合は先ずどの様なシューズを合わせるのかを考えた上でそれを活かすパンツのシルエットを考えていけば解決することも少なくないのです。
ジャケットのバランスはパンツのシルエットで決まると言っても過言ではありません。
画像はフルオーダーの仮縫いの時の模様ですがシューズに合わせてパンツの丈、裾の太さなどを入念にチェックしている所です。
もしスーツから考えられる場合はそのスーツにあったデザインのシューズを履くことが重要となりますがそこまで考えてスーツを着ると一皮も二皮も向けて洗練されたスーツスタイルとなるのです。
一度、街行く人々を見ながらその辺りのバランスを考えてみるのも良いでしょうね。
バランスが良い方もいれば悪い方もいらっしゃるのできっと勉強になりますよ。

私の場合は英国のオーソドックスなシューズが好きなのでそのシューズのデザインが生きるパンツを心掛けますが自身の体型等も踏まえて考えなければいけないのである程度は形が絞られます。
O脚なので余り細い物だと目立ってNGとか一番自分の体型を良く見せる形にするのが大切です。
あくまでもご自身の体型を良く見せることがスーツにおいては重要となります。
無理をして似合わない物を着るよりも先ずはその部分を考えてみるのがよいでしょう。

以上、私が仕立てる春夏スーツがどのような物かご紹介致しましたがさてさてどの様に仕上がってくるのでしょうか?
お客様によってはお好みが分かれると思いますが所詮、自分が着る物なので納得いくスタイル、ディテールにすればよいのです。
なんて体型の悪さを誤魔化す事も申し上げつつ出来上がりは次回、ご紹介したいと思います。

今回はこの辺りで失礼致します。
次回をお楽しみに〜!!
(執筆:大阪SHOPMASTER山橋)