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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 当店初オーダー!
12月に入り今年もあと一ヶ月きりましたね。
街全体もどうやらクリスマスムードが高まって参りましたが、イルミネーションもこれからもっと賑わってくるのではないでしょうか。
空気も乾燥しておりますので体調には気を付けたいところです。

そんな中、今回のご紹介は他社でオーダーを何度かご注文していたものの、少々マンネリ化してきたとのことでご来店されたSさんです。
これまで、Aテーラーさんでよく仕立てていたようで、「ホームペー ジは綺麗で、仕立ても満足しているんだけどね」とのこと。
何やら負けず嫌いな感情とやる気が更にメラメラと湧いてきました。
(もちろん、やる気はいつもありますが!)

内心そのような事を考えながら接客をしているとこのような会話になりました。
私: これまで何度かオーダーされていたようですが、何か不満や気に入っているところありませんか?
(オーダーの場合、採寸する人によって思っていた寸法よりも大きく仕上がってくる、いわばオヤジ服になるのが嫌だという方が多いです。)
Sさん ん〜っ、特にないですけど、やっぱりオーダースーツはいいですよね。
身体に合わせてもらえるので、、、
私: あまり不満もないようですが、Aテーラーさんは結構若いスタッフさんも多くて、トレンドに沿ったスタイルですよね。
Sさん そうなんですけど、少しマンネリ化してきまして、、、
私: (むー。マンネリ化!? デザインがマンネリなのか、接客がマンネリなのか、、、進めながら探っていこう!)
そうですかー。
では、まずはデザインから進めさせていただきますので何か気になる点がございましたら、お気軽に聞いてください。
...と、このように何を求めているのかを探りながら進めさせていただいた仕様をご紹介させて頂きます。

◆ 生地 ◆
G1098
(カノニコ/グレーストライプ/フランネル)

◆ ジャケット ◆

 基本デザイン
シングル2つボタン
 ボタン位置
標準
 フロントカット
カッタウェイフロント
 ゴージライン ハイゴージB:ゴージライン高め
 ベント サイドベンツ
 袖口 重ねボタン4つ
 ボタン 本水牛:艶無し焦げ茶
 腰ポケット ハッキングポケット(+1.5)
 裏仕立て 総裏
 裏地 Z494−7(シャンブレー/茶)
 特記事項 携帯ポケット左胸付き、タイト目希望、肩パット極薄
◆ パンツ ◆
 前タック ノータック
 サイドポケット ナナメ
 ピスポケット 両玉縁左右ボタン付き
 裾口 折り返し幅4センチ
 特記事項 折り目加工、腰部分Vカット、持ち出し付き、股部2重補強
以上で決定いたしました。
カノニコの素材は色々なセレクトショップでも特に取り上げられており、トレンドに合った生地が多く感度の高い方にとても愛されているブランドの一つです。
その中でも今回はフラノ素材という秋冬物というよりは、まさに冬物のみという限られた季節の間で着用するので贅沢な生地でもあります。
着用期間が短い分、何年も着られるため一年で着る回数は少ない物の体型さえ変わらなければ長く着られるので、まだフランネル素材を持って無いという方にもオススメです。

デザインでは全体的には今のトレンドに沿ったブリティッシュタイトといったところでしょうか。
裏地も渋いブラウンにボタンも艶が無いタイプで全体的に引き締め、シルエットでタイトに見せることによってバランスを調和していますね。
当社では当たり前のように付いている「本水牛」ですが、一般的に良いスーツには必ず本水牛またはナットボタンがついております。
やはり高級感が違いますね。

Sさんは他社でオーダーしていたということで、お好みはしっかりと固まっておりデザインのお話はスムーズに進み、デザインにマンネリ化ではないのかな?と思いつつ、なにか当店でのオリジナリティーはないのかな?と考えながら接客を進めていくと、スラックスのデザインを決める時に「履いているうちに内股が擦れてくるんですよね〜」 とのこと。
 ほうほう!
「当社では股の縫い目に合わせ生地を2重に被せるオプションがあるんですよ〜」...とすかさず反応。
ということで股部2重補強をお付けすることになりました。

縫製工場でもこういう手間のかかる工程は嫌がるため、なかなか股部補強などを積極的にするお店はないのですが、当店は昔からこういうところには気を遣っているので大丈夫です。

〜 股部2重補強とは 〜
太股が大きめな方や、歩いている際に内股が擦れてくる方にお薦めしているオプションで、通常の状態から同じ生地を被せ内股を2重にし、被せた生地が傷んでもその生地を貼りかえるだけでまたお召しいただけます
他社ではあまり行っていないため当店では逆に人気の仕様ですが、既に擦り切れて穴が空いた方や生地が傷んだ方でもあとから同じ生地、または似た生地で付ける補修も承っておりますので、内股がダメになりズボンが履けなくなってしまう方や現在そのような症状のズボンをお持ちの方も是非ご相談下さい。
もっと詳しく!という方はこちらをご覧下さい↓
  お客様ありがとう:傷んだパンツも復活

その後もSさんとは、デザインを確認しつつ当社の見本服をお召し頂きながら、あぁでもない、こうでもないとぶつぶつ独り言をはさみながら寸法を採っていたのですが、Sさんから一言。

 「ここまで採寸されたの、初めてです。」

嬉しいですね...
私としては初めてオーダーされる方に多少慎重になって採寸していただけで、逆に時間が掛かって申し訳ないな〜位に思っていたのですが、こう言って頂けると努力の甲斐があります。

オーダースーツの難しいところは〈自分に合ったスーツ〉〈自分が求めるスーツ〉には少なからず違いがあり、それを接客・採寸を通じてどこまでそれを引き出せるかというところです。
そして、採寸する上で大切なのは“身体に合ったスーツ”からどれだけ“求めるスーツ”に落とし込んでいくか、なんですよね。
できるできないということをハッキリ説明しながら理想に近づける採寸を心掛けていきたいです。

さて、当社では初のオーダーのSさん。
接客〜採寸については満足いただけたようですが、一番の肝である仕上がりはどのようになるのでしょうか!
ありがと〜うコーナーで着用写真も含めアップさせていただく予定です。