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生地を知りたい知っとかなくちゃ
◇ 生地を知っとかなくっちゃ 素材・加工編

< ラ/ワ

<< 代表的な繊維 >>
天然繊維:
ウール(毛) 綿(コットン) (リネン) シルク(絹)
合成繊維:
ポリエステル ナイロン アクリル ポリウレタン
再生繊維:
レーヨン キュプラ

ア 行
アイリッシュリネン
アイルランド産のリネンで、リネンの中では特に高品質な部類に入ります。
他の麻と比べると光沢感が強いため衣服用の他テーブルクロスやハンカチなどに多く用いられます。

藍染め
植物染料のことを藍と言い、藍の中に糸や衣服を浸した後さらに天日干しをすることで、より鮮やかな藍の色が表現されます。
また、植物染料(藍)が染みこむことによって、布や糸の繊維の耐久性も高めます。

後染め
布地もしくは衣服になった状態で染色することを後染めと言います。
また、これとは全く逆の行程で、原毛や糸の状態で染色することを先染めと言います。

空羽(あきは)
一定の間隔で縦糸を通さない箇所を作るのですが、縦方向に細い筋の透けた部分を作った薄手の織物のことを空羽と言い、その透けた柄の部分を指す場合の名称としてもこの呼び名が使われます。
最もポピュラーなところで、レースの下地などに使われていますね。

アクリル
ポリエステル、ナイロンに並ぶ三代合成繊維の1つで、性質としては軽くてウールに似たソフトな風合いで温かい素材。
このためウールと混紡で多く使用される日光や外気にさらされても変化しませんが、ピリング(毛玉になること)が起こりやすいのがマイナス面。
主にセーターなどのニット素材や毛布、コート地などに利用されています。


麻は人類が最初に衣料に使った繊維とされている素材。
種類もリネン、亜麻、苧麻(ラミー)、サイザル麻、黄麻(ジュート)などの多くの種類がありますが、主に衣服ではリネン・亜麻・ラミーを使用しています。
麻には、風通しが良く蒸れない、汗をよく吸う、シャリ感があって肌に触れた感触もひんやりと感じる、非常に丈夫などといった特徴があり、まさに暑い夏場には快適の素材なのですが、一方では非常に皺になりやすいというマイナス面も持ち合わせます。
最近では麻のデメリット(シワになりやすい)ことを軽減した擬麻素材として、竹の繊維を使った素材やイラクサなどを使った素材も注目されています。

アセテート
天然のセルロース(木材パルプの繊維)を原料とし、酢酸を作用させて作ることから半合成繊維に分類されます。
絹のように美しい光沢感を持ち合わせながら、一方では毛と同じようなふっくらとした風合いや適度な吸湿性・保温性などの性質も持ち合わせます。
伸び縮みが少なく皺にもなりにくいので、主に婦人用のブラウスや、ドレスなどに使われています。

亜麻
亜麻とは比較的寒い地方で栽培される一年草の亜麻科の植物で、亜麻が布の状態になるとリネンとなります。

アメリカンコットン
米国産の綿花からできたコットンのことですが、元々綿花はインドが原産地で、その後ヨーロッパや中国、そして後に米国にも伝わり、今では米国が中国に次ぐ世界第2位の綿花生産国となりました。
中でも最もメジャーな産地がテキサス、カリフォルニア、ミシシッピーです。

綾織り
織り目が斜めになった織り組織の総称で、基本的にはノ字に織られている面が表とされていますが、中には逆綾と言われるノ字が逆方向に向いた物もあります。

アンゴラ
アンゴラには、アンゴララビットの毛とアンゴラ山羊の毛の2種類があり、一般的にアンゴラ山羊の毛はモヘア、アンゴララビットの毛はアンゴラに分類されます。
アンゴラ山羊はシルクに似た光沢感やと強い張り腰が特徴なのに対し、アンゴララビットの毛は毛足が長く繊維の太さが極めて細いのですが、その感触は非常に柔らかいのもので、両者の違いは触れてみれば一目瞭然です。
アンゴララビットの毛は軽さはウールの1/3でも暖かさは3倍といわれるぐらい良い物で、コートの他冬場のニットや手編み毛糸などに使われます。

意匠糸(いしょうし)
太さや色、繊維の異なる糸を色々な方法で撚り合わせ特殊効果を施した糸のことを意匠糸と言います。
ネップやループ、スラブなどはまさにこの意匠糸に属するのですが、通常の糸を用いた織物と比べてとても装飾的にもなり、また織物に表面感を持たせることにもなります。

イタリアンクロス
経糸に黒綿糸、緯糸に毛を使用した織物ですが、滑りが良くなめらかな風合いで光沢感にも優れているので、主に裏地や傘地に使われることが多いです。

インド綿
インド綿は色が白く手触りが良いのでニット製品に好適ですが、繊維が太くて弾力性があるので、衣料品よりもむしろ掛け布団などの寝具に最適とされています。

ウォッシャブル加工
布の表面のうろこの先端を丸めたり取り除いたり、また樹脂で覆ったりしながら、羊物の防縮をする加工のことですが、この加工を施すことによって家庭でも水洗いが可能となります。

浮織り
緯糸を地から浮かせることによって立体的に模様を表現した織り方のことで、主にタオルやシーツなどで用いられます。

ウーステッド
細くて長い繊維のことを梳毛(そもう)と言いますが、これを用いて平織り・綾織りなどにした毛織物のことをウーステドと呼び、主にスーツ地として用いられることが多いです。
ウーステッドの特徴として、光沢感がありあまり肉厚でない丈夫な物が多いです。

ウール
いわゆる羊毛全般のことを指し、モヘヤもアンゴラも基本的にはこのウールに属します。
とても暖かい繊維で衣料用や手編み毛糸毛布等に使われますが、ウールが衣料素材として優れていると言われる理由として、保湿性があり伸縮性と弾性に富む、手触りが柔らかくしわになりにくいなどが挙げられます。
私達の生活には欠くことの出来ない素材ではありますが、短所もあり収縮性や虫・カビがつきやすいといったデメリットもあります。

エジプト綿
その名の通りエジプトで生産した綿のことで、西インド諸島で収穫した海島綿と並んで世界で最高級の綿と言われています。
特に繊維の強さにおいてはエジプト綿は世界最高とされています。

エステル
酸とアルコールを作用させた時に水と分離して出来る合成繊維のことで、主にポリエステルなどが代表されます。

エンボス加工
型押し加工のことですが、衣服以外にもバックや靴、ポストカードなど用途別で幅広く使われている加工方法です。

オーガニックコットン
農薬や化学肥料を一切使わず有機栽培方で3年以上かけて育てられた、お肌にも環境にも優しいコットンです。
コットンの産地アメリカはテキサス州のオーガニックコットン協会日本支部(JTOCA)の認証を受けた厳選されたコットンですが、非常に強く丈夫で洗濯に強く、保温と防暑に優れ水をよく吸い込むので衣料品とタオル地の両方に向いています。
関連URL: http://www.vightex.com/rep/01/05a/index.html

オーガンジー
地が透けて見えるぐらいとても薄手で軽い綿織物のことですが、最近では絹やレーヨン、ポリエステル製の物もあります。
光沢感と張りのある風合いを出すためにスイス仕上げという加工(硫酸処理)が施され、主にブラウスやドレスなどに使われることが多いですが、衣料品以外に、造花などの資材としても用いられます。

オックスフォード
比較的厚地で柔軟性や光沢感のある斜子織の織物で、原料は綿糸の他スパンレーヨン糸や合成繊維の混紡糸などが用いられます。
糸使いは太細様々で地合の薄いものから厚めのものまでありますが、ふっくらしていて柔らかく主にシャツやブラウス、パジャマなどに使用されます。

オパール加工
レースのように部分的に透かし模様を作る加工のことをオパール加工と言います。
例えば、ポリエステルと綿の混紡素材などの場合、綿は酸に弱いという特性を利用して、綿だけを化学反応を用いて破壊溶脱して、部分的に透かし模様を作ることが出来るという訳です。 コットンレースなどが良い例ですが、部分的に透かし模様を作ることによってより立体的模様が表現できますね。

カ 行
海島綿(シーアイランドコットン)
西インド諸島カリブ海のごく限られた地域だけで生産されることが許された最高級の素材です。
高温多湿の島か海岸でしか栽培出来ない世界最長&世界最高級の綿で、毛筋は細長くしなやかでありながらも非常に丈夫で絹のような光沢感が特徴です。
肌触り、光沢感のどれをとっても従来のコットンを遥かに越える素材です。
関連サイト(当社外) http://www.kaitoumen.co.jp/index.html

加工糸
ナイロン・プロミラン・ポリエステルプラスチックを主に原料とした糸で、合繊の熱可塑性を利用し、繊維にクリンプ(捲縮)を与えてかさ高や伸縮性を付与した糸のことを加工糸と言います。
とても頑丈で、衣服や靴・鞄の他ロープと様々な分野で使用されているのですが、最もメジャーなところで東レや帝人の名が挙げられます。

カシミヤ
元々はインドのカシミール地方産のヤギ(カシミヤヤギ)の表面の毛の下に生えている柔らかい毛のことをカシミヤと呼んでいましたが、カシミヤヤギは現在では中国・モンゴル・インド北部でも飼育されています。
非常に柔らかい手触りや保湿性、それに絹のような光沢感があり、主にマフラーやコート、ショールなどに使用されるのですが、カシミヤはカシミヤ山羊一頭から150gしかとれない貴重な毛のため、最も高級な繊維として扱われます。
カシミヤは強いドレープ性と柔らかさそして保温力が最高です。

かすり
筆でかすったような感じの織り柄ことですが、布になる前の糸の段階で部分染めしてから、織り上げて柄を出しています。

ガーゼ
甘撚りの糸を粗く平織りにしてソフトに仕上げた綿繊維をガーゼといい、ハンカチや下着に良く用いられます。
また、絹や麻で作られた絽(ろ)や紗(しゃ)などのこともひとまとめにガーゼと呼ぶ場合があります。

絹(シルク)
シルクの呼び名で通った、蚕の繭から得られる繊維ですが、しなやかで優雅な光沢があることから繊維の女王的な存在。
レディースではプリント物の色つきの良さを好感してか、シルクプリントが有名です。
独特の発色の良さやドレープ性、保温吸湿性が抜群の昔から珍重された素材です。
一方で、素材のばらつきも多いのがシルクの特徴で、シルクといっても野生に近いガの繭から作った物もあれば、純粋培養のシルクもあり質はピンからきりまでありますのでシルクという表記だけで騙されないようにしてください。
雑学ですがシルクは天然繊維の中で一番長い繊維です。

擬麻糸
麻のような張りとこしを持たせ、見た目までも麻に似させた糸のことを擬麻糸と呼びます。

擬麻加工
綿やレーヨンの織物にゼラチンやカゼインなどの薬品処理を施し、麻のような硬さやシャリ感を与える加工のことです。

起毛
布の表面をひっかいて繊維をかき出した後、かき出た繊維を切断してけばを出す加工のことで、織物では緯(よこ)糸を起毛するケースが殆どです。

ギャバジン
緻密に織られたコシのある丈夫な綾織物のことで、綿やウールの他合繊でも作られます。
経糸の本数が緯糸の2倍強で織られているため、表側の綾目がくっきり出ているに対し、裏面は比較的フラットな形状になっています。
丈夫な素材故、主にスーツやコートに多く用いられています。

キュプラ
一年草のコットンからとれるコットンリンタ−(種子を覆う短い繊維・地毛)を原料とした再生繊維ですが、国内では旭化成のベンベルグ裏地が有名ですね。
滑らかな手触りで服の滑りも良く、また汗の吸収性も良いので、古くから人絹(人造絹)と言われ、メンズでもレディースでもオーダー服の裏地として欠くことの出来ない存在です。
欠点は水に濡れると縮んだりシワになることですが、きちんとアイロンを掛ければ元に戻る所は良いところです。

強撚糸(きょうねんし)
糸の単独の繊維がばらばらにならいよう撚りをかけるのですが、通常よりもさらに強く撚られた糸のことを強撚糸と呼びます。
強撚糸を用いられた織物は、さらっとした肌触りや皺になりにくい物が多くその性質から夏物素材にに多く使用されます。

クラッシュ仕上げ
ニットやベロアのけばがクシャっと押しつぶされたような感じに仕上げることで、主にアセテートやレーヨンのけばに施されます。

クールウール
軽くて薄く清涼感のある夏向きのウール素材の総称ですが、梳毛やモヘア使いの物の他、トロピカルやギャバジンなどがクールウールの代表です。

形態安定加工
綿の衣服が洗濯によってシワや形くずれ、縮みを発生しないように施された加工です。
アイロン掛けをしなくても着られるようにするW&W(ウォッシュアンドウェア)加工や防皺加工、防縮加工などの全てを総称して形態安定加工を呼ぶ場合が多いです。

コットン
肌触りが良く吸湿性に優れた特徴があり高温多湿の日本の気候に適した素材。
イージーケアーで取り扱いが簡単な反面、欠点としては縮みやすく皺になりやすい繊維です。
現在は加工技術の進展から防縮・防シワ加工のコットンもあります。
コットンは生産地によっても品質的な違いが大きく出ていて、廉価なものから非常に高価なもの幅広く市場に出回っていますが
高価なものでは・・・西インド諸島カリブ海のごく限られた地域で生産される海島綿(シーアイランドコットン)が有名。
一方、今時ならではのコットンは・・・オーガニックコットン。
昨今のアトピー患者・アレルギー患者の急増で、有機栽培で農薬を使わず生産した肌に優しい素材が注目されています。
コットンは全繊維の中で一番我々に身近な存在ですね。


コットンボイル
密度が粗く薄地で軽く透けた風合いの綿織物をコットンボイルと言いますが、サラッとした感触で主に夏用のドレスやブラウスなどに用いられます。
コーデュロイ(コール天)
縦方向に毛羽の畝があるベルベット繊維で主にコットンの物が主流ですが、中にはレーヨン性の物もあります。
畝の太さによって呼び名があり、太いものを鬼コール、細いものを細コール、その中間のものを中コールと分類しますが、毛羽立った表面感や温かいて厚地という性質上、冬物の衣料品に使用されます。

コードレーン(コード織り)
縦方向に畝の入った織のことで、綿糸の他合繊やレーヨンなどでも作られます。
スッキリとした見た目がとても涼しげで、サマースーツやジャケットに多く用いられます。

サ 行
再生繊維
天然植物から採れる繊維素を化学薬品で溶解し繊維の形にした後、もとの繊維素に戻した繊維のことを再生繊維と言います。
再生繊維の代表的なものとして、キュプラやポリノジックが挙げられます。

サキソニー
良質のメリノ羊毛で織られた柔らかい手触りが特徴の高級な紡毛織物です。
全体に薄くけばで覆われたソフトな風合いで、婦人服はもちろん紳士物のジャケットやコート、スーツにも使用されています。

サージ
梳毛(そもう)織物の代表的な物の一つですが、非常に丈夫で実用的なことからスーツや制服など幅広い衣服に使われています。

サテン
豊かな光沢感と滑らかさや柔らかな手触りが特徴ですが、サテンは経糸が長く浮いた状態になっている織物なので、縦の方向に対して横から引っ掻かれると経糸は切れるか、引っ張られて布面がつれてしまいます。
実用的な丈夫さよりもむしろサテン独自に光沢感や色味を表すことを第一に考え、織物の形をなすにはギリギリ限界で織られた物なので、雑な取扱いやましてやひっかきキズなどは厳禁です。

シアサッカー
俗に言うサッカーのことで、縦ストライプ状に波のようなシワがあるのが特徴的な薄地の素材のことをこう呼びます。
リップル加工やエンボス加工のように薬品を用いて皺を表現するのではなく、織物の経の糸を地を作る糸としわを生む糸に分け、その内のシワを生む方の経糸をゆるめに織ることによって波状のシワを生んだ織物ですが、このサッカー素材の衣服は見た目に涼しげで軽快な雰囲気ですね。

シーチング
太番手の綿平織物のことをシーチングと言いますが、シーチングは天竺木綿よりも更にもうワンランク上質で、シーツやカバー類の他、仮縫いの素材や芯地としても用いられます

シフォン
強撚をかけた細い絹糸を粗く平織りしたものですが、中にはレーヨンや合繊などから出来たものもあります。
糸と糸との間の隙間が広く開いているので透けて見えるのですが、非常に軽く柔らかな割には硬さがあるのが特徴です。

ジャカード
ジャカードとは紋織物を織る装置のことで、この装置で織った織物を、紋織物・ジャカード織物といいます。(略して単にジャカードと呼ばれることが多いです。)
ジャカード装置の良い点は、経糸の1本1本を操作して模様を織り出すことができることなのですが、その模様の表現はとても繊細です。

シャンタン
緯に節糸、経に生糸を使った織物で、表面は横方向に節が不規則に現れていることと、光沢感が強いのが特徴です。
元々は中国山東地方で作る絹織物のことだけをさしていましたが、現在では合繊の物が圧倒的に多いです。
このため山東→シャンタンという名になりました。

シャンブレー
経に色糸、緯に別色糸を使い霜降り効果を出した無地調の先染め織物のことですが、比較的濃い色の糸も白糸が混ざることによって柔らかな色加減になりますし、また色使いによっては光沢感が出ます。
主に綿使いが主流ですが、最近では混紡素材も多く見られるようになりました。
生地に玉虫色な効果を出したいときに利用します。

ジョーゼット
ジョーゼット・クレープの省略で、元々はちりめんじわのある絹織物のみを指していましたが、最近では撚りの強い梳毛糸を用いてしぼをはっきり表現した物や化学繊維の物が多いです。
シワになりにくく、しゃり感があって軽いのですが、ドレープやギャザーも美しく表現出来ることから、主に婦人服で用いられます。

シルケット加工
苛性ソーダに綿糸や綿布を浸し素材を膨潤させることによって、綿に絹のような光沢や染色性、防縮性、強度などを与える加工のことです。

皺加工
皺を生じさせる加工で、方法として、洗いで生じさせるワッシャー加工や、型付けで与えるエンボス加工などがあります。

スエード
表面をサンドペーパーで毛羽立てたビロードのような革のことですが、合化繊を起毛させスエード調に仕上げた物もあります。
短い毛羽が密になってフェルト状に地合を覆い、表面は平滑で手触りは柔らかいことが特徴ですが、コートやジャケット等の衣料品の他、靴や鞄など幅広い分野で用いられています。

スレーキ
光沢のあるなめらかな綾織物で、主にメンズ衣料の裏地として用いられます。
本来は綿織物ですがレーヨンや混紡でもつくられます。

梳毛(そもう)
梳毛糸(ウーステッド・ヤーン)で織った織物の総称で、原毛の段階で梳られた細長くなめらかな感触の糸(長繊維)で織られています。
生地の表面は織目がはっきりと出ていて、適度なハリと腰がありシワになりにくいことから、ビジネススーツに最も多く用いられます。


タ 行
多重織り
2枚以上の織り組織を重ねた織物のことですが、実際には三重織り以上の織物はめったに見られず、二重織りがほとんどとなっています。

タスマニアウール
オーストラリアのタスマニア島内陸部に産する、繊細で柔らかい極細羊毛のことです。
伊ロロピアーナ社はこのタスマニアウールの仕入量が世界一で一躍有名になりました。

タッサー
緯糸を経糸の数倍太くし経糸密度は緯糸の数倍高くして平織りに織った、横畝がはっきり現れた織物のことをいいます。

ダッフル
両面起毛した厚地の粗い紡毛織物のことで、主にダッフル・コートや毛布等にも使われます。

玉虫
タマムシ科の甲虫で、この虫は光線の当たり具合によって体の色が緑や紫に変化して見えるのが特徴ですが、これに似た織物で、見る角度や布地のひだの寄り具合によって、色が変わって見えます。

ダンガリー
デニムに似た綿綾織物のことで、一般にデニムよりやや薄手になっています。
ダンガリーはインディコブルーの糸と白色の糸を使って織られているのに対して、デニムは経緯の糸使いが逆になっているものですが、主に、シャツやブルゾンなどカジュアルウェアなどに用いられます。
チノ
綿の双糸を使った丈夫な綾織物でチノクロスとも呼ばれ綿ギャバジンに属します。
カーキ色などに染めて軍服やユニフォーム、ワークウェアに多く用いられます。

ちりめん(縮緬)
英語で言うクレープと同意語で、強撚糸を交互に打ち込んで布の全面にシボをあらわしている織物の総称になります。
シワになりにくいので、主に、和服・ワンピース・ドレスなどに用いられます。

チンツ加工
つや出し加工の一種で、この加工によって織物に強い光沢感を出せるのですが、ろうを用いた加工の為洗濯によって徐々に光沢感が失われてしまいます。

G4188_91 ツイード
元々は手紡ぎの紡毛糸を手織りで織った英国スコットランド特産の織物をさし、綾織物を意味する英語のツイルの語源となっていますが、現在では、ざっくりした素朴な味わいのある厚手の紡毛織物を総称していいます。
産地や糸種になどによりバラエティが多く、ジャケットやコート、ボトムスなどカントリー調の衣服に用いられています。

デニム
綿の太い糸を用いた綾織物のことですが、今ではジーンズがその代名詞にもなっていますね。
デニムの経糸はインディコブルーに染まっていて、緯糸は白色というのが特徴です。
インディコブルーの糸を1本引き抜いてほぐしてみると糸の芯部分が白く染め残っているものなのですが、ブルージーンズの縦落ちの秘密はまさにここにあると言えます。

デニール
一定の長さに対してどれだけの重さがあるか、繊維の太さを測るのに用いる単位のことです。
デニールの数が多くなるほど糸は太くなっています。

テフロン
英国のデュポン社によって開発された、フッ素系の一つであるポリテトラフルオロエチレン繊維の商標名です。
テフロンの性質として、耐薬品性、撥水性、耐侯性に優れてることが挙げられます。

天竺木綿(てんじくもめん)
天竺は綿の編地でもあるインドの呼称でもあり編組織の名前でもありますが、やや厚めで丈夫な綿織物で、Tシャツやタンクトップなど夏場の衣料品には欠かせない存在です。
天竺織物の特徴は、表面はカタカナのハの字を逆さまにしたような織りを縦方向に連ねた列が並んでいて、裏側は下向きの半円形が重なった縦方向の列と上向きの半円を縦方向に重ねてつくった列とが交互に並んでいます。

テンセル
天然のセルロース繊維から出来たエコロジー性を追求した素材です。
丈夫な割にはとてもソフトな風合いで、着心地はとても軽くサラっとしています。

添毛(てんもう)
ベルベット織物やモケット糸のようなけばを持った織物や糸のことを指します。

ドスキン
牝鹿の皮のことで、見た目も手触りもレザーに非常に近いです。
布表にわずかな毛羽と、適度に厚みと重みがありますが、感触は極めて柔らかく、まばらでよろけたような毛羽は一方方向に伏せられています。
ただ、本格的なドスキンは、非常に重く毛羽がある分ほこりがつきやすいといったデメリットもあります。

トロピカル
薄地の梳毛組織のことで業界では略してトロと呼ばれています。
平織りで織り目が粗い分風通しも良く、それにサラッとした手触りなので、夏場のスーツにはうってつけの素材で、ウールを主体に最近では、レーヨン、ポリエステル、アセテート等の混紡物も多くなっています。

ナ 行
ナイロン
三大合成繊維の一つで、石油を原料にした人工の高分子物質のポリアミドを繊維にしたものです。
非常に丈夫で伸縮性にも富み、軽くて水を吸っても重くならないということから、水着や靴下ストッキング・スポーツウエアなどには最適な素材です。
ナイロンに伸縮加工を加え、ふんわりと弾力感があるウールに似た外観の素材をウーリーナイロンと言います

梨地織り
織物組織の一種及び織物の名前のことですが、経糸と緯糸を複雑に交差させるため、布面が梨の皮や砂のようにざらざらした感触なことからこう名付けられました。

ネップ・ツイード
赤や青など色々なカラーネップ(意匠糸)を織物の表面に点在させたツイードのことで、元来のドニゴール地方農家で作られた紡ぎのホームスパンを真似て作られたものです。

ハ 行
拝絹地(はいけんじ)
礼服の縁につける絹地のことで、燕尾服やタキシードなど男性の礼装用スーツのラペルに張る黒い絹布をいいます。
最近は安価で取り扱いのしやすいポリエステル素材が多くなっています。

パイル
ビロードの表面のけばやタオルのループのように、織物やニットの表面に出した毛羽やループ(輪奈)のことをパイルと呼びます。

撥水加工
繊維の1本1本の表面を水を弾く繊維で覆わせた加工で、水滴を球状にして弾くのですが、織り目自体はふさがっていないので通気性に影響はないです。
ただし、大量の水までも弾くほどの効果はなく、大雨などの際にはどうしても雨が浸透してしまいます。

ハリスツイード
ツイード発祥地英国スコットランド北部のハリス・ルイス島産の手織ツイードですが、ざっくりとした風合いで粗い手触りといったツイード本来の姿と、更に野生ぽく粗野な感じがプラスされたカントリー風のツイードです。
一見白髪のような差し毛がチクチクした肌触りを更に強調するかのようなのですが、ハリスはざっくりとした羊毛と羊毛の間にたくさんの空気が入っているため、カシミヤ100%に引けを取らないほど暖かく、厳寒のスコットランドの気候にも耐えれる素材です。
偽物防止として、本物のハリスツイードにはロンドンのハリスツイード協会の商標でもある、十字架をいただく宝珠のマークが付けられています。
関連URL: http://www.vightex.com/ladies/rep/02/10/index.html

パンピース
パーム・ビーチの日本での俗称のことで、トロピカルに似た平織りの梳毛織物です。
パンピースの特徴として、織り目が粗くさらっとしているのですが、これらの特徴から夏のスーツや婦人服に用いられます。

ビキューナ
エクアドルからアルゼンチンへかけてのアンデス山脈の6000m以上の高地に数十頭の群れをなして住んでいる、ラクダ科ラマ属の一種から採取した毛です。
獣毛の中で最も細く、最高品位のデリケートな柔らかを持つのですが、希少価値も大きく世界で一番高価な素材です。

ピケ
横方向に盛り上がった太い畝が並んでいる綿織物ですが、中にはレーヨンや絹の物もあります。
畝がはっきりした芯入りピケとなだらかな芯なしピケがありますが、いずれも肌触りはさらっとしています。

ピーチスキン
布地の表面が桃の肌触りのような感触で柔らかくしっとりした風合いの素材をピーチスキンと言います。
極細のデニール糸で高密度に織られているため、透湿防水・撥水効果等もあり、新合繊を代表する素材の一つです。

ビロード
別名ベルベットとも呼ばれるパイル織物(添毛織物)の一種で、パイルをカットして織物の表面に毛羽を織り出した物です。
布面は短い毛羽が密生しているのですが、毛羽の伏せの立ち直りが早くて丈夫です。
それに肌触りは柔らかなことや深みのある色艶や光沢感を持ち合わせることから、見た目にも華やかな印象を受けます。

フィラメント
一般に細長い繊維状の物をフィラメントと言いますが、繊維業界では絹やレーヨン、ナイロン、ポリエステルなどの化学繊維で長繊維のことをこのように呼んでいます。

ブークレ
ブークレとはフランス語で巻き毛とか輪という意味ですが、表面に糸の輪が出た織物または編地のことブークレーと呼びます。
主にウール素材の物が一般的ですが、その他ではレーヨンや綿の物もあります。

ふくれ織り
模様や不規則な形が織物の表面にふくれ上がって立体感をあらわした織物のことをいいます。
基本的にジャカード織りで、浮き上がらせる模様のところのみを二重に織らせています。

フリース
メリノ羊毛を用いた紡毛織物を縮絨した後に起毛させ、毛羽を密生してから毛羽の先を刈り揃えたものをフリース素材と言いますが、最近ではポリエステル繊維を用いた織物、あるいは編物を起毛して毛羽を密生させたものも多くあります。
ふんわりと軽い割に保温性に優れているという性質柄、アウトドアウエアとして用いられたのがフリースブームの火付けですが、近頃多く見られる安価なポリエステルのフリースはゴミやほこりが付きやすく、業界では「エセフリ」と呼ばれたりしています。

フランネル
英国のウェールズ地方で作られたのが始まりで、ウェールズ語のウールの意味を指すグラネンからこの名がついたといわれます。
布面に毛羽がありふっくらと柔らかく軽いのが特徴で、主に肌に直接触れるパジャマや肌着、ベビー服に用いられるのですが、洋服に使用するフランネルよりも厚地の織物は、俗にフラノと呼びます。

プレス加工
つや出し加工の一種で、羊毛織物に湿気を与え布面に圧力をかけながら生地そのものを圧縮することによって、平滑にすると同時に穏やかな光沢のつやを生みます。

別珍
綿パイル織物の一種でベルベッチンとも言いますが、別珍によく似たベルベットやベロアがレーヨンやアセテートなどの化学繊維を使用するのに対し、別珍は基本的に綿糸から出来ています。
肉厚なので着ていてもとても温かく感じますし、また短い毛羽が密にあるので手触りはとても滑らかで柔らかいのが特徴で、色味の深さや光沢感がとても豊かなので秋冬の女性の服地として人気があります。

ベネシャン
朱子織りを特徴とした梳毛織物ですが、厚く滑らかな風合いと光沢を持ち合わせているので、昔から男性のモーニングやブラックスーツ等に用いられることが多いです。
また、最近では綿やレーヨン・ポリエステルの物も多くなってきましたが、それらも基本的には毛羽がなく中肉のしっかりとした織物なので、婦人物のスーツやスプリングコートとしても多く用いられるようになりました。

ベロア
ベルベットのフランスでの名前ですが、本来ベロアとは成牛の裏皮を起毛させたものを言います。
現在国内でベロアと呼ばれる服地に、ベロア、ベロアオーバーコート地、ニットベロアの3種類がありますが、いずれも大半はウールやポリエステル素材で、また3種類に共通して言える素材の特徴として、肉厚・長い毛羽・光沢感・保温性が挙げられます。

ヘンプ
マニラ麻、サイザル麻、マゲー、マラオン(ニュージーランド麻)など硬質麻繊維のことを、ヘンプと言います。

ボイル
細い強撚糸で織られた平織りの薄地織物の総称です。
目が粗く、透明或いは半透明なのが特徴で、夏物のシャツやブラウスに多く用いられます。

紡縮ウール
ウール特有の洗濯によっての縮みやすさを防ぐために、樹脂加工を施したり塩素加工を行って縮まないように改質したもののことを言います。

ホームスパン
文字通り、家庭で(ホーム)手紡ぎした(スパン)という由来からきた呼称です。
粗くて堅い手触りが特徴なざっくりとしたハンドメード手織りの感覚を大切にしたツイードの一種で ジャケットやコートなどに用いられています。

ポリウレタン
ゴム同様の弾力性を持った伸縮自在の合成繊維でスパンデックスとも言います。
ただ、通常の繊維と比較すると弱いので、ポリウレタン繊維のままで衣服に利用されることは無く、ポリエステル等の他の繊維に混ぜて利用されます。
最近のレディースで見られるストレッチ素材の殆どはこのポリウレタンを数%混紡しているものが多いです。
スポーツウエアから普段着のパンツ・スカートまで今やレディースでは欠くことの出来ない素材になりました。
が、一方では熱や塩素系の漂白剤には弱いですので取り扱いにはそれなりに気を付けて下さい。
別名ライクラとも呼ばれますが、厳密にはこれは米デュポン社の登録商標で、キュプラとベンベルグ(旭化成)と混同するのと同じです。

ポリエステル
石油または天然ガスや水、電気などを主な原料とする科学繊維の代表です。
日光に当たっても変質しない強さや、シワになりにくく型くずれしにくいイージーケアー性をもつため、主に女性用の衣料によく用いられます。
ただしその反面、ウールに比べて温かみやソフトな風合に欠けるため、また通気性の面でも優れていないなどの理由から、ポリエステルを嫌う人もいます。

マ 行
メリノウール
オーストラリアを代表する羊で、他のウールに比べて毛の繊維は太さが均一で細く白くしなやかなので、アパレル用羊毛の最高級原料としニットや毛布などに用いられています。
ちなみに、1頭で約4kgの原毛が採れるのですが、原毛より不純物を洗い落としたり糸にするまでの段階や織りの段階でロスが出たりするので、メリノ種1頭分の原毛で一着分のスーツ地が作れるという計算になります。

メルトン
経糸緯糸ともに紡毛糸、或いは緯糸だけに紡毛糸を用いた表面を毛羽で覆われた強く固い手触りの厚手ウールです。
主にダッフルコートなどのアウター服に用いられることが多いですね。

モッサー
まるで苔(こけ)のような手触りに仕上げた厚手のウール織物ですが、地厚で密な見かけの割に軽く保温性に優れているので、主にコート地として用いられています。

モヘア
アンゴラ山羊の毛で、絹のように細長くて白く美しい光沢感を持ち合わせています。
軽くて張りがあり、吸湿性はコットンよりも高くまた、通気性にも優れているので、夏場の高級紳士服素材として長年愛されています。

ヤ 行
楊柳(ようりゅう)
楊柳とは織物仕上げ加工の一種で、縦方向のシワが一面にあるのが特徴ですが、読んで字のごとく「柳の葉が風にそよぐ感じ」に似ているのでこのように呼ばれています。
主に綿や麻混の物が多いですが、吸汗性、放散性に優れていて風通しがよく、しかもノーアイロンで着れるということから、夏場のジャケットやシャツ、ブラウス等に多く用いられています。

ラ・ワ 行
リネン
フランス語でリンネルとも呼び、亜麻でつくられた糸や布のことをリネンと呼びます。
リネンは天然繊維の中では最高の強さを誇り、その上濡れるとさらに強度が増しますが、その他にも風通しが良く蒸れない、汗をよく吸う等の特徴があり、夏場の衣料用素材としてはうってつけの素材です。

レザー(皮革)
レザーに用いられる素材は牛・羊・山羊・豚が大半を占めますが、その他に馬や鹿、 ダチョウ、 カンガルー、ヘビ、トカゲ、ワニ等、例を挙げるとキリがないくらい多くの種類があります。
皮革の種類及び加工方法として、基本的に次のように分類分けされます。
表皮: 毛を取り除いた皮革の表面を使用したもので、革特有のシワ模様がある。
スエード: 表皮の裏側を、サンドペーパー等で細かく毛羽立たせたもの。
バックスキン: 本来は鹿の表皮を起毛させたものだけを指していたが、現在ではスエードと同じ意味で用いられている。
ヌバック: 牛革の表面をサンドペーパー等で削り、ビロードのような風合いに仕上げたもの。
また、本物の皮を一切使用せず、天然皮革に似せて仕上げた合成皮革や人工皮革のことをフェークレザーと呼びますが、本物の革と比べて比較的安価で軽く、耐久性・耐水性の面でも優れているため、近年、衣料用素材としてはこちらの方がより身近な存在となってきました。

レーヨン
もともとはシルクを真似て作った素材がこのレーヨン(光る糸の意)食物繊維素(セルロース)を原料とした再生繊維です。
まるで絹のような感触で吸湿性は綿よりも優れていますが、その反面水に濡れると強度は低くなることや、縮みやすくシワになりやすいといったマイナスな面も持ち合わせます。

ワッシャー加工
自動反転する洗浄機(ワッシャー)に入れて、シボを寄せたりシワをつけたりして柔らかくする加工です。
ジーンズ製品の洗いの大半はこのワッシャー加工が施されていますが、カジュアル感のある自然な小ジワやよれっとした柔らかさが表現できるため、カジュアルウェアにも取り入れられています。