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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 シャツのオーダーについて
お店でスーツを販売していると時々お客さまからこんなご質問を頂きます。
ヨシムラさんでオーダーシャツの取り扱いってありますか?
スーツをオーダーしたら、次は中に着るシャツも体に合ったものを着たくなるものですよね。
もちろんありますよ〜

当店では実店舗にはシャツ生地の見本を含めて色々ご用意していますが、Webではこれまで配布できるサンプル帳がないという理由から積極的に紹介しておりませんでしたが、どうやらここにきてお客さまのニーズが高まっているようです。

そこで、今月の新着情報では、上着を脱ぎシャツ一枚で過ごしがちになる夏の季節を前に、シャツについてクローズアップしたいと思います。

今回は、シャツの重要な要素である衿型(カラー)生地のバリュエーションサイズ(採寸)トレンドのデザインの4項目に分けてご案内いたします。

まずは、シャツの表情を決める衿型(カラー)についてから。

 ■ 衿型(カラー)のTPO
シャツで一番のポイントになるのが衿の形です。
でも、衿型を決める前に考えなければならないことはそのシャツをどんなシーンで着用するか?ということ。
一般にシャツを着るにはビジネスの場、ドレスアップした場所、カジュアルシーンの3シーンに分けて考えるのが一般的です。
そこでそれぞれのシーンに合わせた衿型をご紹介いたします。

■ ビジネスシーンでは・・・ ■
やはりビジネスユースがシャツとしては王道です。その定番衿型には3型あります。
レギュラー
略礼服やモーニングなどのフォーマルなシーンから、ジャケットスタイルまで幅広いスタイルに対応するオーソドックスな衿型。
セミワイド(ワイドスプレッド)
イングリッシュスプレッドとも呼ばれる英国的なスタイルのシャツ。
太めの体型の方には、レギュラーよりもこちらの方がスッキリ見えてお勧めです。
ワイド(ブリティッシュワイド)
ワイドスプレッドを更に横に広げた物がこのブリティッシュワイド。
水平に近いことからホライゾン(水平線)カラーとも呼ばれます。
首元が大きく開いていますから、ネクタイは結び目の大きいウィンザーノットで締めるのが良いですね。
NYのウォール街の証券マンに多く見られそうな襟型のシャツですが、実は由緒正しい英国調のデザインです。
1920〜40年代のファッションに多大な影響を与えた英国ウィンザー公が好んで着用したことからウィンザーカラーとも呼ばれます。

■ ドレスシーンでは・・・ ■
パーティーなどドレッシーなシーンでは、華やかな雰囲気を演出するこれらの衿型(カラー)がオススメ。こんな衿型がベストマッチです。
ロングポイントカラー
クラシカルで、落ちついた雰囲気のロングポイントカラーには、エレガントな雰囲気のスーツに似合います。
襟幅が狭くなるため、これに合わせるネクタイは細幅タイプが良いですね。
ラウンドカラー
剣先が丸くなっていて、ちょっと女性的。フレンチテイストなイメージのある衿型。
タブカラー
左右の襟の裏につけられた紐をネクタイの下に通し、タイを小さめに結び、結び目を下から押し上げてVゾーンを引き立たせるスタイルです。
ピンホール
カラーピン(衿留め用の挿しピン)を通すための小穴を開けたシャツ衿。
こちらで、大阪店SHOPMASTER清水氏が格好良く決めています。
その他
タキシードやモーニングなどのフォーマルなシーン用の「ウイングカラー(オプション2,100円)」もありますが、ちょっと特殊なので今回は割愛します。

■ カジュアルシーンでは・・・ ■
カジュアルな場ではネクタイなしのノータイ スタイルで着れることがポイントです。
そんなニーズを満たす衿型は、こちら
ボタンダウン
アメリカントラッドの定番ワードロープです。オックスフォード綿が似合います。
フォーマルな場ではちょっとNGかもしれませんが、ドレスコードが厳しくないところではビジネスでもOK。
ショート
ロングポイントとは反対に、どちらかというとスポーティなイメージがあります。

 ■ 生地のバリエーション
続いて、東京店の店頭でご用意しているシャツ生地見本から織り柄などのご紹介しましょう。
1. ブロード織
目が細かく織り上げている柔らかさが一番の特徴の生地。
140という数字は、スーツの糸番手と同じように糸の細さを表していて
140双と呼んでいますが、この番手まで来ると綿もシルクのような光沢感を帯びてきます。
140番手は白無地のみの展開となっておりますが、着心地は抜群に柔らかいですよ。
(ちなみにこの140番双糸はお値段12,500円です。)
2. ドビー織
独特の地模様や立体感のある風合いの織り方をドビー織りと言い、画像2.のようにちょっとストライプに凹凸が出ている物を指します。
とてもドレッシーですが、もちろんビジネスにもOKです。
白を基調とした生地にドビー織を配したものなどが上品でオススメです。
3. オックスフォード
小さな画像で判りにくいのですが、ボタンダウンのシャツでよく使われる正統派カジュアルテイスト代表格。
糸番手は低く(横40番 縦12番)、目の粗いざっくりとした織り方から通気性に優れます。
4.5. ロンドンストライプ
白地と幅広のストライプが等間隔で入った定番のストライプ柄。
ロンドンストライプは実は和製英語で、英国ではブロックストライプと呼ばれるそうです。
6. オルタネイトストライプ
異なった糸や色を交互に用いたストライプ柄。
スーツ地と同様に人気の色柄ですがスーツもシャツもオルタネートストライプでコーディネートするとちょっとしつこいかも。
7. チェック柄
ジャケットやブレザースタイル、セーターなどに幅広く合せることが出来るカジュアルな柄。
無地のジャケットなどに合わせると良いですね。

 ■ 採寸(サイズ)のポイントについて
そして、衿型(カラー)と生地と説明が進めば、次はサイズ(採寸)についてです。
ジャストフィットは、オーダーシャツでも信条ですから採寸はとても重要で、私達は次のポイントを重視して行います。
1. 首廻り(ネックサイズ)
洗濯による縮みや、首の動きを考えて(実寸+1.5〜2.0cmが目安)首廻りを決めます。
ちょうど人差し指が一本入る位の余裕があると良いですよ。
2. 裄丈(袖丈)
袖口が手首を覆い、親指の付け根のところでカフスが止まるような長さが基本です。
皆さんは、上着の袖口からシャツのカフスがしっかりと覗いておりますか?
3. カフス廻り
時計をする方のカフス廻りは、時計の分だけ広く仕上げます。
最近はパネライなどもデカ厚時計も流行っていますから、こういった時計を持っている人は要注意!(お店も言わないと分かりません)
4. 肩幅
シャツの肩幅も、スーツと同様に広すぎても、狭すぎても良くありません。
シャツの肩幅は、肩先からほんの少し下がったところまでが理想です。
それ故スーツの肩幅をシャツに流用することはできません。
5. 着丈
長過ぎたり・短過ぎたりすると、だぶついたり、動きづらくなりますので、パンツの中でしっかりとシャツが収まるように長さを決定します。
でもこの辺は身長からほぼ自動的に計算できます。
6. 身幅(ボディーサイズ)
胸囲と胴回にゆとりが多いと、シルエットを損ねてしまいます。
胸囲(バスト)と胴囲(ウエスト)、尻囲(ヒップ)と体のラインに合わせて、ジャストフィットを目指しましょう。
ただし、フィット感にはお好みの部分でもありますので、初めてで不安だという方は、お手持ちのシャツと仕上がり寸法をご案内をしながら承ることも出来ます。どうぞお気軽にお持ち込み下さい。
(この辺はオーダースーツでの採寸データがあれば、そのまま流用できます。)
7. 体型補正
スーツと同様にシャツも体型による補正ができます。
怒り肩撫で肩前肩ねこ背etc...体型に応じた補正も加えることもできるのです。
スーツのフィッティングで多いのですが、下に着るシャツが既製服で補正がないため、変なシワがスーツの表側に現れクレームになり、よくよく調べてみたらシャツのシワが表に出ていたなんて事もあります。
それだけシャツも補正が大切です。

 ■ トレンドのデザイン
最後は、最近注目されているシャツのトレンドについてです。

■ デュエ・ボットーニ ■(オプション1,050円)
デュエ・ボットーニとは、イタリア語で2つボタンという意。
衿腰が高く、第一ボタンのところにボタンが2つあるデザインで、ボリューム感のある衿が人気ですが、スーツのトレンドが今夏襟幅の細いナローなタイプに人気が出てきていますのでこれもそろそろ下火でしょうか。
オンの時はもちろんですが、オフの時にこそ格好良いデザインです!

■ クレリックシャツ ■(オプション 1,050円)
今期(2005年)のトレンドアイテムといったら、何と言ってもこのデザイン。そこでクレリックシャツの基本を簡単にご紹介します。

★☆★ ちょっと一言・・・クレリックを上手に着こなすコツ ★☆★

1.英国生まれのクレリックシャツは、ワイドスプレッドが基本
2.見頃と腕の生地は、薄過ぎる色よりも多少ハッキリとした色が無難。 ストライプ柄であればシンプルなものの方がコーディネートは楽です。
3.ドレッシーなデザインですので、袖(カフ)は、ダブル・カフスが本来ですが、カフリンクスを使わない人はシングルカフでも構いません。
4.フォーマル感がアップする胸ポケット無しや、フレンチフロント(裏前立て)仕立てというのがドレッシーにまとめるコツです。
そういえば、最近東京店スタッフ北君が“ピンホール”のクレリックシャツを仕立てました。
シルエットをスッキリと見せるトレンドの“背ダーツ”もポイントです。

その他襟型に限らずこんなデザインもあります.。

■ ワンピース ■
(オプション1,050円)

第一ボタンを外しても様になるような衿型(カラー)。
ストライプ柄の生地をワンピースで仕立てると画像のように、襟部のストライプの入り方が通常と90度ずれて、見た目にハッとさせてくれます。
ネクタイを締めないことが多いといった方にお勧めです。

■ ラグラン袖 ■
(オプション1,050円)

ラグラン袖とは袖が首の付け根から始まっているタイプの袖付けのものを言います。
一番多いのはベーシックなコートで使う袖付け方法ですね。
画像のようにストライプ柄のシャツなどこのデザインで仕立てると一風変わっていてGOODです。

最後に・・・ちょっとセールス オーダーシャツのご注文は・・・
シャツについては、お貸し出し用のサンプルはありませんが、東京・大阪の実店舗では見本生地を多数ご用意しておりますので、スーツに合わせて是非コーディネートしてみてください。
お値段は8,500円、9,500円、12,500円(税込)です。
シャツのご注文についての詳細は、こちらもご参照下さい。