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オーダースーツのヨシムラ
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 ダブルの復権近し!
10月に入りようやく本格的な秋物のシーズンを迎えました。
そこで、やや遅蒔きですが、私(清水)の秋冬物第一発目のスーツが仕上がってきましたので、ここにご紹介してみたいと思います。

今回のセールスポイントはズバリダブルブレスト(略してダブル)です。
ダブルがトレンドの表舞台だったのは忘れもしないアルマーニ全盛時代、そう 栄光のバブル期でしたから、あれから早10年余り...
それ以後は、今やスーツと言えばシングルを指すように、一部のダブルフリークの皆さんだけしかご支持を頂けませんでした。
しかし、ここへ来てようやく雑誌などでもこれからの注目スタイル!として取り上げられるようになり、セレブブランドなどでの展開にもじわりじわりと注目が集まるように なりました。(LEON10月号などが良いお手本ですね〜)

『こうなれば私も負けてはいられません!トレンドを早取り、これからはダブルの時代だ〜』...とばかりに、早速私も今シーズン1着目をダブルで仕立ててみましたので、是非ご覧下さい。

でも、実のところダブルの構想は何も今に始まったことではなく、クソ暑い真夏の時期に秋冬物スペシャルセレクションの原稿を書いていた時からでした。

『う〜ん、、、この秋に提案するスタイルはどうしよう...
トレンドの流れはすでに3ツボタンが終わりで今や2ツボタンが主流、勝敗は見えただけになぁ
3ツボタン→2ツボタン→...と きたら最後には1ツボタンか??
いやいや、まさかそれはなさそう...となると、ひょっとすると順番から言えばダブルが来るかも...』
...と、このように考えた次第です。
(常に一歩先を読む必要がありますので、この商売もなかなか大変です。。。)

ただ、残念なことにダブルは、ここ数シーズン絶対に来る来ると言われていながら、未だトレンドとしては流れには乗れていません。
その理由としてはダブルは残念ながら万人受けするスタイルではないということが挙げられます。
つまり具体的にはこういうことが災いしているのです。

ビジネスシーンでも大丈夫?

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大丈夫だと思います...(やや歯切れ悪し)

偉そうに見えるのでは?

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若い人の場合、上司の前ではプレッシャーかも知れません。

見た目がイマイチ(?)

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だっぷりとしたイメージがあり、確かに今風のスリムなタイプには少々不向きかも知れません。

前を開けて着れないのが邪魔くさい

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ボタンを留めないとだらしなく写るので、常にドレスアップが求められます。

なんせ価格が高い!

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すいません、当社の場合でもシングルに4,200円プラスです 。

さすがに春夏には暑そう

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やはりクールビズにはイマイチで...ただ、秋冬には結構強いのですが

そもそもダブルは一度も着た事がないので、イメージが湧かない

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今の40歳代が最後のお馴染み世代でしょうか。

う〜ん、、、 確かに挙げれば納得する理由ばかりです。
おまけに、最後の「そもそも着たことがない」というのは実は私もそうだったりします。(スイマセン...)
今まで着潰したスーツは何十着(百着以上?)ですが、恥ずかしながら何故かこの年までなんとダブルはゼロ
そこで、思い切ってダブル初体験になった今回のスーツは一人さんざん悩んだ挙げ句、(おいおい今さら誰に相談するよ?)このように決めました。

イメージは?

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ハリウッドのギャングスター、映画「ゴッドファーザー」がお手本

コンセプトは?

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ずばりモテピタオヤジ(某雑誌のパクリです、えっキモイって??)

肝心の生地は?

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REDA(伊)のチャコールグレー地にクッキリストライプ(G1120)です。
ブランドは若いですが素材はシック&ワルぶっているあたり、気に入りました。



デザインは?

基本デザイン・・・6ツボタン2ツ掛け
クラシックかつモダンで、ダブルでは絶対にコレと決めていました。

サイドベンツ
これは結構悩んだところ。思い切ってよりクラシックなノーベントとも思いましたが、そこまで勇気が無くサイドで落ち着きました。

衿・・・ピーク衿
こちらはお約束ですが、でも、ゴージラインが高くかつ水平なCL?というモデル独特の衿で、今回のこだわりの一つです。

サイズは?

モテピタのサイズ(?)で、肩幅やウエストライン、パンツまで全体にスリムなラインです。
ただダブルですので着丈はやや長めになっています。
< こんな着こなしはいかがでしょうか? >
ダブルのイメージはちょい不良オヤジ。
そこで、さりげなくこだわりの着こなしは最下部のボタン留め。
わざと上ではなく下のボタンで留めてみます。
通ぶったちょいワルぶったテクの一つです。
皆さん、ご覧頂いていかがでしたか?
まるでウオームビズでドレスダウンに傾きそうな流れを蹴飛ばすかのような、ドレスアップしたスタイルのご提案です。

と言うところで、今回の私のダブルの発表会はおしまいですが、ちょうど時を同じくしてダブルでご注文頂いたリピーターのOさんのスーツが仕上がって来ましたので、この勢いでもう1発ご紹介してみようと思います。

実はOさんのご注文は常にダブルです。
ナイスミドルのOさんはお若い時分よりスーツは殆どダブルしか着られていない、言うならばダブルの達人です。
そしてOさんの気になるお仕立てはこんな感じでした。

生地
テーラー&ロッジのミディアムグレイにピンクのストライプ
>>>英国の数ある生地メーカーの中でも最高峰といわれるメーカーです。
こちらは通常サンプルには掲載していませんが、特別サンプルがありますのでご希望の方はお申し付け下さい。

デザイン
基本デザイン・・・6ツボタンの2ツ掛け
>>>実は達人の選択に私も影響を受けたのでした。
ベント
>>>やはり達人はノーベント、う〜ん私もこれが良かったかな...
その他こだわり・・・衿にはフラワーホールはなし
>>>余計な装飾はいらないとの事です。

サイズ
>>>ダブルはやはり流行にとらわれない大きさでと、パンツも2タックでゆったりシルエットです。

Oさんがお引き取りに来られた際、記念にと(何の記念や?)揃い踏みの2ショット撮影をいたしました。
いかがですか?Oさんと比べ肩に力が入り、まだまだ私はダブルに着られているというところでしょうか。
こんな姿ですが、達人にもダブル姿を誉めていただき(お世辞半分かな?)何となく自信が湧いてきたこの頃です。

バシッと入ったストライプにダブルブレストは私も初めてで、結構人目を引きそうです。
道行く人が振り返りそうで、チョッピリ意識したりして...
そこで今回のキーワードは『何事も一歩踏み出す勇気』です。

私が背中を押しますので、大阪店へお越しのお客様これからはダブルをよろしく。