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 着回しGOOD!? な紺ストジャケット
今年の梅雨も長引くかと思いきや、ここに来て急に九州や四国地方では梅雨明け宣言が出されるなど、どうやら今年の梅雨は全国的に例年より短いようですね。
こちら大阪でも連日30度以上の真夏日が続いており、暑さにはめっぽう弱い私はもう既にノックダウン寸前ですが、皆さんは体調など崩されてはおられませんか?

さて、今回は先日大好評の内に終了しました“サマージャケットフェア by Ormezzano ”にてご注文頂きましたお客様の出来上がりをご紹介したいと思います...
と言いたいところですが、あいにくご注文のほとんどが無地系のコンサバな生地ばかり、もちろん出来上がりはお客様も私も満足のいく出来映えでしたが、原稿映え?というか、いまいちインパクトに欠けましたので、今回は期間中にオーダーしたリネン紺ストライプジャケットをご紹介したいと思います。

また、せっかくですから私、南浦の今夏お気に入りのコーディネートも併せてご紹介いたします。(一部やや見苦しい画像がございますがお許し下さい...)

それではまずジャケットの仕様ですが、細かいところまで説明すると長くなりますので、ポイントだけを軽くご紹介いたしましょう!

生地は...Ormezzano(オルメザーノ)のリネン100%
>>> “料理は素材が命”皆さんも一度は耳にされたこともあるでしょう。
これはそのままファッションにも当てはまります。
料理の素材にも旬があるように洋服の素材にも最も映える時季が存在し、夏場ではもちろんリネン、冬場では“繊維の宝石”カシミアがそれにあたります。
リネンの持つ程よい光沢感と味わいあるシワはコーディネートにやさしく上品な雰囲気を与えます。

今回、私がchoiceした生地はWash感のある少しかすれた紺に白っぽいストライプ...見た目はとても涼しげな印象ですが、この少しクセのある柄が本当に着回しGOODなの?と思われるでしょう !?
それがインナー、ボトム、シューズによって様々な表情に変化します。
詳しくは後程、ご紹介しますのでしばしお待ちを...

デザインは...マニカカミーチャのカバーオール仕立て
>>> ビジネススーツのように肩パット、タレ綿を入れたセットインスリーブだと堅すぎますし、素材とのバランスもよろしくありませんので、この素材感にマニカカミーチャは外せません。
裏仕立ては最も軽いカバーオールですが、ここに私のコダワリが一つ...それは背裏です!
通常、背裏の生地はキュプラなどの裏地を使うのですが、ハンギングの際のアクセントにと本来は表地であるベージュのコードレーンを使用しました。(見返し部分のポケットも共生地で)

はっきり言って、わざわざ表地であるコードレーンを使うメリットは全くありません!
単に目立たせたいが為の発想の転換です、カッコよく言えばカテゴリーキラーかな?
ただ袖裏だけは着脱時のスベリを考慮してキュプラを使ってます。

ボタン...バッファローホーンのべっ甲ツヤあり焼き入れ加工Toast加工
>>> 我が大阪店のある本町界隈はご存知の方も多いかと思いますが、日本有数の繊維問屋街です。
既製品を始め、当社のようなテキスタイルのメーカーや商社、それに伴う付属品を扱う会社など無数に存在し、こと繊維に関わるものは全て取り揃うといっても過言ではないでしょう。

そこで今回は当社の取扱い以外で何か良いボタンはないかしら?...と休みの日に彷徨い探し求めてゲットしたボタンがこちら→

どうですか?なかなか表情のあるボタンでしょう!?
重すぎず、軽すぎず、リネンとのバランスも良い具合にマッチしています。(調子に乗って黒も買ってしまいました!)
ちなみにお値段はナイショです。(ちょっと驚く程高いです...当社のメタルボタンよりも高いです)

と仕様についてはこれぐらいにして、お待ちかね?の南浦'Sコーディネートをご紹介しましょう!

◇◇◇まずは最もオーソドックスなバージョンから...◆◆◆
左の画像は白のコットンパンツに濃紺のポロシャツ、黒のスウェードローファーの組み合わせ、右の画像はインナーを黒のポロシャツに、ボトムをLevi's 501に変えてみました。
一見すると何の変哲もないコーディネートですが、季節感のある涼しげな上質素材(リネン)をメインに用い、色や柄を控えることにより洗練されたシャープな印象を与えます。

左側のコーディネートはパンツをベージュ系に、インナーをブルー系のシャツにするとクールビズにもお使い頂けますし、一方、右側はボトムをジーンズにするとグッとカジュアル度が増しますので、休日に少し着飾ってお食事などに出掛けられる時にはピッタリのコーディネートです。...が、しかし、この二つのコーディネート、上品にまとまってはいますが、もう一ひねり欲しいところですね。

◇◇◇続いては爽やかマリンテイストバージョンです◆◆◆
左の画像は白のカーゴパンツ(タイトシルエット)に白のハイカットスニーカーを合わせてみました。
私はブーツインスタイルが大好きなので、ハイカットシューズは欠かすことが出来ません。
スニーカーはリーボック社製のもの、画像ではわかりづらいですがゴールドのステッチにサイドはエナメルのコンビ。(エナメル部分はユニオンジャックの型押しが施されてます)
パンツの裾はドローコードで絞ることにより、スニーカーの存在感を強調するのがこのコーディネートのポイントです。

右の画像ではそれをさらに強調する為に裾をロールアップしてみましたが、ど〜ですか?これはこれでなかなかイケルでしょう!?
このコーディネートで大切なのはどれだけ清潔に見せるかと言うこと、ですから適度な日焼けと引き締まったふくらはぎがなければ、逆に貧相に見えてしまいますからご注意を!
(私はそのために普段から階段しか使いませんし、まだしつこく日サロに通っております。ファッションは時として目に見えない努力も必要です)

また正統派の着こなしは時と場合によってはもちろん大切ですが、それを踏まえた上でどこかに一つ、力を抜いたデザインを加えれば品を落とす事無く、見るものに余裕や貫禄を感じさせます。
これは10代や20代の若い世代の方よりかは、30代/40代の成熟したファッションを目指す方々に是非実践して頂きたいですね。

◇◇◇最後に一番のお気に入りバージョンを...◆◆◆
このコーディネートは当初アタマには無かったのですが、前述の裾をロールアップした画像を撮影した際、突如ひらめきまして、急遽Levi's 501 のヒザから下をカットオフ!
インナーはポロシャツのままだとカジュアル感が勝ってしまうので、少しドレッシーに白のリネンシャツに換えてみました。
ショートパンツはコーディネートやシルエットによって下品になる危うさを秘めていますが、トップスとシューズを品のあるアイテムに換えると程良く中和され、収まりよく映ります。

ジャケット+ショートパンツのコーディネートでの注意点はパンツのヒザ巾です。
ここのサイズを細くすることでワタリからヒザ下までのラインが繋がりますので、脚を長く見せることが可能に。
ストリート系のダボッとしたパンツは絶対にNGです!
着こなすには気合いが必要なコーディネートですが、皆さん、是非一度、お休みの日にでもトライしてみて下さい。

今回は私のリネンストライプジャケットをベースに色々なコーディネートをご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
少々、アクが強すぎてあまり皆さんのご参考にはならなかったかもしれませんが、ファッションは既成概念にとらわれてばかりでは面白みがありません。

皆さんもお困りの際はどうぞお気軽に私、南浦までご相談下さい。
アッと驚くアバンギャルドなコーディネートをご提案して差し上げましょう!
執筆:南浦(大阪店)