●生地･･･タスマニアウールの紺無地
>>>これは私からの提案でもあったのですが、大人はカシミヤが高級で良いのですが、『子供にカシミヤは贅沢すぎる！同じ親として教育上良くない！』と中村さんにお伝えしたところ、
中村さんも『同感！』ということに･･･
あぁ、俺って頑固親父になるだろうな...

●デザイン･･･直筆イラストをご覧下さい！
>>>今回の「お客さまいらっしゃ〜い」で一番ご紹介したかったのはこのイラストかも知れません。
本当に可愛いデザイン・イラストですね。帽子まで書いちゃって･･･
デザインを言葉に直すとこんな感じです。
○ラグラン袖（袖が肩から始まっているタイプの袖型のことです）
○ステンカラー（ボタンが上まで止まるタイプ）
○アウトポケット（フラップ付きノーフォーク仕様）
○背バンド付き　○袖先にはタブ付き　　○ボタンは革ボタン
　　　う〜ん、誰から見ても子供向きの可愛いデザインです！

さて、こうしてご注文内容が固まりましたがここで問題が発生しました！
それは･･･当店の扱うイージーオーダーの範囲では、小学校１年生位のサイズ（身長で140cm以下）は正直なところ型紙がなく、縫製が出来ないのです！
この型紙というのは一般の人には分かりにくいと思いますが、簡単に言えば、人間の身体って子供だから大人のサイズを単純に縮小しているわけではないですよね。
小さくなればなるほど頭の大きさは相対的に大きくなりますし、骨格そのものも男の子といっても「男」ではありませんから･･･
このため型紙をどう使うかで出来上がりが大きく違ってしまうんです。

型紙に対する説明はお客さまへは、メールではなかなか難しいのですが、今回は中村さんがご来店下さったので中村さんと、デザインを伺う私、そして型紙やパターンに詳しい当店大橋の３名で相談し、今回はレディースのパターンを小さくすることで対応しよう！！ということになりました。

で、ここまではまだ良かったのですが、こっから先が大問題でした。
問題は『 縫製工場 』
Webではこれまでも色んなこだわりのスーツをご紹介しておりましたが実は当店ではスーツの仕立てをする工場とコートの仕立てをする工場とは、職人の得手不得手の関係から工場を使い分けております。
　今回縫製指示を出そうとしている工場はそんな中でも『かなりウルサイ』工場だったんです。
何が『ウルサイ』かというと、その職人気質。
東京生まれの私は余り抵抗がないのですが、江戸っ子ならではの『べらんめい』調でまくし立てられ、『何でそんなことするの？』とか『こんなんじゃやってられねぇ〜』とよく言われるんです。
（以前日記帳に書きましたが、東京店大橋がそこの工場長を怒らせてしまい、私が社長として謝罪させられたこともありました。）

ということで、『敵は本能寺にあり』ではなく『敵は工場長』ということで工場との交渉入りです。

･･･で、そこのドロドロしたところは今回は割愛したとして･･･
　 さてさて、どんなコートになったでしょうか？
どうぞ↓↓↓ご覧下さい。（写真はご本人着用写真です。中村さんから頂きました。）