HOME>お客様!ありがとう!>
オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 県庁勤めIさんのコットンスーツ 

紅葉狩りの季節になりましたが、読者の皆さんは爽やかな秋空の下 行楽など行かれましたでしょうか?
東京店もいよいよ秋冬物ご注文のピークを向かえ、毎日張り切っております。

さて、夏頃からその構想を練っていたというIさんのコットンスーツがようやく出来上がりました。
(Iさんのご注文に至るまでの経緯はこちらをご覧下さい。)

さほどドレスコードには厳しくない部署とはいえ県庁にお勤めのIさん。
担当させて頂いた私荒井としても、コットンスーツが職場でどんな評判になるのか気に掛かるところですが・・・如何でしょうか?

靴はソールだけ茶色(ナチュラル)なのがポイントです。ちょうどスーツに茶のステッチを入れたり茶色のナットボタンを使っているのと微妙に合わせています。ぴったりですね。

1つボタン、スタート位置を高めたハイゴージB、衿幅7.5センチ
>>> 胸をグッと広げたVゾーンと、細い襟幅のシャープな襟元です。

ブラウンのナットボタンと同じ色でハンド風ステッチ。
>>> 衿のステッチの色を別色にするのはなかなか高度なテクニックなのですが、ボタン等別の物でこういった差し色を補強してあげればまとまりが良くなります。

ジャケットの胸と腰ポケットは、「ホームベース型フラップ留めポケット」
>>>初めて会った人にもすぐにIさんの名前を覚えてもらえそうな存在感あるデザインですね。

アウトポケットには色々なデザインがありますので、ご参考までにこんなカジュアルな雰囲気も出せます。

そして、早速ご感想のメールを頂戴いたしました。

03.10.22 お世話になりますコットンスーツのIです。
Iです。それにしても凄い迫力ですね。特に裏地なんて。。
1つボタンも、茶色のハンドステッチも、ポケットのフラップも、いい感じに主張しているではありませんか?
これなら職場に着ていっても、ちょっと変わったデザインだな、、という位で既成事実的に周りに馴染むことでしょう(実はそれが狙いです)
細腹」の件、以前私は、「普通は下まで突き抜けて切るところを切らずに仕上げる」「より高等な技術が必要に違いない」「高級」という構図で思っていました。
流儀というか、職人さんの考え方で決まると。
それでは今回も高品質なスーツをありがとうございました。

★☆★接客担当荒井より一言・・・★☆★
・・・「細腹」と言われても、これまでの部分ではご紹介していないので読者の皆さんに補足しておきますね。
実は、今回のコットンスーツには、いくつかのちょっとした工夫を効かせております。

その1 「毛芯」使用部分を少なくしました。
>>> 当社のお仕立ては、胸の張りを出す為に、肩から腰辺りまで「毛芯」を入れているのが基本ですが、コットンの柔らかい着心地を感じてもらう為に、毛芯の使用を肩から胸辺りまでに抑えてみました。
胸から下はIさんのご希望で柔らかい着心地にしたいとのことでしたので敢えて「毛芯」を使わない仕立てにりました。

その2 極薄肩パット使用
>>> カジュアルな用途では、肩パットを全く使わない「ノーパット」も良いかと思いますが、職場で着用されることですので、薄くとも肩パットは入れて肩のラインは綺麗に仕立てました。

その3 「細腹」の切り替えがない仕立て
>>> 細腹とは・・・ウエストの絞りをより多く取る為に考案された型紙上の工夫ですが今回のIさんのスーツではご希望でこれを外しております。
これは縫製技術の歴史から言えば20年前に遡る仕立てです。。。

★☆★接客担当荒井より一言・・・「細腹」とは...★☆★
イラストをご覧下さい。 真ん中が通常みなさんが着ている上着を平面図に書いたもの。
そして左側がそれをパーツ毎に分けたもの。左のイラストは2つのパーツに分かれていますよね。
この右側(赤く染めた部分)が上述『 細腹 』です。
もちろん皆さんのスーツにも「細腹」があるはずですが、実はつい20年位前まではこの「細腹」のある仕立てのスーツはあまり出回っておりませんでした。
裏返してみれば「細腹なし」は、昔らしい仕立てとも言えるのですが、悪く言えば「細腹なし」は技術革新前の仕立て方法でもあります。
つまり「細腹」の部分があるからこそ青書き部分が絞れる訳でこれがあればウエストを胴回りに対しバランス良く絞ることができるのです。
Iさんのスーツは画像はちょっと判りにくいので赤線を引きましたが、背中に近い方の縫い合わせ線がポケット下からありません。これがの「細腹」の切り替えがない仕立てなのです。

ここまでのスーツを求められるIさんには元フルオーダー職人の白崎氏も「この部分にコメントをいれるとは、よく知っているなぁ〜。」と感心していました。


最後に・・・
今回のIさんのコットンスーツは単に「お洒落なスーツが出来ました!」ということだけではなく、仕事に対してのIさんの「高い意識」「アグレッシブな姿勢」が込められているんだということも申し上げたいところです。
それは、頂いたメールの中にこう表わされておりました。
・・・あと、私が勤め先のことを「会社」と表記したところに(?)がつけられていましたので、少々解説させていただくと、、、あれはスラングです。
私の職場は地方機関で、そこら辺のコードが緩いというか、お行儀が悪かったりする所もあります。 「踊る大捜査線」をご覧になったでしょうか?あの中でも織田裕二が警視庁の本庁のことを「本店の やつらが・・・」「うちみたいな支店には・・・」と言ったりしていますよね。 まさにあれです。
本庁=本店の他に類義語で、知事=社長などがあります。
自分としては他人をやっかんで使うのではなくて、 『世間で生き残っている企業はどこも工夫や努力で勝負している。役人だけ世間とズレた感覚で仕事をするのはおかしい!』という意味合いを込めてワザと使っています。
もう一つは街を歩いていて、議会で知事がどうたら言ってると職業バレバレですしね。
ちなみに、SHOPMASTERさんがご紹介されていたような30'Sスタイルは私も興味あります。 拝み合わせボタンとかちょっと考えたりしましたもん!ごちゃっとなるので没にしましたけど。 **県 I

次は、Iさんはどんな「仕様書」を作成してこられるのか?!社員一同、楽しみにお待ちしています。