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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 IVY(アイビー)の伝統が蘇りました。 
3月を迎えても暖冬傾向は変わらずで「重いコートを脱ぎ捨てて」のフレーズは、この分では今年はお蔵入りになりそうです。
 (ただ、この暖冬が案外しぶとかったりして...)

売場の方はすっかり春物に衣替え、色目の傾向は冬物とはさほど変わりませんが、表面から受ける軽やかさ感がまったく違います。
お近くの方はどうぞ売場で手にとってお確かめ下さい、また遠方の方はこちらの春夏物のサンプル請求フォームをどうぞご利用の上、ご請求下さい。

...と春夏物が始まったとはいえ目の前に連日ドンドンと仕上がってくるのは、まだ冬物のオンパレード。

そこで今月は仕上がってくる秋冬物の中から、前回ご紹介したこだわりのオーセンティックなアイビースーツを画像と共にご紹介いたしたいと思います。

ちなみに前編のお客さまいらっしゃ〜いはこちらです。併せてご覧下さい。

そこで、いつものように印象深いポイントを2,3ピックアップしてご紹介をと...思いましたがIVYルックの場合、各ポイントほとんどがお約束のポイントですので、ここはIVYルックの教科書としてお読み頂ければと思います。
■ 素材は ■
G4062 >>> 通称ピンヘッドと呼ばれる柄で、色目も紺というよりはダークブルーと言った趣です。
無地のように見える微妙な柄ですが、IVYの王道柄で、このタイプの色違いのグレーや紺などと共に代表的な色目です。
■デザインは ■
前ボタン
>>>3ツボタンの段返り仕様で、俗に I 型と呼ばれるタイプです。
 ◆◇◆ ちょっと一言・・・ I 型って何? ◆◇◆

I 型とは当時の石津謙介氏率いる VANが決めた社内用の呼び名で、それがいつしか業界での通称となりました。
前ボタンの数で区別しますが、II型は2ツボタン、III型はダブルブレストを言います。
ヴァンジャケット消滅後30年、今だに「I 型で...」とこの業界用語で通用するのですから、当時いかにこの名前がポピュラーであったか分かりますね。
そして以下ではそのI型の特徴であるディテールが多々出ていますので往年のファンの方は楽しみにしてください。
ベント
>>> フックドベントと呼ばれるセンターベントの変形。
画像のようにまっすぐ降りてきた中心線がさながらフックのように、右へカクッと曲がっています。
知らない方には「何これ?」ものですが、IVY愛好者にとっては欠かせないポイントのひとつです。

フロントカット
>>>カッタウエイフロント。
奇妙に思われるかも知れませんがこれもIVYの定番です。
昨今トレンドのフロントの丸さを強くしたカッタウエイフロントは意外にもアイビーでも人気だったのです。


>>>ハイゴージBで今の標準と変わりませんが、これは流行がひと回りして元へ戻ったようです。
当時はフィッシュマウスなどの衿もお馴染みでしたね。

袖ボタン2個
>>>たかが袖ボタンの数といえばそれまでですが、昨今は袖ボタン3つor4つが標準であるのに対し、IVYルックでは2つがセオリーで、これはアイビーのみでお目に掛かるといっても過言ではない物です。

総ステッチ
>>>ステッチはミシンステッチの5ミリで、フルステッチ!これがIVYのこだわり。
ご指定頂きますと、肩線や後ろの縫い目そして袖の縫い目にもお入れします。
画像は肩線のステッチです。
ちなみに当社標準仕様はフロント部分の衿前と腰ポケット回りへ、ピックのコバステッチでお入れします。

胸ダーツ無し
>>>地味なポイントですが全体のシルエットを決めるキーポイントです。
前部にあってもよ〜く注目しなければ分からないのですが、これでアイビールックかどうか簡単に見分けられます。
仕上がりは、ダーツがない分ウエスト絞りが出来ないため、今風のウエストをぎゅっと絞ったタイプではなく、やや寸胴になります。
悪く言えば寸胴、よく言えば着やすいといったところでしょうか。

ボタンクロス留め
>>>こちらはクラシコ仕立てでお馴染みですが、本来IVYルックから派生したものと言われています。
ちなみにボタンもツヤ消しがIVYの王道ですね。

ベスト
>>>胸ポケット左右付け、腰ポケットと合わせて計4個になるクラシカルなタイプです。

おっと、最後にもうひとつ...

パイピングが赤
>>>こちらはIVYというよりは、J.PRESS社の独自の仕様で有名になりました。
今回はストライプ裏地の中に赤が入っていましたから意外とすんなり溶け込んでいますね。

パンツ
>>>ノータックに脇はタテポケットが定番で、当時から全体のスタイルは細身で変わりません。
また今回はセレクトされてはいませんが、時計ポケットや尻の尾錠などもIVYのお馴染みのアイテムです。

そしてIVYルックはこれ!...と決まり切った中にもEさんはこだわりを織り込まれましたので、併せてご紹介します。
裏地 >>>"Z509-4"の総裏(ベージュ地に赤のストライプ)
袖口額縁仕上げ
内ポケット >>>左フタ無し
ズボン >>>ダブル、ポケット片玉(右なし)、シロセット加工
IVYルックの仕上げはこんな風に・・・ ■
さて、こうして仕上がったアイビールックのスーツですが、スーツ以外のファッションアイテムも含めてトータルアイビーを目指すなら次のようなアイテムが良いでしょう。

スーツに合わせるアイテムとしてはこんな感じです。
シャツはボタンダウンでしかもロールカラータイプ
ネクタイはレジメンタルストライプ
足元のはウイングチップが代表的!
コートはステンカラーの綿タイプ
インナーにはチルデンセーターやレタードカーディガン

...とこんな感じにそれぞれ相場は決まっていましたので、これらが揃ってこそIVYルックの完成です。
もちろんEさんにはこのあたりは釈迦に説法なのは言うまでもありません。
★☆★ 大阪SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

アイビールックの教科書とも呼べるようなEさんのお仕立てですが、2007年問題に揺れる団塊の世代の方には、オ〜こんなのあった!あった!昔は着たな〜、と涙もののノスタルジックな仕上がりではないでしょうか。
というところで、若い方に新鮮な、またあの時代に青春を過ごした方には懐かしく青春の1ページを思い出して頂けそうな スーツとなりました。

ちなみに東京店では司茂さんが「テイメン」(Teijin Men's Shopの略)育ちで、IVYルックのオーソリティです。
アイビー愛好者で東京方面の方はなんなりと司茂さんまでお尋ね下さい。