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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 タイトなモードジャケットが出来上がりました !! 
桜も満開となり一時の儚い華やかさとはいえ心躍る季節ですね。
入学や入社を始め4月は何かをスタートさせるには何かと気分的にも丁度良い季節ですが皆様も何か始められることはありますか?
そんなことを言っている私自身は今のところ何もスタートさせることはないのですが何事につけても気持ちを新たに臨みたいと考えております。

さて、
今回は先々月にご紹介いたしましたIさんのジャケットがようやく完成に至りましたのでご紹介したいと思います。
まだ本格的な寒さの残る2月リネンのジャケットの御注文でしたので気持ちを春夏に切り替えてお相手させていただきました。
Iさんはモードなジャケットのご要望でしたが御注文までの内容は下記からご覧下さい。
  08.02 お客さま いらっしゃ〜い!!モードなジャケットのご注文

Iさんは手持ちのDior(ディオール)のサファリジャケットがお気に入りでその形(シルエット)をテーラードに落としこめないかとのことで色々とご質問をいただいておりました。
当社としても始めてのことは安請け合いは出来ないのですが色々と検討した結果、それなら仮縫い付きのフルオーダーで型抜きすれば何とかなるとお伝えしたところ是非ともフルオーダーでとご了承を頂き御注文に至りました。

先ずはご注文内容のおさらいです。
生地:BL9313(伊)オルメザーノ、リネン100%
基本デザイン:シングル2つボタン
衿型:ノッチドラペル
ゴージライン:ハイゴージB
フロントカット:LG(カッタウェイフロント)
ベント:センターベント
袖口:本切羽 キッスボタン4つ
胸ポケット:箱(フネ型)
腰ポケット:標準(スクエアーカット)
内ポケット:不要
  
>>> タイトにするので胸ポケットは要らないのです!
裏地:Z514−黒A
  
>>> フラップ裏はお持ち込みカットソーから切り取ります
AMFステッチ:不要
ポイントステッチ:黒(裏地と同色)
特記事項:芯無し(ラペル部分は接着芯)、パッド無し、たれ綿無し

基本デザイン、仕様は上記に決まりました。

私、山橋にフィッターの中島氏を交えあれやこれやと秘策を練りご注文を承りましたが早速、仮縫いの状況をご紹介しましょう!!
さて、いかがでしょうか?
袖などはお持ち込みいただいたジャケットの雰囲気が良く出ているでしょう?
また、袖丈と比較すると着丈の短さがお判り頂けると思います。(普通は袖丈より着丈の方が長いです。)

取りあえずこの仮縫いの段階でIさんもお気に召していただけた様子で我々もほっと一息です。
細かなシルエットや丈などはIさんのお好みをお伺いしながら決定していきますが途中、中島氏からここまで細くすると動きやすさや強度に問題が出るので止めた方が良い...etc、何度も確認しながら仮縫いを進めました。
Iさんもご自身のお好みがはっきりされているので順調に仮縫いも進み無事終わりました。
後は本縫いだけとなり完成を待つばかりです。

さてさてどうなるでしょうか?
後は任せましたので吉井工場長宜しくお願いいたします!!

待つこと3週間ようやく本縫いも仕上がり当社に納品されました。

早速、仕上がりをご紹介しましょう!!
さぁ、いかがでしょうか?
格好良く仕上がったと思いませんか?
ラペルの接着芯以外は付属を一切付けないお仕立てですが胸のドレープ感も失われておらず非常に綺麗に仕上がっていますね。
仮縫いの所でも雰囲気は出ていましたが袖丈と着丈のバランスも問題なく英国調が得意な三久服装でもこの様な軽い仕立ての物が仕立てられると思うと「さすがっ!吉井工場長!!」と嬉しくなります。
「あっ!中島さんも!!」...、失礼しました....
フィッティングだけでなく型紙を作成したのは中島さんです。
この2人の強力(協力?)タッグがあってこそのお仕立てでしたので感謝感謝です。
今後とも宜しくお願いいたします。

また、今回は嬉しいサプライズが有りました。
今回はIさんお持ち込みのカットソーを切り抜いてフラップ裏に付ける事になっていたのですが吉井工場長が気を回していただいて裏の細腹の部分にも付けてくれました。
当初、カットソーを裏地に使用することは中島氏から表地との相性の問題でNGが出ていたのですがIさんのご希望だったこともあり細腹の部分なら何とかしましょうと工場長が苦労して縫製してくれました。
またしても「さすがっ!工場長!!」と三久服装の方向に向かって手を合わせるのでした。
ねっ!!なかなか素敵でしょう?
これならきっとIさんもご満足いただけるはずです。

早速、出来上がった旨ご連絡し直ぐにご来店いただいたのですが...Iさんの反応はいかがでしょうか?
私たちもこの仕上がりならIさんに喜んでいただけると思っていたのですがご着用頂くとIさんがイメージする物にはまだまだゆとりが有りすぎたようでもっと細くして欲しいとのご要望でした。
そんなことから袖と胴回りを細くする為、お直しとなってしまいました。

いやはやモードの世界というのはつくづく難しい物です。
モードの世界はスーツのセオリーが時として通用しないので我々も頭を柔軟に望まなければいけません。
お直し自体は難しい物ではなく問題なく対処できる範囲でしたのでホッとしましたがリネンという素材の為、針跡が残らないよう細心の注意が必要です。

そんなこんなでお直しをして再度、ご来店いただいたのですがご着用姿がこちらです。
さぁ!今度こそいかがでしょうか!!
これだけタイト(細く)にするとリネンの硬さがどうなるか心配だったのですが変なシワも出ずホッと一安心です。
今度はIさんにもご満足いただきうれしさも一際です。
Iさん、有難うございました!!

さてさて、今回のDiorを模したジャケットはいかがだったでしょうか?
Iさんは20代前半の若い学生さんでしたがこのジャケットは30代以上の方でも欲しくなるでしょう?

コーディネートはインナーにVネックのTシャツなどを合わせボトムは丈短めのデニムやコットンパンツ素足にデッキシューズなど合わせるとバッチリですね!!
私も休日のデニムスタイルに合わすジャケットとして欲しくなってしまいました。
クールビズでもひとひねりしたジャケットをご検討のお客様は是非、お問い合せ下さい。

それでは今回はこの辺りで失礼いたします。
次回をお楽しみに〜!!
執筆:山橋