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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 手間いらずのパンツです。 
6月も残り僅かとなりましたが梅雨明けまではもう暫くの辛抱ですね。

この季節はスーツを着用するビジネスマンにとっては蒸し暑さが非常に辛い季節ですね。
この蒸し暑い梅雨を乗り切ると今度はまた暑い夏が控えておりビジネスマンにとっては体力勝負となります。
我々スーツを販売している人間でさえTシャツ、短パンで仕事が出来ればなどとスーツ屋の風上に置けないような困ったことを考えておりますがそれにしても日本の夏場は過酷ですよね。

そんな夏場を乗る切るべく今回は前回ご紹介したシアサッカーのジャケットに引き続き、涼しげなパンツのご注文を頂きましたので暑さ対策第2段としてご紹介したいと思います。

ご注文いただいたのはこれまでフルオーダーで何着もご注文いただいておりますWさんです。
実はWさん、1年以上ご無沙汰をしていたのですが久しぶりにお会いしてみると別人の様にスリムになっておられ驚いてしまいました。
久しぶりにお会いして当初はご挨拶されても分からないくらいの変貌ぶりだったのですがお話をお伺いすると何でもジムに通いなんと15キロ!!も減量なさったとのこと。
ただ痩せるだけでなく筋肉を付けるべく鍛えられたということでものすごくスタイルが良くなっておられたのですがそうすると....そうです。
これまでにお仕立てになられたスーツが大きくなってしまい着れないのです。

15キロというと小学校低学年の子供一人分くらいですから相当です。
その様な訳でこれまでにお仕立てになられたスーツをだましだまし着用されているとのことですが、このままではやはり無理があるのでお直しをしなければいけません。
まだ減量中とのことでもう少しご体型の変化をみてある程度、落ち着いてからお直しされるとのことで、このお直しにつきましては後日となりましたが、機会があればご紹介したいと考えております。
さてさて、どこまでお直しできる事やら...

さぁ、そんなWさんのご注文は夏場に涼しいパンツ2本のご注文でした。
色々とお話をお伺いしながら詳細を決めていったのですが生地は前回に引き続き夏場にはめっぽう重宝するソメロスのコードレーン、BL9305と伸縮素材ライクラが混紡され履きやすい紺無地のBL9310に決定しました。
そんな涼しげな生地に決まりましたがその他のご注文内容は下記に決まりました。

 生地
BL9305、BL9310(ソメロス)
 前タック
ノータック
 サイドポケット 
タテ
 ピスポケット
片玉縁、左右ボタン付き
 ボタン
BL9305 → ナット10
BL9310 → ナット62
 裾口
シングル
※裾から3センチのところでデニムのようにたたく
 特記事項
フロントボタン留め
ノンプレス(センタークリース無し)
サスペンダーボタン付き(全て内側に付ける)

ここまでご覧頂き、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが...
そうです! 早い話がチノパンの形でのお仕立てとなりました。
そんなこんなで待つこと3週間、ようやく完成したパンツがこちらです。
いかがでしょうか!!
とても雰囲気あるパンツに仕上がっていますね。

それでは細部に渡ってご覧頂きたいと思います。

☆ フロントボタンは...☆
通常スーツのパンツでは金属のカン止めを使用しますが今回はカジュアル感を出すためボタン留めにしてみました。
何でもないような仕様ですがこれだけでカジュアル度はグッと増します。
また、今回はサスペンダーボタンを付けていますのでベルトをしない時にはアクセントにもなりますね。

☆ ピスポケットは...☆
スーツでは両玉縁でお仕立てすることが多いのですが今回のように片玉縁にする事でこちらもカジュアル度が増します。
また、今回はコットン素材ですので履き混んでから玉縁分部分にコットン特有の当たりが出て色落ちしますので良い雰囲気になるかと思います。

☆ 裾口は...☆
通常、ジャケットに合わせるような綿のパンツで有れば裾口はシングルで表からステッチが解らないようにすくい縫いをしてすっきり仕上げますが今回は裾から3センチのところでデニムのように叩いて仕上げました。
こちらもカジュアル度が上がり、スポーティーな雰囲気に仕上がりました。

☆ シルエットは...☆
さて、肝心のシルエットですが画像をご覧になってお分かりの通り少し太めのシルエットで仕上げました。
最近は細身のパンツがトレンドとなっていますが私はそろそろ太めのパンツが来るんじゃないかと考えています
股上を深くせず有る程度、浅くすれば軍パンのような野暮ったいイメージはなくなり最近のトレンドでもあるマリンテイストにも通ずる洗練されたイメージになりますね。

☆ 今回のポイントは...☆
さて、色々と特徴的な仕様をご紹介してきましたが今回のポイントはずばりノンプレスということです。
梅雨時や暑い夏は汗をかきますからクリース(センタープレス)を入れるパンツではどうしてもプレスが取れてしまいます。
じゃあ折り目加工を付ければいいじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますがコットンには折り目加工を施すことが出来ません
特にコットンはクリース部分が長年アイロンをかけ続けると色落ちしてしまいますしプレスが取れてしまうとだらしない印象を与えてしまいますよね。
仕事が終わって自宅に戻りアイロンを当てるのは暑いし眠いしで辛いものです。
だったら始めからプレスを入れなければいいじゃないかということで今回はノンプレスでお仕立てしましたが特にコードレーンのパンツは少々皺が入っても気にならず重宝すること間違いなしです。
プレスをするにしてもセンターラインを気にすることがないのでラクチンですね。

Wさんはクールビスというよりはオフの日様にご注文いただきましたがこの様なノンプレスのパンツでも麻やコットン素材のジャケットには問題なくコーディネート出来ると思います。
好き嫌いが分かれるかもしれませんが夏場に少しでも楽なスタイルをご検討の方は是非、スタッフまでお気軽にお尋ね下さい。

さぁ、いかがだったでしょうか?
今回ご紹介したパンツの作りは実は通常のスーツパンツとなんら変わりはありません。
ちょっと素材と仕様を変えるだけでスポーティーなパンツに早変わりです。
今回は当社からするとちょっと風変わりなパンツのご紹介でしたがご参考になりましたら幸いです。

今回、Wさんはお仕事が忙しいとのことでお届けになってしまいご着用姿を拝見できなかったのは残念ですがご愛用の程、宜しくお願いいたします。
Wさん!ご注文有難うございました!!
引き続き、頑張ってダイエットして下さいね。

それでは今回はこの辺りで失礼いたします。
次回をお楽しみに〜!!

☆ おまけの話 ☆
今回の様なパンツは通常のビジネスシューズではあまり相性が良くないため少しトゥ(つま先)が丸いタイプのシューズの方がコーディネートしやすいかと思います。
例えばオールデン社のプレーントゥやチャッカーブーツなどなど...
(当社取り扱いのエトスクラブでもチャッカーブーツは展開していますのでご興味のある方はお問い合わせ下さい。)

パンツで力を抜いた分、シューズに力を入れるとグッと着こなしがグレードアップしビジネスでも通用するようになりますよ。

オフの日に履かれるのであればホワイトバックスデッキシューズも今年らしくてお勧めです。
裾をロールアップしくるぶしを見せても夏らしく気分ですね。
おまけの話でした〜
執筆:山橋