お客様 ありがとう!!:That's Bespoke! 完成しました!!

 10月も半ばを過ぎ、随分と秋らしくなってまいりましたが、こちら大阪は変に蒸し暑い日が続いております。
本来であればこの時期、8月末のシーズン立ち上がり時に購入した"AQUARAMA"(アクアラマ)のレインコートを着て出勤しているはずが、何故かまだシャツ+ベストスタイルで十分事足りる...
(このコート、カッコイイんですよ、一目惚れして買ってしまいました、高かったけど、泣)
只今キャメルカラーのカシミアコートを仕立てているのに、果たして今シーズン、着ることが出来るのか?気が気でない大阪店ShopMaster_南浦です。

さて、今回はまだ暑さが残る9月の初めに秋冬物でご注文を頂いたTさんの、これぞ"Bespoke"なダブルのスリーピースが仕上がってまいりましたので、そちらをご紹介したいと思います。
デザイン、ディテールはコチラをご覧頂くとして、四の五の言わず、まずは仕上がり画像をどうぞ〜♪
仕上がり画像
仕上がり画像
 撮影角度が今ひとつ良くありませんでしたので、いささか見えづらいかもしれませんが、かなりタイト目に絞っております。
2枚目の横から撮影した画像をご覧頂くと、背のラインがS字を描いているのがお分かりかと思います。
ダブルの場合、ゆとりを入れすぎると一昔前のようなだぶついた印象のスーツになりますし、ヌード寸法を無視して絞りを入れすぎると、フロント部分に引きジワが出来、見た目に美しい収まりにはなりません。
その点、今回は前から見た際にバスト〜ウエストに掛けてのドロップもしっかり出ておりますし、引きジワを発生しておりませんので、Tさんからも合格点を頂きました。

続いて、バックからの画像をご覧下さい。
バック
バック
 こちらをご覧頂くと、よりドロップが強く出ていることがお分かり頂けるかと思います。
ウエストの強いシェイプが力強いショルダーラインとたくましいバスト廻りを強調しております。
この辺りのイメージは30'sスタイルの雰囲気が出ているかと自己分析しておりますが、ご覧になられていかがでしょうか?

通常30'sスタイルの場合、コンケープドショルダーが標準ですが、今回敢えてドロップショルダーをTさんにお薦めしたのは、元々Tさんは怒肩である為、コンケープドショルダーにしなくてもしっかりとしたショルダーラインは出るだろうとの考えからでした。
逆説致しますと、怒肩の方にコンケープドショルダーをお入れすると、ショルダーラインが必要以上に強調されてしまい、全体的なバランスが崩れてしまう恐れがあります。
今回は肩先を丸く、ドロップ気味にする事でエレガントはショルダーラインに仕上がったと思います。

また今回の生地、格子のパターンが全て同じで無く、変則的であることが特徴であります。
これがどういった効果を現すかと申しますと、後ろ姿の画像をご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、横列が交互に縦に長い列とそうでない列と組み合わされています。
こうすることにより縦のラインと横の絞りが強調され、よりタイトに、そして縦に長く見える、そう身長が高く見えると言うことであります。
これは先日、当社が参加したマスターテーラーアジア大会で紹介したビジュアルエフェクトスーツと同様の効果を現しております。

今回は葛利毛織さんの生地をご紹介致しましたが、近い内には当社のオリジナルでこのようにこれまでには無かった生地をご紹介出来るかもしれません。
以上、今回Tさんより頂いたご注文をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたか?
また次回も皆様の参考になるようなご注文を紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!!