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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 「お客さまいらっしゃ〜い」:ある矢沢永吉ファンの場合 
先日、あるイタリアンレストランのオーナー(30代)のKさんから、「白いダブルのスーツを、4・5着作るから、採寸にきてもらえないかな〜」とのご連絡がありました。
早速、4名集めるから...とのことでしたので、東京店採寸責任者の大橋氏と私で、打合せを含めて採寸に伺いました。

大橋氏は「きっと、お店のクリスマスイベント用の衣装用だよ。」との弁。

場所は、東京駅八重洲界隈にある、素敵なイタリアンレストランです。
テキパキとした感じのいいスタッフの方の案内で、別室のパーティールームに通されました。
HPはこちら!八重洲ブックセンター近くのスターバックスコーヒーの地下1Fです!

お店の豪華な雰囲気に加え、お集まりいただきました皆さんは、リーゼントスタイルのオーナーさんに続き、30代の大人の悪っぽさが漂っていました。

お話を伺ってみますと、年末恒例の矢沢永吉のコンサートでのコスプレ衣装としてお仲間4名と揃いの『白のダブルのスーツ』で勝負するとのこと!

「白のダブルスーツ」で検索したところ、当社の過去ログに引っかかったことからお問い合わせ下さったようです。
(引っかかったと思われるのはこちら>>栄えある第1回「お客さまいらっしゃ〜い」&「01.12日記帳」)

画像はこれまでご登場頂いた『白スーツのお客さま』です。
なんでもKさんは武道館での5日間のコンサートに全日フル出場するそうです。
そしてそのコンサートの入り口付近で、ドレスアップした改造車や、衣装などを見せ合うのだそうです。マニアって凄いですね〜。

ご注文の方はというと、生地はお持ちいたした白い生地で決まり。
(以前コンボイさんのステージ衣装にも使ったとても良い物です!!)
デザインの方はお好みを伺うと、
『ダブルの釦位置は低〜く、パンツは出来る限り太〜く!』等々、
『○○ちゃんが、ワタリを39cmなら、俺は、3タックで40cmにするよ。』
『股上は、深〜く頼むよ。』
『昔の学生服で競争していた頃を思い出すよね。』

と、ワイワイ言いながら、お話下さいました。
こんなに盛り上がった受注は、初めてです!!
そして、皆さまからビンビンと伝わってきた「勢い」に、突き動かされながらの、職出しです。

後から、伺ったのですが、矢沢永吉のスタイルにもいくつか変遷があり、Kさんは90年初期の頃のスタイルが理想のようです。
どうですか!コンボイさんにも負けていませんね!
Kさんには、お仕事用の黒のスーツもお仕立て下さったのですが、裏地の色といい、ネームといい、申し分ないですね。横向きのポーズも、カッコイイです。

永ちゃんのライブでは数年前までは『特攻服』が主流だったらしいのですが、
なんでも、その後プロダクションサイドから(?)『特攻服禁止令』が出たらしく、以後はカラースーツがコスチュームなんだそうです。
それ故、熱烈なファンの間では、東京で言えば上野界隈のコスプレショップなどで7〜8万円もかけてカラースーツをお買い求めになられている人が多いとか...
私 全然知りませんでした・・・。

出来上がりの試着が終わると、オーナーが私に向かってこんな一言を・・・
『オーダーでこれだけのスーツをこの値段で作れるのなら、会場でビラでも配れば、きっと売れるぜ〜。考えてみなよ。』
言われてみればその通りで実は凄いビジネスチャンスかも知れません!
『う〜ん、SHOPMASTERが許してくれるかな〜?』
『僕が会場ビラ配ったらイジメられないかな〜』などと私が思い悩んでいるうちに当のご本人達は・・・
『来年は、ブルーかな〜』『黄色のスーツが、結構目立つんだよ!』とまた始まりました。(笑)

今度、武道館へ市場調査に行ってみようと思います。
「矢沢永吉ファンの皆さま カラースーツのことなら、是非、オーダースーツのヨシムラ、カラースーツ担当の荒井まで相談下さい」
という看板が、作れるように・・・
PS:
私は、今回のご注文を通して、自分の成人式のスーツのことを、思い出してしまいました。
丁度10年前の成人式に出席した私のスーツは、パープルカラーのダブルのソフトスーツでした。
(正しくは、パープルがかったネイビーですが)肩パットが、がっちりした逆三角形のシルエット。
今となっては、見ることすら恥ずかしい、20歳のくせに生意気な感じの当時の記念写真が残っているのですが、その年の成人式はこれが流行でした。

その後、徐々にダークカラーのシングルスーツが主流になり始め、今となってはほとんど見かけません。あの頃のスーツは、いまは何処にいってしまったんでしょうね。

でも今回、勢いのある、粋なお兄さん達に出会い、着る人が着れば、これほどまでに様になるのだな、 と実感いたしました。

そして、商品を納めた日の帰り道、私は少し風を切りながら歩いてみました。