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(大阪編)ナイスボディのスーツには
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暖冬傾向とはいえ、年も明ければいよいよ冬将軍の到来です。 さすがに朝晩の冷え込みも一段と厳しいこの頃では、メンズ生地の世界でも全盛を誇る表面のクリアな細番手素材よりは、ウォーム感のある重厚さに溢れたフラノ地などがお客さまの評判も良いようです。 秋冬物とひとくくりにまとめられるほど目立った素材の違いがなかったここ数年に比べ 明らかに冬物と主張できるフラノやツイード素材の登場が脚光を浴びたシーズンでした。 またアイテムでは七分丈やトレンチ、Pコートなど、暖冬にも関わらず久々にデザインコートが注目を浴びたシーズンでもあり、 『冬物バーゲンで何を買いたいかランキング』ではコートが常にトップの座を譲らないのは、なるほどと頷けます。 さて、前置きはこのぐらいにして、今回ご紹介するお客さまは、一番最初はコートでお問い合わせをいただいていたOさんです。 |
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★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
色々とお問い合わせのメールは頂戴しますが、Oさんのような具体的な自己紹介とご要望は承る側としてはイメージが湧きやすいですので非常にありがたいです。(Oさん助かります...) そこでさっそくお問い合わせいただいたPコートのご返事ですが、、、 確かに昨年まではカジュアルなコートは苦手でPコートはお受けしていなかったのですが、今シーズンからは努力の甲斐(?)もありお受けできるようになりました。 ただ、コートは残念ながら既製品に押されオーダー業界としてはあまり数が出ません。 その一般的な理由としては、次の理由などが挙げられます。 |
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「寒い!よしコートだ!」と着たい時すぐに手に入れることができない。
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コートのオーダー工場が少なくそれ故デザインにバラエティが少ない。
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ビジネスタイプのコートが少なくなった。
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価格競争には勝てない。
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コートがさほど要らない...
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ただ、ここで当社のPRをさせていただきますが、お陰様で当社のコートは今シーズンも絶好調! リーズナブルにタイムリーな素材を提供すれば、お客さまは決して見逃しません。(エッヘン!) また、Pコートはトレンチと同じくデザインとしてはお約束の部分も多く、さほどディティールに固執される方も少ないのようですので、Oさんのようなサイズでお困りの方のお助けマンとなれると思います。 ただ...ひとつ懸念は、他社でお仕立てされたスーツ(イージーオーダー)がもうひとつお気に召さないような事なので、案外手強い体型かも知れません。 何分にも当社もベースはイージーオーダーですから・・・ そこでひとまず私からはこのようにご返事いたしました。 |
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そして、その後も何度かメールのやりとりをさせて頂きましたが、Oさんコートもさることながらスーツにもかなり興味があるご様子で、このようなメールも頂きました。 |
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★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
なるほど、今年の異常気象は遂に12月の台風上陸となりました。 各地でもかなりの被害だったようですが、Oさんご無事でなによりです。 この異常気象だとそれこそコートは要らないかな?と思われるのは無理からぬ事かもしれません。 ただ、私としてはハリスのPコート見てみたいのですが... そこでなにはともあれ、ご来店の際のご相談と言うことで数日後にご来店いただきました。) そして、当日ご来店いただいたOさんは、ご自身でも仰られていたようにまさしくマッチョ体型です。 早速、何を仕立てるかという基本の部分からスタートです。 『ハリスもいいけど、こちらのコットンも、、、』と店内で目に留まったのは、当社おなじみのSONDRIOです。 ひとまず今回はコートは置いといてとなり、『カジュアルにも着れて上着とパンツでコーディネートも楽しめる』との説明に、お仕事柄あまり普通のスーツは必要ないとおっしゃるOさんも『これで行きましょう!』とすんなり決定です。 イメージ的としては↓の画像のようなコーディネートですが、スーツとして着用してもそれなりにカッチリ感が出るのがSONDRIOの良いところです |
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そして、デザインもあれこれのやりとりの後、以下のように決定しました。 ■生地は・・・BL7212 SONDRIO ブラウン |
■ パンツは・・・ ○ノータック ○腰ポケットL型>>>ジーンズライクなスタイルは素材との相性もバッチリです。 そしてシルエットは、、、トレンドを意識したナローなスタイル、コレで決まりです! |
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そして次は採寸です。 Oさん上着を脱げば見事な肉体美です。 さながらアテネオリンピックの体操選手を思わせる体型は、裏を返せば仕立屋泣かせと採寸してみてはっきりとわかりました。 具体的にOさんのサイズはこのようになります。 ●胸囲 >>>98センチ ●胴回り>>>73センチ ●尻回り>>>96センチ 胸囲と胴回りの差なんと25センチ!ドロップ25cmか、、、う〜んこれは今まで作られて満足したスーツがないとおっしゃるのもよく分かります。 ちなみに業界では |
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『胸回り−胴回り=ドロップ』
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と呼んでいますが、ドロップ25とはどのようなサイズか?ご参考までに通常のドロップサイズをご紹介しますと... |
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(注)本来ドロップは上記の数字を2で割って表しますが、分かりやすく表示しました。 これにタテつまり身長がそれぞれに入り、4号や6号などとお馴染みの数字になります。 既製品で用いられるドロップ表記ですが、オーダー業界でも体型を簡単に表せますのでひとつの目安にしています。 ....とこのように、いかにOさんのドロップ25が型破りのサイズか、↑の表からもお分かり頂けたと思います。 |
★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
今回のお仕立ての最大のポイントは |
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Oさんのボディサイズにジャストフィットしたナローなシルエット。 ただし、マッチョタイプの方の特徴として、首の回りに筋肉がついて撫で肩、胸が厚い為胸前が開き気味になる、このポイントが仕立屋泣かせです。 |
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伸縮性に乏しい素材で着用感とのバランスが難点 |
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コットン素材はハリ跡が残るため縫い直しが効かず、お直しも難しい |
などなど、「本来は仮縫い付きのフルオーダーでないと...」と泣き言も出かかりましたが、ここが当社オーダーの腕の見せ所。 にっこり笑って承知しましたと胸を叩いてOさんに、『年末には仕上がります』と申し上げお受けしました。 オーダーの業界は基本的にお直しを恐れる余りユッタリ目に作る傾向があります。 今回は恐れずにカッコイイ攻めのお仕立てに挑みます! それでは皆さん、次回のありがとうをどうぞお楽しみに〜。 |