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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 1着は欲しい!重宝ジャケット
3月も後半に差し掛かりましたが桜の開花も始まり目を楽しませてくれますね。
この時期、フレッシュマンの方やご転勤の方など4月からの新しい生活を控え、落ち着かない日々を過ごされていると思います。

当社でもこの様なフレッシュマンの方々からご注文を頂くことが増える時期になって参りましたがこの様な初々しい方々を目にしますと「俺もあの頃はやる気に満ち溢れていたな〜」と20年ほど前を思い出しグッと気持ちを引き締めております。

さて、
今回はこれからの春から夏にかけて重宝すること間違い無しであろうジャケットをご紹介したいと思います。

ご注文頂きましたのは広島は尾道にお住いのFさんです。
広島にお住いでありながら大阪店で年2回開催するフルオーダー受注会にもお越し頂ける有難いお客様でいらっしゃいます。
そのFさんからのご注文はその際のフルオーダースーツの型紙を使用してお仕立てすることとなりました。
前回も型紙を使用したジャケットをご紹介致しましたが1度フルオーダーにて型紙を作成しますとイージーオーダーにも使用することが出来ます。
補正などはイージーオーダーの限界を超えますので細かく見ればハンドメイドのフルオーダーまでとはいかないのですが着心地は格段に良くなります。
その様な形でご注文頂いたジャケットですがこれからのシーズンに重宝しそうな仕様ばかりですのでご参考にして頂けましたら幸いです。

広島にお住いのFさんとはメールでのやり取りとなりますがこの様なメールを頂戴したことから始まりました。
10/03/12 件名:迷い中なのですが……
オーダースーツのヨシムラ様
こんばんは、尾道市のFです。
火曜日にサンプル帖が届きました。
もう少し固まってから、、、と思っていたのですが、どうにもまとまらず
背中を押していただければ...との想いから連絡をさせていただいております。
お手数をおかけするようになります。すみません。

、内容についてですが、G6061でジャケット、
オンオフ兼用をお願いしたいのですが……どのように思われるでしょうか。
ジャケット&パンツや、デニムにあわせることが可能な感じで。
又、
チャラい人に見えない程度で

生地の特徴や色など、用途的に的外れでしたら、お奨めなどお示しいただくとありがたいです。
仕様につきましては、次のように考えています……決めかねているところのほうが多いですが。
全体的に見て修正すべきもの、或いは追加したほうが良いものがありましたら、ご指摘ください。)

基本デザイン/シングル3つ釦段返り
ゴージライン&ボタン位置/お任せします
着丈/少し短く……70センチ

フロントカット/カッタウェイ
肩パッド/

ベント/サイドベンツ
袖口/3つ釦重ね本切羽
腰ポケット/アウトポケット蓋無し
裏仕立て/アンコン
ネーム/不要
ボタン/ナットで思っていますが……メタルでも良いのかな

胸ポケット/箱
絞りを少し強く。さじ加減はお任せします。

......ところで、
芯なしとか、パッドなしとかだと、シャツみたいにカタチが定まりにくい......ということはありませんか? へにょへにょというか。
優柔不断で情けないのですが、ご教授お願いします。

尾道市 F

この様な形でメールを頂戴しましたがFさんの心配は取り越し苦労でしっかりと用途に合わせたジャケットをご検討頂いておりました。
全くと言って良い程、修正をする必要がなく素敵なジャケットになりそうです。
悩まれているデザインや仕様をご案内し最終的に決まった仕様をご紹介致します。
 生地 G6061:葛利毛織4PLY

 基本デザイン

シングル3つボタン段返り

 ゴージライン

ハイゴージB

 ボタン位置

標準

 フロントカット

カッタウェイ

 胸ポケット

バルカポケット

 腰ポケット

アウトポケットフタツキ

 ベント

サイドベンツ

 袖口

重ね切羽、ボタン3つ

 ボタン

ナットボタン

 裏仕様

大見返し
 裏地 Z530−F06(オリーブグリーン)
 ステッチ AMFステッチ、コバに入れる
 特記事項 型紙使用、パッド及び芯地など付属は一番薄いものでお仕立て
以上に決定しました。
これから暑くなる夏場に向けてサラッと気持ちよくお召し頂けるジャケットになりそうですね。
それではこのジャケットのポイントとなる点を何点かご紹介致します。

□□□ 大見返し □□□
何と言ってもこれからのシーズンで重宝するのはこの大見返しですね。
先のFさんからのご質問にもございましたが芯を薄くしたり、もしくは芯無しでお仕立てすると軽くは仕上がるのですがどうしても柔らかい仕上がりとなるので英国物の様なカッチリ感は無くなってしまいます。
生地の質感にもよるのですがやはり通常の芯を使用したにお仕立てに比べると形が定まりにくくなります。

しかし大見返しは前身裏まで表地が付く為、表地が芯地の役割を担ってくれますので形が定まり柔らかく且つ軽いまま形をしっかりと出すことができます。
ビジネスではある程度のカッチリ感は必要となりますので重宝されるのではないでしょうか。
また裏地を使用する面が少なくなりますので通気性が良くなり日本の過酷な夏場にはピッタリです。

□□□ アウトポケット、フタツキ □□□
スーツやジャケットにカジュアルテイストを加えるときに良く用いるのがアウトポケットですがアウトポケットだけでは少しスポーティーになりすぎる感もあります。
その様な時に重宝するのがこのアウトポケットのフタツキです。
フタを加えるだけなのですがこれだけでグッと印象が引き締まりビジネスでも違和感のない雰囲気に仕上がります。
私が所有するジャケットでもこのデザインが多いのですが非常に重宝しております。

□□□ ナットボタン □□□
通常のスーツですと当社では本水牛のボタンが標準仕様となっておりますがやはりスポーティーなジャケットではナットボタンメタルボタンが気分ですね。
今回もその様なことからナットボタンにてお仕立てとなりましたがこれからの夏場は黒蝶貝の様なボタンも涼しげで良いですね。
ボタン一つで雰囲気は変わりますので皆様もお店でじっくりとご検討下さい。

この他にカジュアルなジャケットですとミシンステッチにする事が多いですがスポーティーになりすぎないようにするにはステッチを従来のスーツと同様のAMFステッチコバにいれることでドレス度が上がります。
この様な些細なことでもジャケットの印象は変わりますのでこの辺りでお悩みの方はお気軽にお尋ね下さい。

さてさて、デザイン仕様等、この様に決まったジャケットですがどの様に仕上がるのでしょうか?
今から楽しみです。
次回は出来上がりをご紹介したいと考えておりますがこれからのクールビズに向けてパンツのコーディネート例などもご紹介したいと思います。

それでは今回はこの辺りで失礼致します。
次回をお楽しみに〜!!
(執筆:大阪SHOPMASTER山橋)