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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 ツイードランの誘惑
皆さん、ツイードランって聞いたこと有りますか?
「有るよ!」ですって。これは失礼しました。
中にはまだご存じない方も居るんじゃないかと思うので簡単にご案内しますね。

“The TWEED RUN ”はツイードの国、イギリスロンドンで2009年から始まったイベントで、目的はツイードをおしゃれに着こなして、街を自転車で楽しく走ることです。
現在はロンドンの他、ニューヨーク、フィレンツェ(PITTI UOMO内)、シドニーなど、世界各国で独自に開催されています。

エコや健康、ファッションの観点から、自転車ブームと言われている一方で、一部の交通ルールを守っていない人たちや違法自転車などが社会問題化(日本でもこの間初めて逮捕者が出ましたね)しています。

自転車は交通ルールを守り、モラルを持って乗れば、交通量の多い東京でも便利に安全に楽しむことができる快適な乗り物です。

The TWEED RUN は、自転車の安全走行を広めるとともに、街を走ることの楽しさも発信し、本国ロンドンのThe TWEED RUNのコンセプトに則り、“ツイード”がドレスコードです。

そんなツイードランを知った、今回の“お客さまいらっしゃい”に登場のKさん、体型が変わったために着られなくなったツイードのベルテッドジャケットを「複製してくれ。」とヨシムラにやって来たのでした。

Kさんは、ヨシムラのプロモーションを支援して貰ってる社外スタッフの珠玖さんの友人です。
大学時代からの長い付き合いだそうで気心も知れてなかなかいい雰囲気でした。

Kさんは大阪でコンピューターソフトなどを開発する会社の経営者で、大の自転車好き、釣り好きとのことで、釣り好きが高じて船の免許を取り自家用船まで所有しているそうです。「いいなぁ!」

ただし!!... 車は免許さえ取得していないそうで、とてもエコなKさんでした。

ちょぴり話が横道に逸れましたが、未練捨てきれずタンスに眠らされていたKさんのハリスツイードのジャケット、見本服として久しぶりにタンスから出して持参してくれたものを拝見すると、現在でも、デザイン、素材共に全く陳腐化していないクールな服のままでちょっとびっくりでした。

着用して貰うとさすがにおなか周りが窮屈そうで、無理させて「すみませ〜ん」でした。

まずは生地選び。
これは脇目もふらずハリスツイードの白黒ヘリンボーンをチョイスしました。まぁ、当然ですね。
明るさで少し迷ったのですが、身体に生地を当てて見ると、明るいヘリンボーンの方が顔写りも良く、即決定です。
さぁ、いよいよ今度はデザイン決めと思いきや?
そうだ、今回は見本通りのデザインがKさんのご希望だったっけ。
そんな流れでまとめたオーダー内容が、こちらです。

□ツイードジャケット仕様□
 生地 HT432 ハリスツイード 白黒ヘリンボーン
【ジャケット】
 前ボタン シングル3つボタン中1つ掛けベルト付き カスタム仕様
 身頃前後
帯付き カスタム仕様
 衿型
ノッチラペル
 ベント センターベント
 胸ポケット  無し
 腰ポケット パッチ&フラップ付き プリーツ無し
 袖仕様 本切羽 3つボタン
 前カット  カッタウェイ
 裏仕様  総裏
 裏地  Z509-2 ネイビー×レッドストライプ
 ボタン  黒レザーバスケットボタン

デザインを決めていく内に、Sさんの頭の中では、このジャケットを着て颯爽と自転車にまたがっている自分の雄姿を浮かべているようで、出来上がりが楽しみ!というオーラをいっぱい出していました。

数日後...
ツイードジャケットの仮縫い服が出来上がりました。
ベルトや腰ポケット、帯はシーチングと言う布を使っており、お客さんの希望変更に対応できるよう実際の生地の替わりを果たしています。
早速、Kさんへ仕上がり連絡をすると、早々に仕事に併せて上京してくれました。
さぁ、いよいよKさんにとっては初めての仮縫い服の着せ付けが始まりました。
いささか緊張気味で口数も少なくなったKさんですが、友人で紹介者の珠玖さんが一生懸命フォローしてくれてます。
「友達って、いいよなぁ!」

中島さんの仮縫いが終わると、Kさんホッとした表情でまたまた出来上がったジャケットのイメージが膨らんでいるようです。
それほど楽しみにしているKさんを、出来上がりまで一ヶ月ほど待たすのが忍びないのですが、その分満足して貰えるジャケットに仕上がるよう仕立てますね。
楽しみにしていて下さい。

一安心したKさん、珠玖さんと連れだって夜の神田へ二人で消えていきました。