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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

 ウェディング・プロデューサーのブラックスーツ
毎月、髪の毛が伸びて、「そろそろカットしたいなぁ!」と思うといつも、やおら携帯電話をパンツのポケットから取り出して...

玉岡: そろそろカットしに行きたいのですが、○月○日午前中はご都合いかがですか?
Sさん: 了解しました。予約取って置きますよ。

メールをした相手は、ビューティーサロン『FAGOT』を国内外に4店舗経営しているオーナーの田中さんです。
とても気さくな田中さん、スタッフから『社長』と呼ばれるのを嫌って、自ら下の名前『辰太郎(シンタロウ)』のシンの字を取って、スタッフみんなからはシンさんと呼ばれて親しまれています(以下、シンさん)。

そんなシンさんも仕事にはとても厳しく、営業時間終了後もスタッフの技術指導に余念が有りません。また、自らの店舗以外でも資生堂の講師を担ったり、韓国ビューティ業界の人材育成の指導の為に出張したりと休む間が殆ど無いほど大忙し人間です。

しかし、仕事を離れると、車好き、釣り好き、ゴルフ好きのオジさんで、面倒見の良い兄貴分としてスタッフみんなから慕われている、理想的な上司、という感じです。
先の東北大震災では、1年ほど現場から離れて支援に通い、今も定期的に訪れていて、わたしより一回り以上年下ですが、本当に頭が下がります。 “継続は力也” 、そしてハートがとても熱いナイスガイです!

メールで予約した当日、お店に伺って席に着くといつものやり取りが...

シンさん: 今日はどんなイメージで行きましょうか?
玉岡: ん〜、スカッと夏バージョンで行きましょうか。
シンさん: それではぐっとショートにしましょうか?
玉岡: ハイ、お願いします。
シンさん: ところで玉岡さん、今度カッコイイ、ブラックスーツ作りたいんですけど?
玉岡: 了解です。ところでどんなイメージで行きましょうか?

今度は立場逆転ですね。

シンさん、わたしのカットを終えた後、暫くの間、応接テーブルで向かい合い、LEONやUOMOをパラパラめくりながらイメージに合ったスタイルを一緒にさがしていたところ、コスチュームナショナルディオールのブラックスーツにシンさんの眼が留まりました。

シンさん: こんな感じがいいですね、光沢感が有ってタイトで!
玉岡: フムフム、コスチュームナショナルとディオールですね、了解です!

今回のオーダー、実は、FAGOTに勤務するH君とTさんがめでたくゴールイン することになり、その式でシンさんが着用するブラックスーツのオーダーでした。
そして、なんとこの二人の結婚式をシンさんがプロデュースするそうで、いろいろと面白い企画を盛り沢山考えていて、今から楽しみにしているとのこと、何とも斬新な結婚式になりそうでワクワクします。

どんな企画かって言いますと???
次回のホームページ更新で、仕上がったブラックスーツに併せてご紹介しますから、楽しみにしていて下さい!

それでは、肝心のブラックスーツについてですが、シンさんが特に拘ったのはサイジングと素材でした。

シンさんは、どちらかと言うと少しポッチャリ(ゴメンナサイ)した体型に対して、スリムなフォルムを好む傾向です。イメージはコスチュームナショナルやディオールのようなシャープでミニマルなシルエットで、特に袖とパンツのラインについては着やすさという大事な機能とのバランスを見ながら、極限のタイトなサイジングに向かって攻めてみました。

また、素材はフォーマル感のあるブラックと言う点で、シルクやブレンド物などを候補に用意しましたが、シンさんは迷うことなく「上品な光沢感」のあるゼニア・トロフェオを選びました。

さてさて、どのような仕様になったでしょうか?

□シングルスーツ仕様
・生地 G7230
ゼニア社製トロフェオ ブラックプレーン
【ジャケット】
・前ボタン シングル1つボタン拝み釦
・衿型 ピークトラペル ハイゴージカスタム仕様
・ベント ノーベント
・腰ポケット ハッキング 角度カスタム仕様
・袖ボタン 4つ
・裏地
Z530−S16 パープルストライプ
・ボタン
クルミボタン
・袖幅 カスタム仕様
【ベスト】
・前ボタン 5つボタン イージーオーダー仕様
・腰ポケット 両玉フラップ無し
・ボタン 黒の艶無し
【パンツ】
・タック ノータック
・脇ポケット ストレート
・ピスポケット 両玉
・裾口 シングルモーニング
・オプション サスペンダーボタン付き 折り目加工

10日後、仮縫い服が出来上がって早速、着せ付けです。

初めての仮縫いの雰囲気に、シンさん少々緊張した面もちですが、オーダーのポイントはしっかり押さえています。

パンツは自分でイメージしていたより少し太かったので、更にピンを打って細身にタッキングします。
ウエストシェイプはこれで良しと納得でしたが、やはり袖のタイト感がスマートフォンで検索したディオールの写真とイメージが合わず、ピンを打ってサイジングを確認した後、胴から外してもう一度カッティングをやり直し細身に仕上げることになりました。

この様なことが出来るのもフルオーダーならではの事です。
我が儘を効いてくれる強い味方です。

さぁ、出来上がりは2週間後、この白のウィングカラーシャツを着せたボディには...
さて、どんなブラックスーツがコーディネイトされるでしょうか?

皆さん、楽しみにしていて下さい!