服地の本場大阪谷町で生まれ、東京神田の生地屋街で育ち...はや

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お客様いらっしゃ~い

2018年6月21日更新

期せずして、LINENスーツ。

四十も半ばを過ぎたにも関わらず、独身貴族を貫いている私、南浦の唯一の趣味が一人旅。
連休があれば、あまり人が行かないようなところに出向いては、日頃のストレスを発散しております。
今年の3月も北海道の"然別湖コタン″"タウシュベツ川橋梁″を見に、一泊二日(笑)で行ってまいりました。
もうそろそろ来月のセールが終わってからどこに行くか、を決めようと思っているのですが、どこかお薦めがありましたら是非教えて頂けるとありがたいです。

さて、只今絶賛開催中のヴィンテージショップ"YOSHIMURA"
既に多くの方からのご注文を賜り、企画担当としては嬉しい限りです。
秋冬物は物量、内容共、更に充実していますので(特にカシミア!)、是非楽しみにお待ちください!
夏真っ盛りですが、8月の閑散期にご用意させて頂こうかな?なんて考えてます。
詳細はまたHPでご案内しますね。
で、今回はそのヴィンテージクロスの中のアイリッシュリネン※を使い、盛夏用スーツを仕立てた私、南浦のオーダーをご紹介したいと思います。


アイリッシュリネンとは・・・・北アイルランドで栽培されたフラックスという亜麻科の植物の繊維を北アイルランドで紡績し、生地にした物。
ただ現在、市場に流通しているアイリッシュリネンは北アイルランド以外の地域で栽培されたフラックスを使い、最終工程のみを北アイルランドで行っている物が大半となります。 これはオイルショックが原因で北アイルランドのリネン紡績工場が廃業に追い込まれた為であり、純粋なアイリッシュリネンはそれ以前に作られた物のみとなります。

リネン=麻、これは間違いではありませんが、原料となる植物によって性質や素材感は全く異なります。
よく麻は”チクチク、ゴワゴワした手触り”とか”シワになる”といったイメージを抱かれている方が多いかと思いますが、これはヘンプ(大麻)やラミー(苧麻)という植物が使われた生地で、アイリッシュリネンとは全くの別物です。
北アイルランド産のフラックスは他の地域で栽培される物と比べると、しなやかで、光沢があり、肌触りが良いのが特徴です。
事実、今回ヴィンテージアイリッシュリネンは生地の端を強く握りしめてもシワになりませんし、硬さも無く、最高級の品質と言ってもよいでしょう。

また今回、アイリッシュリネンでスーツを仕立てようと思ったのは、私が社会人になりたての頃はもちろんクールビズなんてものはありませんでしたが、夏場のビジネスシーンにおいて少しでも快適に過ごす為にリネンやコットンのスーツは割とポピュラーだったような記憶があります。
またペールトーンと言われる淡い色合いのスーツ(例えば、薄いグリーンやベージュ)も普通に(私も着ていましたが)目にしていたのが、何故ビジネスカジュアル化が進む昨今で、リネンやペールトーンスーツの復活が叫ばれないのか不思議に思い、それならば身をもって試し、その良さを広く皆さんにお伝えしようと考えた次第です。

それではデザイン、仕様についてご案内してまいります。

◇生地

英国製アイリッシュリネン100%

英国製アイリッシュリネン100%
今回の仕入れたヴィンテージクロスの中でアイリッシュリネンは14種類
スーツ分の長さがある物もあれば、ジャケット分しか無い物もありますが、その中から私が選んだのは、マローネっぽいブラウン地
夏場にブラウンって?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、質の良いリネン素材だからこそ、暖色系のブラウンも有りだと思いません?
清涼感のあるリネンがブラウンの持つ重さをどのような感じで相殺するのかが楽しみなところですね。

◇デザイン
1.基本デザイン

シングル3B段返り
キングスマンスタイル(W6×2)と散々迷ったのですが、今回はビジネスシーンにおいてのリネンスーツ、というコンセプトですので、ベーシックにシングルで。
ただ多少のカジュアル感は出して、軽さをアピールしたいので3B段返りに。
段返りはアメリカのブルックスブラザーズ発祥のデザインで、その頃にイタリアよりテーラーリング技術の伝承に来ていた職人が母国に持ち帰り、イタリアでも広まったとされています。

2.仕立て

芯無一枚仕立
ここはやはり涼しさ優先で。
ただマニカカミーチャ仕様にはせず、薄いながらも肩パッド&タレ綿は入れ、ショルダーラインは直線的に。

3.裏仕様

大見返し(アンコン)
涼しさ&軽さを追及するなら半裏仕立、涼しさ&豪華さなら大見返し(アンコン)ですね。
私がオーダーする物はお客様にお見せするサンプル的要素も強いので、実用性より見た目を重視ということでアンコン仕立で。

4.袖仕様

本切羽4Bキッシング
以前にオーダーしたジャケットのように袖をロールアップしても着たいので、ボタンは重ね無しで。
もちろん袖裏地も付けず、縫い代部分の始末も裏地では無く共布で。


ざっと今回のリネンスーツの内容をご紹介致しました。
昨今のシャツ+パンツonlyのクールビズスタイルに新たな選択肢の一つとなるよう、格好良く仕上げたいと思います。
どうぞ仕上がりを楽しみにお待ちくださいね。

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