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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 ビンテージクロスフェアー
秋も深まり、東京の神宮外苑辺りの銀杏並木には銀杏がたわわに実るようになりましたが、皆さん如何お過ごしでしょうか?
10月から11月に掛けては休日にお洒落をして街を歩くには心地よい季節ですね。
ファッションがスーツ一辺倒でなくジャケットの存在感が増すのは正に今の時期ではないでしょうか。
ウォーム感あるツィードのジャケット、、、靴もお洒落をしてチャッカーブーツなど、、、私達もやりがいのある時期になりました。

さて
そんなファッションを意識する晩秋ですが、今月はこのタイミングでユニークな企画をいたしたいと思います。
題して、ビンテージクロスフェアー
ちょうど、春夏物でこの企画を初めて行ったところ、当初はビンテージマニアの人だけかな?と思って始めた企画でしたが、蓋を開けてビックリ
マニアの方も、普通の方も、たまたま通りがかった人も、色んな方が普段目にしないようなビンテージクロスを見て、驚き、「勉強になった!」と喜んでいただけました。(もちろんご注文も沢山頂きました。)

お店としましては、販売数量もさることながら、むしろお客様にサプライズを感じて貰うのが何よりですから、これは『してやったり!』
そこで、このビンテージクロスフェアーの秋冬版を企画することにいたしました。

日程はちょっと先になりますが次の通りです。

秋冬物ビンテージクロスフェアー
期間
東京店: 11月 7日(金)〜16日(日)まで
大阪店: 11月17日(月)〜22日(土)まで ※1
お値段
シングルスーツ上下 59,800円  ※2,※3,※4
ジャケット単品   45,000円  ※5
〜 補足事項 〜
※1 11/17は東京店からの商品移動のため午後から開催します。
※2 ビンテージクロスという特性上、ご体型によってはご注文をお受けできないこともあります。(特にベスト)
※3 マニアの方で型紙作成希望の方は見本服があれば体型補正を加え、型紙作成します。(+10,000円)
型紙作成すれば今後同デザインのオリジナルスーツが仕立てられます。
東京店金・土のみのサービスです。(要予約)
※4 フルオーダー希望の方はスーツ+55,000円、ジャケット単品+35,000円です。(型紙作成、仮縫い込み)
※5 ジャケット単品の場合は通常の価格スーツ上下×65%ではありません。ご注意下さい。
日程のご案内はさておき、それではこのビンテージクロスフェアー、どんな楽しみ方があるでしょうか?
前回ご注文された方やこんな楽しみ方はどうか?というアイデアを少しご紹介しましょう。

■ 前回のお客様をちょっとだけご紹介 ■
春夏では総勢30名様からのオーダーを頂きましたので全員のご紹介は出来ませんので中からちょっとだけご紹介・・・

□ 大阪店からは・・・Fさん □
Fさんは、大阪店南浦君が担当いたしました。
詳細はこちら(お客様ありがとう:Before&After第2弾)でもご紹介しておりますのでそちらをご覧いただくとして。
ここでは出来上がりの画像を中心に、、、
モヘヤ混のブラウンやブルーの色んな色の入ったマルチストライプの生地が...こんな感じに。
仕上がりは意外とシックに、そしてシャープにまとまりました。
生地のメーカーは当店でもつい先日サービス企画でもご紹介した伊チェルッティー
今はヌメヌメっとした柔らかさが信条のメーカーですが、当時はこんなシャキッとしたモヘヤ混の生地も作っていたんですね。オドロキです。

□ 東京店からは・・・Sさん □
こちらは自称『枯れオヤジSさん。私(吉村)と同い年の方です。
素材はこちらもやはりモヘヤ混の素材。
夏物ではブラウン系の色目は昨今はあまり目にしませんが、何とも言えない落ち着いた雰囲気を醸しだしていますね。
ちなみにSさんは奥様に内緒でこのビンテージクロスフェアーで2着ご購入。
そのもう一つはこんな生地(ドーメルスーパーブリオ)でした...
(奥様もお客様でしたので内密に事を運ぶのが大変でした、、、(^_^;) )

こちらもモヘヤが入っているためかキラキラ綺麗な色目です。

□ もう一人大阪店から・・・ □
続いても大阪店のお客様のご紹介。
春夏のビンテージクロスフェアーでは、この斬新な生地がどんなスーツに仕上がるんだろう?
...というお客様の悩み疑問にお答えするため、たまたま2点あった生地を使ってお客様ご協力の下こんなBEFORE & AFTERをご紹介していました。
そして、それをご覧になったお客様が『これや、これと同じ生地が良い!』となったのがこのチェスターフィールドコート。
重量感あるビンテージクロスならではの仕上がりです。通常のスーツ地ですと薄くてここまでの重厚感は出ません。)

■ ジャケット単品も面白そう... ■
続いての楽しみ方は、、、ビジネススーツにビンテージクロスはちょっと、、、と抵抗のある方。
こんな方は割り切ってカジュアルなジャケットはいかがでしょうか?

昨今の今風スーツには似つかわしくない色柄、素材感であってもカジュアルジャケットならヴィヴィッドな柄行きでも意外とマッチするものです。

こんな色柄の生地なら古着っぽく着てみても、リメイクっぽく今風なデザインに仕立ててみても、味わいあるジャケットになること請けあいです。
素材はビンテージでも仕立ては最新モード風なんてのもカッコイイではないですか!!
(↑業界的に見ると若手個人テーラーさんはこういったジャケット好きですね♪)

ジャケットなら45,000円と気軽にお求めいただける金額ですから是非お試し下さいね。

■ ビンテージマニアの方には・・・ ■
最後にご紹介は・・・ちょっとディープなマニアの方むけ?

こんなビンテージクロスは、一方では30'S Style好きには堪えられない素材でもあります。
ビンテージの重厚な素材感は、昨今のスーツ地が軟弱に思えてしまうほど、愚直なまでに硬派な素材です。
30'S Styleとは・・・
1930年代風のシルエットを総称して言います。
時代は、米では世界恐慌の直後頃、日本では満州事変の時代。昭和初期頃です。
この頃のスタイルは今とは全く違い、スーツは太い襟幅、肩はコンケープドショルダー、ガチッと重厚感ある仕立てながらもウエストは強く絞り込みとても男性的なシルエットでした。
ボトムも深〜い股上、サスペンダーボタン、裾は折り返し幅をたっぷりとって。
外套(敢えてコートと言わない!)もフロックコートやインバネスコート。
イメージで言うと大正ロマン〜戦前の昭和のイメージです。
そして、前掲の出来上がり画像のお客様は正にこの30'Sスタイル好きの方でして、そのようなマニアの方もこの企画には大満足。
マニアの方で、もしお手持ちのビンテージスーツがあるようでしたら、そこから型を抜き、お仕立することも可能です(+10,000円)のでこういった方は別途ご相談下さい。

ちなみに30'S Styleファンの方が好まれるディテールはこんな感じです。
 上着では...
・コンケープドショルダー
・拝み合わせボタン
・高めのゴージライン
 ベストでは... 
・ウエストコート
・懐中時計用チェーンホール
 ボトムでは...
・ブレイシーズ(サスペンダーボタン)
・ウォッチポケット
・幅広いカブラ
・尾錠
 コートでは...
・フロックコート
・インバネスコート
画像は仮縫い中の私(吉村)のインバネスコート
ビンテージクロスフェアーまでには出来上がるよう頑張ります!!
店頭展示しますからご覧下さいね。

さてさて、
こんな色んな楽しみ方のあるビンテージクロスフェアー
当店では押し売りは一切しませんから、興味のある方は是非ご覧になるだけでもお越し下さい。

皆さんのお祖父さんが若かりし頃、着ていたようなスーツ。
形見でこんなスーツがあったな、、、などいう記憶のある方も多いはず。
これを現代で試してみるのも悪くないです。温故知新、一度ご覧下さい。