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オーダースーツのヨシムラ
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 矢沢スーツのご注文
そろそろ12月になろうとしているこの頃、どんどん気温が下がってきておりますが、皆さん風邪などはひかれてないでしょうか?

季節の変わり目に弱い私ですが、秋口に風邪をひいてしまい、それ以降はなんとか元気に過ごしています。

さて、そんな冬の空気に入れ替わる頃、当社ではこの時期ギリギリではございますが、ある特殊なスーツをご注文される方が多くなります。
特殊?と言われるほど特殊ではありませんが、一風変わったスーツ。
それが、矢沢永吉さんのコンサートに着ていくスーツ、通称「矢沢スーツ」です。

よく電話で白いダブルのスーツがほしいんだけど。
という問い合わせを受けるのですが、内心そろそろ武道館ライブかぁと、その時期の到来を感じてしまいます。

12月の中旬に行われるライブに向けて、ファンの方は白いスーツをお求めになるのです。

永ちゃんといえば、昔学生時代に池袋の「キャロル」という居酒屋で誕生日会を開いてもらった記憶もあり、懐かしい思い出の一つです。

それでは、仕様の詳細に入る前に、永ちゃんスーツをお求めになる方の特徴をご紹介します。
□ 矢沢スーツのポイント □
・矢沢永吉さんを愛してる
・上着はダブルで釦位置が低い
・ズボンのワタリ(太股)が非常に広い
・股上が非常に深い
・生地は、白や黄色、赤などが人気
・見た目が少し怖い
・でもすごく優しい

と、このようなところが皆さん共通するところのように感じます。
とてもコワモテな顔から覗く無邪気な笑顔はなんとも魅力的な印象すらあります。

話は逸れましたが、特徴としては今のトレンドにはない、ゆったりとしたサイジングを求められる方が多く、デザインもやや特徴的ですが、何といってもサイズ感が非常に難しいところです。

当社でこれまで何度かホームページで矢沢スーツを紹介していたということもあり、毎年コンスタントにご注文を頂いておりますが、今回はお電話でご予約を頂いたKさんのご注文をご紹介します。
Kさんは女性の方と二人でご来店頂いたのですが、見た目はとても怖い(失礼?)方でしたが、話してみると非常に暖かみのある方で、とても魅力的な方でした。

俺はこうしたい!と言いつつも女性の方の意見があると、
そかな?
んじゃよくわかんないからそれでいいやい!
という流れが続き、まるで台風が通り過ぎていったような感覚でした。

まずは、仕様からご紹介いたします。

□ 矢沢スーツ □
<生地>
児玉毛織:白無地

<価格>
ダブルスーツ
 59,800円(送料・消費税込み)
<上着デザイン>
 フロント ダブル2×1ボタン
 ラペル
ピークドラペル
 ベント
ノーベント
 フロントカット
 脇ポケット ハッキングポケット
 胸ポケット
ハコポケット
 袖口 4つボタン本切羽(+2,100円)
 ステッチ フロントAMFステッチ
 ネーム E.YAZAWA(ブロック体:白字)
 備考 ボタン位置かなり低め、ボタン:白蝶貝(+2,100円)、裏地:キュプラ白(+2,100円)
<下衣デザイン>
 タック 2タック(深め)
 脇ポケット ストレート
 ピスポケット 両玉左ボタン止め
 裾口 シングル
 備考 ベルトループ不要、ワタリ幅広く、股上深く、裾口幅広く

こちらが、頂いたオーダーの内容です。
基本的にダブルの2×1ボタン掛け、スラックスは極太。
このスタイルはKさんがご来店される際にイメージにあったデザインですが、その他の選べるポイント(脇ポケットや袖口デザイン等)は女性の意見をさりげなく聞きながら決めていかれたように感じます。

そしてもう一つのポイントは、矢沢スーツに欠かせない「ネーム」です。
当社でお仕立て頂く永ちゃんスーツは100%と言っていいほどネームが「E.YAZAWA」とブロック体の赤色の刺繍糸で入れられます。
今回Kさんは、赤いのは縁起が悪い!ということから白糸で刺繍を入れられました。 もちろん綴りは「E.YAZAWA」です。

ネームをご自身のものではなく、「E.YAZAWA」にする理由は、やはり矢沢永吉さんのコンサートに行くための服で、永ちゃんに捧げるという意味もあるようです。

上記のようにデザインが決まり、いざ採寸へ!
ということで、まずは当社サンプルのスラックスを試着していただきましたが、もちろんご希望に合うワタリ幅の物はやはりサイズを大きくしなければならず、試着室から鏡に向かうまでにずれ落ちそうになったものの、他のお客様がいらっしゃらずホッとしてしまいました。

そんなこんなで、最終的に決まったワタリ幅はというと「42センチ」
通常Kさんのワタリ幅を素直に出すと「33.5センチ」ですが、幅で8.5センチだと全体で17センチもゆとりが増えることになります。
42センチのワタリだと84センチのウエストの人が両足の太股に入るという事を想像するとそのワイドパンツ具合がお分かりになるのではないでしょうか。

これまでのご注文では基本的に白のプラスチックのボタンを付けられる方が多かったのですが、高級感を損ないたくないと言うKさんは白蝶貝にてご注文いただきました。
細かいところのデザインセンスの良さで、どのような矢沢スーツが仕上がるのでしょうか。

永ちゃんスーツの注文を受けながら、こんなに一途に熱くなれる事があるって羨ましいなぁと思いつつ楽しんで接客させていただきました。

仕上がりが楽しみです!!