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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 2013年春夏スーツを仕立てました!
7月になりすっかり夏めいて参りましたが、これから夏のお祭り等も盛りだくさんですね。
皆さんのご予定はもうお決まりですか?

夏は毎年夏バテしてしまいますが、体調管理に気を付けて身体を資本に頑張っていきたいと思います。
モチベーションも頭の回転も身体の調子あってのものですよね。
体調万全で、夏を楽しく乗り切りましょう!!

さて、夏といえば暑い。
これは当たり前のことなのですが、だからこそ、涼しく着用できるアイテムが必須になってきますよね。
私はとても暑さに弱い人間ですから、より涼しいものを探し求めてしまいます。
(冬は寒がりなので、逆により暖かい物を求めてしまいます。→当たり前?)

そこで、今回ご紹介するのは、先日仕立てておりました私のジャケットにも、パンツにも使用できるスーツが完成して参りましたので、ご紹介させていただきます。
実は5月くらいに仕上がっていたのですが、思うところありましてご紹介を遅らせておりました。
皺に関しての部分なのですが、まずは全体的な仕様からご紹介させて頂きます。

■ 生地 ■

BL6309 ORIGINAL ウール52% リネン48%

ブラウングレーの何とも言えない色味はトレンドカラーのアースカラーです。 意外とあわせやすい色なのでとても気軽に羽織れます。 そこで、注目すべきはウールリネンという素材感です。

ここ近年ウールリネンはなかなか市場に出回っておらず仕入れられませんでしたが、オリジナル商品としてご用意致しましたので気になった方は、是非お試し下さい。
しゃりっとした肌触りは、実に爽快です♪

■ 仕様 ■
今回は(今回も?)ジャケット単品の着用や、替えスラックスとしての活用も考えて上下、セパレートで愛用できるデザインにしました。
世代といいましょうか、使い回しというお得感にどうしても惹かれてしまいます...
そこで、上下の仕様につきまして仕上がりの画像と共にご紹介させていただきますので、是非参考までにご覧下さい。♪
□ 上着 □
 フロント
シングル3つボタン中掛け(3×1)
 衿型
ノッチドラペル 8.5センチ(太め)
 ベント 
サイドベンツ
 袖口
4つボタン本切羽
 胸ポケット アウトポケット
 脇ポケット アウトポケット
 ステッチ 0.7ピックステッチ
 裏地 Z494-7(ブラウン)
 ボタン 黒蝶貝ボタン
□ スラックス □
 タック ノータック
 脇ポケット ナナメ
 裾口 ダブル 4.5センチ
 備考 後ろ尾錠付き

■ 各所ポイント ■

今回のポイントは、何といってもカジュアルな印象を持たせることにより、夏のクールビズに向けた軽快なジャケットや、カジュアルに軽く羽織れるアイテムをイメージして作成しました。

□ 全体像とその特徴 □

まずは上着の全体像です。
全体的に細くシャープにしつつ、最近衿幅が広めになっているということもあり、衿幅を広めに設定しました。 もちろんゴージライン(上衿と下衿の境目の線)は高めにすることを忘れずに。
皆さんがお召しの衿幅よりも+0.5センチほど太くすると、少ししっかりとした印象を与えてくれますので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか?

そこで、実は注目して頂きたい点がございます。

それは、画像のジャケットは、写真を撮る二日前に一日中着用していたジャケットだということです。

通常麻混のものは、ヒジの内側に皺が寄ってしまいますが、今回仕立てたジャケットは画像では皺が確認できないと思います。
もちろんアイロンをかけた訳でもありません。

どういうことかと申しますと、今回仕立てた生地はウールが52%、リネンが48%の比率で混紡されています。
麻が半分ほど入っているのに皺にならないの?と疑問を抱く方もいらっしゃると思いますが、もう残りの半分はウール素材によるため、皺になっても形状が安定して皺が戻りやすくなります。

私も実際に着用するまで、皺がどの位残るのか、ということに注視していたのですが、ウールと同じように、間隔をあけて着用すると皺のないその復元力がまた魅力的でした。
麻は皺が好きじゃないんだよなぁという方、是非おためし下さい♪

□ 本切羽 □

カジュアルなジャケットだからいいやぁという方もいらっしゃると思いますが、私自身、以前も同じような事を申し上げましたが、本切羽のオプションを付けて以来、開き見せ(レギュラー)の袖口が着られなくなりました。

なんかこう、気分が乗らないと言いましょうか、モチベーションに差し支えが出てくるため、カジュアルなジャケットにも必須オプションになっています。

□ アウトポケット □

アウトポケットは、ビジネスというよりもカジュアルなジャケット向きのデザインです。
ただ、この辺りは、お好みによって脇のポケットを通常のフタツキにしたりハッキングポケットにしても素材自体が比較的カジュアルですからジャケットとしても成り立ちます。
この辺りは選べるデザインの自由性を楽しめる素材ならではだと思います。

□ 大見返し □

内側の仕様で、よく表側からは見えないのですが、ジャケット地にオススメのデザインです。
正直申し上げて、背抜きとどっちが涼しいの?といわれると素材にもよりますが、大して変わりはありません。
ただ、機能性というよりもデザイン性で豪華なお仕立てになりますので、オススメしています。

しかも!
今回のような表と裏の色が異なるシャンブレー生地(タテ糸、ヨコ糸違う色糸を使用することにより、表面か裏面か色の出方を変え、表裏違う色になります。)にはこのような大見返しは抜群です。
あれ?色が違う?!っという遊び心もあって良いのではないでしょうか?

□ スラックス □

全体的なシルエットは、美脚パンツということで、股上を浅くして、膝を絞る位置も通常よりも3センチ高くすることによって得られる足長効果を目的として寸法を指示しました。

実は、この色味はカラーコーディネートし易く、意外に万能なパンツです。
現状ジャケットとしてだけではなく、スラックスとしても人気が出ておりますので、お試しの価値ありです。

□ スラックス ワンポイント □

ワンポイントアクセントとして付けてみたのがこの後ろ尾錠。
オーダーですから、正直この尾錠が役割を果たすことはないのですが、アクセントとして付けてみると、少し違った仕上がりになります。
個人的に少しアメリカントラディッショナルなスタイルを心がけてみました。


いかがでしょうか?
本来であればもう少し早めにご紹介したかったのですが、これからの季節にばっちりのアイテム・生地ですから是非参考までにご覧下さい。

暑い夏を元気に乗り越えましょう!!