四方良し?
2020/09/16
昔からよく聞かされた「三方良し」、いい響きですね!
ご存知、江戸時代から明治時代に活躍した近江商人が大切にした「商売の心得」が、、、
買い手よし、売り手よし、世間よし、という「三方良し」でした。
まぁこれは、お客さんが喜ぶことして信用を得て、貯まった儲けで世の中に役立つことをする、でした。

皆さん「儲け」という漢字を見て下さい。信じる者と書きますがこれを増やすことが商売の心得ですね。

それではタイトルの「四方良し」って何?
これ勝手に作らせてもらいました。意味は売り手を二つに割ると部下と上司になりますから、お客さん良し、上司良し、部下良し、社会良し。ちょっと苦しいですか(汗)。

実は先日、YOSHIMURA&SONSに二人の新人が入って来て、連日、上司の播磨さんが二人の部下、中堅どころの築地君と新卒の河本君を一所懸命指導しています。上司の使命はただ二つ、結果を出すことと部下を育てること、です。

僕らの商売はオーダー品を販売してお客さんから対価を頂くのですが、その対価には商品と接客というサービスが含まれていて、お値段以上(どこかで聞いた?)の価値が提供出来て初めて社会に還元出来るんです。新人がそうしたサービスを提供できるようになるために上司は献身的に指導する必要があるし、部下はこれに対し敬意を払わなければなりません。

時には厳しい言葉もぶつけたり、ぶつけられたりしますが、昔はこれを「愛のムチ」として美化していましたが最近は「パワハラ」で訴えられることも有るらしいので(YOSHIMURA&SONSではありませんからご心配なく)、体育会系の僕としては昔が良かったです(笑)。

そんな訳ですが(どんな訳?)、二人の新人、皆さんにも愛のムチでご指導の程よろしくお願いします(逆ですね)。

写真上段:左から播磨パパ、河本末っ子、築地お兄ちゃん

写真中段:二人をビシビシ教育する播磨パパ

写真下段:「こうやるんだよ。」と優しく教える築地兄ちゃんと「うん」と教わる河本末っ子


注目!2020-21AWコレクションよりU
2020/08/27
前回の「注目!コレクション」、いかがでした?
好評につき?続編をお届けしますね。
前回のセリーヌやグッチにエルメス、みんなワンルックしか紹介出来ませんでしたが、、、

ジャケットをキーアイテムにした単品コーディネイトの妙を伝えたかったんです。
勿論、紹介したルックは極一部ですから、今の時代インターネットで是非調べてみてください。

今回は前回に紹介しきれなかったコレクションブランド情報を3つほど。。。
あくまでジャケットキーアイテムとしたワンルックづつです。

先ずはプラダ。90’Sのアーカイブかと思いきや、ブランドオーナーのデザイナー、ミウッチャ・プラダらしいひねりが加えられている?といった印象です。

ジャケットはオーバーサイズ風に着まわせるようなサイズもディテールもビッグパターン。クローズ気味のフロントカットが今の時代新鮮です。コレクションのシューズではポインテッドトゥが隆盛の中、レアなスクエアトゥが90年代のプラダを知る僕としては懐かしくもこれまた新鮮でした。

一方で次回9月のコレクションでは、ラフ・シモンズが加わるという事で楽しみな二人の共同コレクションになりそうですね。

次はギャルソンファミリーのコムデギャルソン・ジュンヤ・ワタナベ・マンからです。
僕の大好きなトラッドテイストを醸し出してくれた今回のコレクション。ふんだんにツイード素材を使用したコーディネイトや、エルボーパッチやバックデザインなどジュンヤらしいこなしで見せてくれた楽しいコレクションでした。さすがギャルソンファミリーの孝行息子はエイジレスに受ける稀有なデザイナーだと思います。

最後は御大、コムデギャルソン・オムです。
もう何回目のコレクション?かと数えてみると、、、なんと78回の快挙?多けりゃいいもんじゃないですが、すべてが本当に「飽きさせない」コレクションなのが素晴らしいです!その神髄は毎回がらりと変わるパターンでパタンナーさんや工場さんの苦労も大変なもんだと思いますが、そこは「価値観」共有されている強みで企業はこうでなくちゃ!って僕がどや顔したくなります。

今回のコレクションはヴィンテージ風ファブリックでパッチワーク風切替しの効いたギャルソンらしいと言えばらしい、コーディネイト。参考になります!
デザインの基本ソースすなわちクラシック、ワーク、ミリタリー、スポーツ、デニムが見え隠れするコレクションでした。

写真上段:プラダ2020-21AWコレクションより(出典:ファッションプレス)

写真中段:コムデギャルソン・ジュンヤ・ワタナベ・マン2020-21AWコレクションより(出典:ファッションプレス)

写真下段:コムデギャルソン・オム2020-21-AWコレクションより(出典:ファッションプレス)


注目!2020-21AWコレクションより
2020/08/19
夏休みも終わり(涙)、さぁ秋本番、、、と思いきや?
連日猛暑のうだるような空気感。長かった梅雨のせいで、蝉達は今が夏本番とばかりミーンミーンに濁点が付いた様な音量で鳴きまくっています。
もう降参だから早く涼しくなってくれ、という心境の毎日です。

しかし、、、
YOSHIMURA&SONSの店頭には、連日秋冬物の生地が続々と入荷して、棚に積み上がって行っています。
オリジナルあり、ベーシックあり、ヴィンテージあり(販売は期間限定になります)、そしてトレンドです。

さて、そのトレンドですが、、、
今シーズンは特に力を入れたのが「単品コーディネイト」と言うことで上下着回しの効くセットアップスーツやジャケット&パンツスタイルです。
詳しくは、YOSHIMURA&SONSのホームページ上SPECIAL COLLECTIONで紹介しますので楽しみにしてください。

但しトレンドと言っても店頭に並ぶのは材料になる生地達なので、どう料理するかは僕たちの腕前?次第と言ったところですか。
そこで、、、僕が注目している‘’メニュー‘’があるので、是非参考にして頂けると良いなぁ、と思います。

先ずは20年来僕の大好きなデザイナー、エディ・スリマン。今シーズンも「セリーヌ」で変わらぬロックスピリットが健在です。上段の写真は、ベルベットを材料にしたリーファージャケット風ダブルのロングジャケットで、羽織り物としてもアウターにも着回しの効くロックジャケットです。他にも、タキシードジャケットやナポレンジャケットなどクラシカルなアイテムを豹柄だったりと見事にエディナイズしたコーディネイトを展開しています。

次はグッチ。あのトム・フォードが率いてた頃とは「キッパリ」違ったコレクションになっています。と言うのも、トム・フォードが胸マッチョで剥き出し、パンツぴっちりタイトの肉体派系だったのに比べ、今のアレッサンドロ・ミケーレは、ご本人髭もじゃのヒッピー男爵風ですが、デザインはかなり柔軟で、マスキュリン系、フェミニン系、知的系、ワル系、セクシー系、ナード系等々なんでもこなす属性マルチ展開な気に成るデザイナーさんです。
今シーズンも「男とは?」で、アッと驚かされたコレクションを展開してますよ!!!

本日最後はエルメス。今シーズンのエルメスは、ナデージュが作り出すジェントルマンとは?品格とは?と言ったテーマを訴えかけながら女性デザイナーならではの「引き出し」を見せてくれました。セリーヌやグッチのコレクションと比べ、ホッとするような空気感を感じさせてくれました。

写真上段:2020-21AWセリーヌのワンルックス

写真中段:2020-21AWグッチのワンルックス

写真下段:2020-21AWエルメスのワンルックス
(以上出典:ファッションプレス)


挑戦!!!
2020/07/24
6月初旬、YOSHIMURA&SONSの新装開店に駆け付けてくれたK氏。
K氏はドイツに本拠を置く、世界最大の総合化学メーカーの日本法人副社長(偉いんだろうなぁ)だけど、とってもざっくばらんなジェントルマンで、店に来てはフランクに話を聞かせてくれるお客さん。僕はついつい話に聞き入って長居させてしまいます(笑)。

今回はなんでも既製品のシャツで、とても気に入っているけど古くなって着れそうもないから、、、
K氏「玉岡さん、今日はこんなの作れないかなぁ?と思って持って着たシャツ見てくれる?」
私「勿論に良いですよ。どんなシャツなんですか?」
K氏「これなんですけど、特に胸ポケットの使用がとても気に入っているんですよ!」
私「うちの胸ポケットのデザインレパートリーには無い仕様ですね、ん〜。」
ちょっと考え込んでしまいました。。。

YOSHIMURA&SONSのオーダーシャツでは胸ポケットのデザインを10種類近く有って、それらは全てアウトパッチポケットで外側に縫い付けているものですが、K氏が持ち込んできたシャツの胸ポケットは、、、
何とスーツ上着の胸ポケット同様に袋が内側についている構造の仕様でした。更にポケットの縁取りを別布に替えてある仕様でなかなか凝った作りなんです。

工場のことを考えるとさすがに即答は控え、、、
私「Kさん、工場と相談しますから少し時間を下さい。」
K氏「了解です。作れるようだったらすぐ生地選びに来ますからよろしくお願いします。」

翌朝、グループ工場へ預かった見本シャツに製作依頼書を付けて工場長宛てに送ったところ、後日快諾の返答が来ました(良かった!)。

早速K氏へメールで知らせると大喜びの返信が有って数日後、生地を選びにやって来て出来上がったのが写真で紹介している3枚のシャツです。どうです?フラットにデザインされた胸ポケットとクレリックな縁取り。フォーマル感とスポーティ感が相まった絶妙な仕上がりです。

こうやってお客さんから頂いた「お題」(今回はK氏より)に、直ぐには応えられなくても「チャレンジ」するのが店舗と工場が一気通貫で繋がるヨシムラグループの良いところで、お客さん良し、工場良し、店舗良し、の三方良しですね。

またまた「提案ネタ」がひとつ増えて、他のお客さんにも喜んでもらえます。
Kさん、ダンケ シェーン。

写真上段:午年生まれに因んで付けたワンポイントネーム(実は僕も午年、一回り上ですが)

写真中段:控えめな所に付けたイニシャル。粋です。

写真下段:ポケットの縁取りに使った別生地。実は写真中段のもの。


T氏今シーズンのキレキレな1着は?
2020/07/08
YOSHIMURA&SONSがニューオープンして1ヶ月半程になりますが、一目新しい店を見ようと開店時に来てくれたお客さんのオーダーが、今、続々と仕上がって来ました。

「うわっ!今日も多いなぁ。」と納品に来てくれた浪速運送さん(アパレル製品を専門に運んでくれる運送屋さんです)がトラックから降ろしてくれた「仕上がり品」の多さを見て、ハリマさんとトミちゃんが感嘆の声を上げてます。

その中でひときわ目立ったのが、T氏のオーダーしたセットアップスーツでした。それは白×黒のギンガムチェック上下に裏が「おおっ!」、なんと色鮮やかなフラミンゴがグリーンをバックにダンスしてますよ。

コロナの影響で少々気持ちが落ち込むようなとき、これを見たら一発で明るくなれますね、なんて勝手に思っている僕でした。

いざ検品をしてみると、それはなかなかギミックが詰まっていて、ジャケットには「総裏」でグリーンをバックにピンクのフラミンゴが踊っていて、そこにダマスクの如くグリーンの糸色でT氏のネームが入っていました。しかも「ドイツ文字」で。

セットアップパンツの腰回りはほど良い「ユル感」を持たせて、昨今、佐野店長がYOSHIMURA&SONSのお客さんへ流行らせた「BOXプリーツ+1」は中々の美しさです。そして腰回りのアクセントに「ウォッチポケット」が効いてます。

次に、セットアップ(組み立てる)と言うだけあって、1.5着目のパンツはセットアップジャケットにコーディネイトしたデニム生地にしっかりクリース入れてスラックス仕様に仕立てていました。腰回りはベルトレス、エルポケット&ノータックでシャープなモッズ調に仕上がっています。〆に、品よく「ハンドメイド風総ステッチ」が入れてありました(心憎いですね)。

以上、加齢とともに攻める(攻め過ぎですか?)T氏渾身の1.5着でした。

写真上段:白黒ギンガムチェックのセットアップジャケット(モワレ、スミマセン)

写真中段:デニムスラックスとのコーディネイト

写真下段:白黒ギンガムチェックのセットアップパンツ(コットンかと思いきや、実はフェイクな機能素材エバレットでした)


百貨店マフィア
2020/06/22
とうとう大手百貨店アパレルメーカーのレナウンが倒産しちゃいましたね。
とうとうと言ったのは、随分前から噂はあったのでそれほど驚きはしなかったのですが、逆に驚きは「良くここまでもったなぁ!」と言うのが僕の正直な気持ちです。

実は僕の就職活動で第一志望にしていたのが「レナウン」でした。
大学時代は学問よりラグビー一筋に打ち込んだお蔭で、首より下は盤石だったのですが首より上(特に脳みそ)は出来が悪かったので、ファッションが好きだったことも有り、体育会系なら比較的入りやすい(と言われた)アパレルへ推薦を貰って採用試験へ臨んだのですがあっけなく撃沈。それから紳士服メーカーを経て今に至っています。

社会人なりたて(80年代)の僕は営業マンとして意気揚揚に、主戦場の百貨店へ乗り込んだのですが(バカの怖いものなしでした、笑)、すぐに「ガーン!」と洗礼を受けたものでした。

当時、百貨店の紳士服売り場はレナウン(ダーバン)やオンワードが思い切り幅を利かせて、良い場所は優先して取るわ、売り場も広く沢山とるわ、商談場所の事務所では若い営業マンが大きな顔して百貨店の部長クラスと堂々と(企業力で)交渉?していて、なかなか業界3位以下にはチャンスが巡って来ませんでした。

そんな訳で、当時百貨店の紳士服始め、婦人服、子供服の売り場はレナウンやオンワードに牛耳られていましたから、特に力の弱い地方百貨店は売り場を構成するのに大手百貨店アパレルに抜けられると困るので、ほぼ言いなりでした。そんな力任せの大手アパレルメーカーを揶揄して、業界では「百貨店マフィア」と呼んでいました。

余談ですが、メンズアパレルメーカーで構成する業界団体が有るんですけど、そこでも重職はダーバンやオンワードに席取りされ、現理事長はレナウンの元会長ですが、「良く引き受けたものだなぁ。」と訝しく思います。

百貨店とアパレルメーカーのもたれ合い?もいつまで続くかは概ね想像できましたが、欧米では大都市でも百貨店はせいぜい一つ二つで、後は量販店、専門大店がセグメントを分けて商売しています。これに比較して日本は多過ぎ。

栄枯盛衰は決して他人ごとでは無く、現在のコロナ禍でも多くの企業や商売人に言えることですが、自主自立、独立自尊が何よりです。
レナウンは民事再生法申請から一ヶ月以上たった今でもスポンサーが見つかって無いようで、僕としては振られた彼女?の行く末が気に成るところです。

写真上段、中段、下段:池袋の百貨店では早くもレナウンブランドが半額。当然ですね。


平静
2020/06/10
YOSHIMURA&SONSニューショップの開店セレモニーフェアが終わり、平静の営業がスタートしました。

期間中はお陰様でコロナにもめげずに沢山の、沢山の顔にお会いすることが出来て、本当に嬉しかったです。

開店前の店作りも楽しかったですが、やっぱり僕らお客さんと接している時が一番、ハッピーだと改めて感じた次第です。

何よりこの店舗の店作り、沢山のお客さんに喜んでもらおうといろいろな仕掛けを施しました。

中でも来て貰った人達に一番のサプライズだったのは、店頭閑地のフィッティングミラー

要はヨシムラが昔から得意にしていた、店の外へ立ち鏡を持ち出して、生地を体に当てて見て貰うという、そのスペースをファサードの自動ドア横に設けた扉を開けると、大きな大きな鏡が現れて自然の外光でフィッティングが出来るという仕掛けなんです(換気バッチリ)。手前味噌ながら一見の価値、一回の使用価値あり!ですよ。

二つ目は、YOSHIMURA&SONSのロゴマーク「YR」を入れたパーテーションになっているステンドグラス(写真上段)。
店内に足を踏み入れて最初に皆さんをお迎えするモニュメントです。これからの長い時を経て枯れずに味が出る(だろう)仕掛けです。

三つ目は、存在感抜群の大型クローゼット(写真中段)。これはヨシムラの理念のひとつ「お渡しの時の顧客の笑顔」の考えから来ているのですが、オーダー品の仕上がりに満足してもらった時に頂くお客さんの「笑顔」の助けになるかなぁ?と用意したクローゼットは、受け取りに来店されるまでオーダー品を大切保管して置く箱です。

四つ目は、フローリング(写真下段)。沢山のお客さんの足跡がのこる床は自然な木材によるフローリングしかないとの考えから、美しさも狙ってヘリンボーン柄とストレート柄の複合デザインにしてみました。時を経るほど味が出てくるこのフローリング。10年、20年、、、○○年先が楽しみです。

まだまだ他にもギミックが詰まった店に、こんな時勢ですが予約してもらって、是非お越し下さい。


開店
2020/05/25
5月24日土曜、オーダースーツのヨシムラが店名も改めYOSHIMURA&SONSとしてようやくニューオープンした。

ここまで旧店舗を引き上げ仮店舗での営業が2年間、ニューショップの構想立ち上げから約8か月の年月を経てのオープンだ!

チーフディレクター:社長(最終決定権者)、クリエイティブディレクター:佐野ショップマスター(企画責任者)、プロデューサー:玉岡(製作責任者)の3名によるプロジェクトは、8か月間外部の内装企画製作プロ集団と喧々諤々やって、神田の地に実質初めてのショップを実現させた。

8か月前、先ずは佐野ショップマスターによってコンセプトメイクが始まる。「アンティークな寛げる空間」をイメージテーマに、来る日も来る日もショップイメージに合致した先人の創造した店舗等空間の情報集めを行い、一方で、羅紗店として創業した吉村株式会社の歴史を学び、顧客対象とするターゲットコンセプトメイク、店頭MDに関する商品コンセプトメイク、これらを総合したショップコンセプトと工程表を作成して、さぁ新店舗づくりに邁進だ!

ショップコンセプトを元に、今度は外部スタッフの内装デザイナーとレイアウトイメージ、平面図、大雑把な完成予想図を作り上げる。次いで、立体的な立面図、機能を網羅した各什器の詳細図、店舗ファサードの完成予想図面が出来上がって、この頃が店作りにおいて一番楽しい頃ですね。しかし、、、

これからが修羅場。店舗の内装外装についての詳細な計画が出来上がると次に来るのは、工事費、お金の問題。
工事費については初めに概ねの予算を伝えてあるが、お互い良い店を作ろうとアイデアを出し合っているからその結果、予算オーバー。それも大幅に!

此処からはシビアな交渉の連続。こちらも譲れるところ、譲れないところをはっきり伝え、外部スタッフ側の立場にも立ち、妥協もし、ここでも喧々諤々。工事開始後も続いたが、最後は握手で締めくくることが出来た。

創業明治17年の吉村株式会社に新たな歴史の1ページを刻むことが出来たのも、歴代の社長を始め多くのOB達が積み重ねた有形無形財産の蓄積の賜物。

それらを元に、今後の発展に向けて理想を追求して行くのだが、その理想は、自分達をよく知って、身の丈をわきまえ、それに応じたふさわしいものを決する以外には無いと思う。

これから順境もあれば、現在のコロナ禍のような逆境もあり、特に逆境に対処するには来たるべき機会(必ず来る!)を待ちながら、見過ごすことの無いように、日々コツコツと学習と反省を繰り返し、行動に移すのが良いと思う。

オープン初日からたくさんの顧客に来てもらい、幸福感を経験できたのは現スタッフのかけがえのないキャリアとなって今後の成長にきっと結びつくはず。一方では、初日から反省が生じている。

これも一つ一つ改善して、次世代へバトンを渡すことを常に心掛ければ、より良い発展が現実のこととなって行くでしょう!

写真上段:走る!ショップマスター

写真中段:整える!播磨さん

写真下段:ホッ!寛ぎの空間


STAY HOME
2020/05/12
STAY HOME「お家に居ましょう」って、今年の世界的な流行語大賞間違い無し?皆さん、家に居ますか?僕は家に居るの好きなんですが、実はほぼほぼ通常勤務です。テレワークの娘に怒られ、脅されています、「お父さん、死ぬよ。」って。

テレワークと言えば、皆さんはどうしてますか?
僕はと言うと先ほどお伝えしたように、ほぼほぼ通常勤務なので必要最低限のコミュニケーションは直接に出来てる状態です。先日、LINEでグループビデオ通話なるものを試したんですが、身近に中々便利なツールが有るもんだと改めて知りITの利便性にリスペクトしました。

店舗の方はどうかと言うと、ドア開放で換気良く密閉無し、接客は対面1m間隔位で少々近くやや密接の為接触無しのメールオーダー併用、密集は予約制で店内適度な人数制限実施、で対応してます。

そんな環境下、来店されるお客さんは大概自宅勤務で時々出社と言う方が多いですね。テレワークについて話を聞くと、オンライン打ち合わせやオンライン会議は画像に写り込む自宅の背景や服装に気を使うそうです。それからオンライン飲み会は、究極の割り勘で自分のペースで飲め、帰りの心配も無く中々快適だそうです(一度試してみたいです)。

そこで服装についてですが、どこぞのテレビ局では解説者が上半身上着にタイドアップなのに下半身はマジャマ、なんて言うコーディネイトが暴露されていましたが、そりゃNGでしょう。
これから暑い夏に向かって、家では涼しく楽なファッションが一押しですが、そんな要望にピッタリな貴重なアイテムと言えばハーフパンツなどいかがでしょうか?

僕のハーフパンツの原点と言えば、未だに小学生の夏休みのスタイルですが、テレワークのTPOが加わった今夏は、従来の清涼感、抜け感、開放感の3本柱にプラスきちんと感が大事なコンセプトです。

案外このきちんと感を出すにはサイズ感が難しく、レングス、フィット感、パターン、の3要素のミックスになりますが、オーダーならこの3要素を充分満たしてくれます。おまけにジャケットとのセットアップやベストスーツ、フルレングスパンツとのツーパンツスーツなんて言うレディメイドには無いアイテムまで作れちゃいます。

今年はトレンドの白黒のハウンドトゥースやギンガムチェック、そしていろいろなパターンのカモフラージュ他、ブラックウォッチやタータンチェックなんかも閉塞感を吹っ切れそうな柄ですね。無地ならホワイトを始め、ピンクやイエローなども爽やかトラッド少年復活です。

究極はタイトだろうとワイドだろうと、自分の好きなコンセプトでチャレンジしたら良いんですよ!

写真上段:テーパードショーツにソックス履いてきちんと感

写真下段:カモフラ柄ショーツにレザーシューズ履いてきちんと感

写真下段:ストライプのワイドショーツにスニーカー履いてモード感


引退
2020/04/30
先日、ネットのニュースで知った。
ジャン・ポール・ゴルチエさんがファッションの世界から引退すると。
67才だと言う。もう67才と言うか、まだ67才なのにと言うかは人それぞれの感じ方によると思うが、いずれにしても「やりきった!」感が有ってのことかなぁ、と僕は思った。

ゴルチエ・ブランドと言えば、シースルー、タトゥー柄、ジェンダーレスなどのコレクションが、1976年のデビュー当時から今で言う「多様性」を先取りしたブランドで、俗っぽくなるが僕にとってはとっても「アバンギャルド」なブランドとして頭に焼き付いている。

最近ではレディスンのオートクチュールコレクション主体で、メンズのコレクションからご無沙汰してたようだが、その容姿は日本で言う前期高齢者の年齢をとても感じさせない、エネルギッシュでスマートだ。何故そんな風にいられるのかは聞くことが出来ないので想像の世界だが、いつの時も「挑戦」と「達成感」を有していたのかなぁ?と。ただ「達成感」の表裏には多くの「挫折」や「苦渋」がきっとあったことだろうと思う。

僕がゴルチエを身近に感じたのは、前職でキャサリン・ハムネットの営業担当をしてた頃、そのセールスで旧丸井新宿初めメンズ館へ初めて挨拶方々訪問した際、ゴルチエのショップ、それはまるで潜水艦を水平に切断してショップ?にしたような今の時代でも斬新なデザインにカルチャーショックを受けたのが強く記憶に残っている。ショップだけでなく販売している男性スタッフのファッションが黒のロングスカートにグラフィックプリントのシースルーブラウスだったのを、こちらも脳裏に焼き付いている。

そんな自由で捉えどころのない印象のゴルチエだが、オンワード元社長の馬場さんに評価され契約を結んでからは、国内外での一層の活躍をしばし眼にしたものだ。また、馬場さんの審美眼や決断力にも敬服させられた。ファッションの核である、「仕立ての基本」、「美しさ」、「楽しさ」を見抜いたのだと推察するが。

今後のゴルチエは、「ゲストデザイナー制」を採用して、毎シーズン?いろいろなデザイナーが代わる代わる解釈したゴルチエをコレクションして行くそうだ。先ず始めは、日本ブランド「サカイ」の阿部千登勢さんが担当するのも楽しみだ。

引退と言う二文字がゴルチエさんにあまり相応しくないなぁと思って、他の言葉を探したところ、「卒業」が自分の中ではしっくりした。一つのステージで「完全燃焼」して、また別のステージに「挑戦」していくような、そんなイメージを「卒業」に抱きました。

写真上段:いつまでもエネルギッシュなゴルチエさん(出典:WWD)

写真中段:オートクチュールコレクションのワンルック(出典:ファッションプレス)

写真下段:メンズコレクションのワンルック(出典:WWD)



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