2025年8月28日更新
こんにちは、東京店の富田です。 酷暑続きの毎日がですが皆さん如何お過ごしでしょうか。 まだまだ衰えぬこの暑さに気力体力共に奪われそうですが、皆さんもどうぞ無理なさらずにお過ごしください。 早速ですが、 今回は、カラースーツをご注文頂きましたNさんの仕上がりをご紹介します。 カラースーツのご注文を頂くこと自体も珍しく、仕上がりも気になりますよね。 ただ、ご紹介するだけではつまらないですから、同じカラーで仕立てた私のジャケットがありますので、それと合わせてどこが違う点を比べてみるのも面白いと思い、ご紹介したいと思います。 さて、カラースーツと言っても何色でしょうか。 それは、テラコッタカラーです。 先ずは、勿体ぶらずにNさんの仕上がりをご覧ください。
こちらは、カノニコの21マイクロンのテラコッタカラーのスーツです。 テラコッタカラーをスーツとして仕立てる方は、なかなかのお洒落上級者の方です。 先ずは気になる色のもつ意味を調べてみたところ、共感する点があります。
確かに「あたたかくて落ち着きがあり、どこか異国の風を感じる自然派カラー」と言えますね。 色目も重要ですが、まだまだこの長い酷暑に着る素材ですから、生地の特徴も大変重要です。 代表的な特徴をピックアップすると以下の点が挙げられます。
それでは、タイトルにもある『似て非なるカラージャケット』についてご紹介しましょう。
Nさんの仕上り
コンフォート仕様
富田のジャケット
肩パット入り仕様
見れば、ボタンの数、ポケットの形とデザインが違うことは一目瞭然ですが、今回注目したい点は、実は内側です。
こちらは、メンズパターンを使い、レディース用に合わせたジャケットです。 画像では分かりにくいと思いますが、軽く着ることを目的とした仕様で、身頃も肩回りも軽くすっきりしています。 裏仕様もアンコン仕立ての背観音開きで、メンズ仕様だからこせ出来るものです。 裏の貼り方が曲線的で美しいです。 本来メンズジャケットは、構築的に作るために表地と裏地の間に胸増芯や接着芯を貼り、重厚的や立体的になるように作ります。また、肩先においても肩が綺麗に見えるように、肩パットとタレ綿を入れることが一般的です。 ですが、この仕様は、前身頃の裏側に入れる胸増芯地や接着芯を貼ることを極力省き、要所を保つために部分芯のみを貼ります。 そして肩パットもタレワタも入れませんので、明らかに軽くて今らしくこなれ感もあるような、羽織感覚で着るカジュアルなジャケットになります。
こちらはレディースパターンをそのままに仕立てたものです。 本来レディースのパターンは身体の凹凸に沿わせるために柔らかく軽く仕立てることを目的としています。そのために副資材や芯地は極力薄いもの使用し、レディースの身体に合わせています。 また、レディースパターンの裏仕様については、総裏か背抜きの2拓のみですが、メンズの裏仕様をご希望の方は、メンズパターンを使用してレディース用に合わせる事ができます。 そして肩については、0.2センチの薄手のパットを入れおります。 0.2センチと薄くても肩のラインを綺麗に見せ、落ち着いた印象を与えるので肩パットの役割は大きいです。 また、パットの有無によっては明らかに肩先の違いが分かりますので、次の画像をご覧ください。
左側は肩パット0.2センチ入りで見頃が高く、右側はパット無しで袖高に並んでいます。 同じハンガーに掛けた状態ですが、肩先の厚みの違い、袖山のカーブの違い、さらには袖の落ち方も違います。 また、画像でも分かるように縫い代の倒し方向によっても見え方が違います。 ではその違いをまとめてみました。
【似て非なる点 】
違いが分かったところですが、最後は、ご自身がどう着たいかは、用途・体型・好みによります。
以上、今回は、似て非なるカラージャケットと題して、同じカラーカラージャケットでもパットの有無や肩の作り方によって見え方が違うことをご紹介しましたが、如何でしたでしょうか。 ジャケット1つでも、ご自身がどう着たいかは、用途・体型・好みになりますので、ご自身の思いを込めたジャケットを作ることができます このコラムを読んで気になった方は、是非ご連絡を頂ければ嬉しいです。
最後に、似て非なるカラージャケットを並べて撮りました。
左:レディースパターン、右:メンズパターン
今回、お仕立て頂いたNさんはご多忙のためご来店が難しく、ご配送になってしまいましたが、後日私とNさんとで並んで写真を撮ることができたら、レディースギャラリーに掲載したいなと思います。 Nさん、この度はご協力頂きまして大変ありがとうございました。 それでは、次回もお楽しみに。