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シャツに遊び心を


こんにちは。大阪店の西脇です。
新しい年が始まりました。皆様、新年はどのように迎えられましたでしょうか。

新年を迎えると、「何か新しいことを」と思う方も多いのではないでしょうか。
新しい習慣、新しい出会い、そして、新しいスタイル。
ファッションは、新しい自分に出会う方法の1つ、新しい服は新鮮な気分にさせてくれますね。

今年初めてのレディースコラムでは、
クレリック×クレイジーパターン”という、ちょっとユニークなシャツのオーダーをご紹介します。

実は、こちらは男性のお客様のオーダーであったのですが、絶妙なバランスがとても素敵でしたので、このレディースコラムでご紹介させていただくことにしました。

また、シャツはメンズパターンの方がデザインの選択肢が多いので、最近は女性のお客様であっても、メンズパターンをレディース仕様に落とし込むことが多いです。
オーダーシャツというとスーツの下に着るビジネスシャツのオーダーをイメージされる方が多いと思うのですが、カジュアルなシャツもお仕立てができます。

今回のコラムは、遊び心を感じながら、何か新しいスタイルを考えるご参考になれば幸いです。どうぞ最後までお付き合いください。

0. 今回の生地

秋冬のコットン、ネルシャツ生地。
暖かく、柔らかな肌触りが特徴です。
2種類の色違いのチェックの生地でお仕立ていただきました。

1. お仕上がり

それでは、早速、お仕上がり品をご覧いただきます。
先程の2種類の生地を組み合わせて、2枚のシャツをお仕立ていただきました。

今回の仕様の最大のポイント、クレリッククレイジーパターンについて、改めてご紹介します。

—クレリックとは・・・
そもそもクレリックとは、基本的に身頃(ボディ)と、襟・カフスの色や素材が切り替えられたシャツのことを指します。

19世紀のヨーロッパで、聖職者(Cleric)が着ていたシャツが由来です。襟とカフスは最も汚れやすいため、当時より襟・カフスだけを取り外して洗ったり、交換したりする文化がありました。そのため、清潔感の象徴でもある白い襟とカフス、身頃は色付きや柄物というスタイルが生まれたといわれています。
現代では、ビジネスシーンでも人気のあるデザインです。

襟とカフスに白無地、身頃に色柄という組み合わせが定番ですが、今回は、両方とも「柄×柄」という攻めた仕様です。
―クレイジーパターンとは・・・
クレイジーパターンは、襟やカフスだけでなく、前立てや肩(ヨーク)なども切り替える技法です。また、同じ生地を使いながら、身頃、袖、ポケットなどで柄の向きや取り方を変えたりもします。

チェック柄の場合、バイアス(斜め)に柄を配置するだけで雰囲気も変わります。

一見バラバラに見えるようで、実は計算されたバランス。それがクレイジーパターンの面白さです。

今回のシャツは、この2つの技法を掛け合わせています。改めてお仕上がり品のお写真をご覧ください。

*襟, 前立て, カフス, 胸P:A.レッド系のチェック柄(クレリック)
*身頃, ヨーク:B. パープル系のチェック柄(クレリック)
*カフス, 胸P, ヨークはバイアスに(クレイジーパターン)

「派手になりすぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、同系色のチェック柄を選ぶことで、不思議と全体が馴染み、洗練された印象になっています。

2. ディティール

インパクトのあるクレリック、クレイジーパターンだけではなく、ディティールもこだわりました。

衿型

衿型はそれぞれ変えており、下左の衿は剣先の長さも指定しています。

カフス巾と釦

カフス巾は5cmと通常よりも小さくし、カフスの形状も変えています。(ラウンドの角度を変えています)

そして、カフスや衿に使用している芯は1番柔らかいガーゼ芯を使用することで柔らかさを出しました。

3. 着こなし

このシャツを実際にどう着るのか。
お客様のコーディネートをご覧ください。

ジャケット:Canonico Super 100’s flannel ボルドー コンフォートジャケット
シャツ:クレリック×クレイジーパターンのチェックシャツ
スラックス:ソフトサーモ(裏起毛)機能性素材 ブラックウォッチ
チーフ:グリーン 

一見、「柄×柄」はまとまらないように思えるかもしれません。
しかし、実際のコーディネートを見ると、統一感があることに気づきます。

お客様より、「思った以上に派手ではなく、2枚の色柄が馴染んでいて、コーディネートもしやすい」とのご感想をいただきました。

こちらのコーディネートのポイントは、シャツのパープル系とジャケットのボルドーの色が呼応し、全体として「秋冬らしい深みのある色合い」でまとまっていることだと思います。また、グリーンのチーフとスラックスのグリーンが呼応し、全体を引き締めています。遊び心がありながら、ジャケットがエレガントな雰囲気を醸し出し、大人のジャケパンスタイルとして成立しています。

このように、クレリック×クレイジーパターンという個性的なシャツも、コーディネート次第で様々な表情を見せてくれます。

4. メンズパターンのシャツをレディース仕様に

メンズパターンのシャツをレディース仕様にする際は、打ち合いを逆にしたり、ウエストを少し絞ったり、襟の長さやカフスの長さを小さめにするなど、細やかな調整をしていきます。

このように、メンズパターンをベースにしながら、レディース仕様にカスタマイズすることで、既製品にはない、自分だけのシャツが完成します。

昨年のレディースコラムでもオーダーシャツの魅力を富田がお伝えしておりますように、オーダーシャツは見た目だけでなく、実は着心地にも感動される方が多いです。

オーダーシャツの魅力

コーディネートの脇役にも主役にもなるシャツ、今年は新たなシャツスタイルに挑戦されてはいかがでしょうか。

もし、こんなシャツをお仕立てしてみたい、というアイディアがございましたら、ぜひお聞かせください。
2026年、皆さまにオーダーをもっと楽しんでいただけますよう、様々な視点からレディースコラムをお届けできればと思っております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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