2019年4月11日更新
先日、新元号〝令和″が発表され、改元ブームに沸く今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 テレビでは各チャンネル平成の30年を振り返る特集番組が放送されていますね 〝あ~っ、こんなことあったよな″とか〝もうあれから▲※年も経つんだ″とか、色々なことが思い出されますが、皆さんは何が一番思い出深い出来事でしたか? 当時社会人2年目で、先輩の担当するブティックの商品が盗難に合わないように引き上げに行きました。 変わり果てた街並みは今思い出しても衝撃的で、もう2度と起こらないことを願うばかりです。 もちろん喜ばしい出来事も多くありましたが、災害や不景気等、困難に見舞われた時代でもありました。 次の令和はどのような時代になるのでしょう。 来年の東京オリンピックや大阪万博等のイベントが目白押しですので、また飛躍の時代になって欲しいものですね。 |
さて昨年、多くのお客様より大変なご好評を頂きましたヴィンテージショップ“YOSHIMURA”
こちらでご紹介した生地は私の先輩のご実家であるテーラーから譲り受けたのですが、その先輩の友人で、これまた既に廃業されたテーラーを紹介され、今回新たに仕入れることが出来ました。
前者の分だけでも東京大阪両店舗でも全て陳列出来ない程の量であったにも関わらず、そこに+αまた新たなヴィンテージクロスが加わり、更に充実した品揃えとなりました。
その内容はと申しますと詳しくは後程ご紹介致しますが、前者のテーラーが大阪でも屈指の歓楽街である心斎橋筋商店街の中にあったのですが、後者は中小企業の街、東大阪市で長らくご商売されていらっしゃいました。
同じ大阪でもやはり街のロケーションや集う人々が変わると、品揃えも大きく異なるのが面白いところです。
心斎橋のテーラーの顧客は周りの飲食店などのサービス業を営む店舗オーナーが多いので、ホワイトカラーの方が好むベーシックな色柄よりもインパクトのある派手な物が中心の商品構成でした。
一方後者の東大阪のテーラーは製造業の経営者が主な顧客であったので、無地ライクな物が好まれたのでしょう、その商品構成は非常にベーシック且つシンプルな物が多いのが特徴です。
今回仕入れた量は去年と比べるといささか少な目ですが、それでも十分見応えはありますので、是非今年もヴィンテージショップ“YOSHIMURA”にご来店ください。
それでは今回のフェア内容とオススメ生地をご紹介させて頂きます。
■ 開催期間 ■ |
4月13日(土)〜シーズン終了まで |
※昨年同様、生地はほぼ1点物となりますので、期間中に一度両店舗の在庫のシャッフルを予定しております。 |
■ 価格 ■ |
58,000円&68,000円(税抜) ※DORMEUIL (ドーメル)、SCABAL(スキャバル)、E・ZEGNA(ゼニア)、DUNHILL(ダンヒル)、MOXON(モクソン)、Taylor & Lodge(テーラー&ロッジ)、Holland & Sherry(ホーランド&シェリー)、mila schon(ミラショーン)、H.LESSER&SONS(H.レッサー&サンズ)のHighブランドのみ68,000円、 それ以外のブランドは全て58,000円となります。 |
■ 補足事項 ■ |
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トップバッターはバブル期に一世を風靡したオートクチュールブランド〝mila schon″
1958年イタリアミラノにて洋装店として創業
当初はレディスのオートクチュールのみであったが、その後メンズラインを発表、衣料品だけに留まらず、アクセサリーや香水など様々なアイテムを発売しているので、その名を一度は聞いたことのある方も多いことでしょう。
高いデザイン性もさることながら、凝った生地を使用することで定評があり、オーダー用の生地も他のブランドではみることの無い非常に個性的な色や柄が多いのが特徴です。
今回仕入れた中に4着分残っておりました。
正直デイリーユースとしては難しいかもしれませんが、スーツに個性をお求めの方には自信を持ってお薦め出来るブランドです。
1957年に発表された世界初のウールとモヘアの混紡生地DORMEUIL (ドーメル) のTONIK(トニック)
爆発的人気を博したこの3PLYポーラ生地、その成功を後追いする形で発売されたのが、このスキャバル社の〝タイタン”
前者のトニックはヴィンテージポーラの中で最も売れた=流通量が多かったので、色々なテーラーさんで残っているのを目にしますが、反面このタイタンは比較すると少なかったのでしょう、非常に貴重な生地となっております。
今回は非常に個性的なピンドットストライプの1点のみ残っておりました。
早い者勝ちですよ!ご希望の方はお早めにお問い合わせください!
昨年の秋冬でもご紹介致しました幻の服地〝MOXON″がまた新たに出てまいりました(本当に幻かいな?とツッコミたくなりますが笑)
今回は白地にブラウンの格子柄が美しいサラブレッドクロスのジャケット地に、ベージュのグレンチェックにスカイブルーのオーバーペーンが施されたモクソニアというスーツ地の2点となります。
サラブレッドクロスはモクソンの中でもポピュラーなシリーズとなりますが、モクソニアは色々と文献や資料を調べたり、当時のテーラー業界をよく知るオーソリティの方にも聞いてみましたが、詳しいことは全く分かりませんでした。
果たしてモクソンの中でも上級ラインに当たるのか、それともディフュージョン的な位置付けなのか、定かではありませんが、非常にレア物であることだけは確かです。
ドーメル、スキャバルと比べると、創業が20世紀に入ってからの新しいマーチャントであるH.レッサー&サンズ
創業からのポリシーは「一切の妥協なき高品質の追及」、故に個性的な柄や華美な色目の物に走らず、非常に質の良い生地だけを供給しております。
今回仕入れた中に3PLYの御三家の内の最後の1つ〝Lesson”があれば、TONIK、TITANと揃い踏みだったのですが、そうは問屋が卸さない笑、あいにく残ってはおりませんでした。
ただH.レッサーのポリシーをストレートに現した生地がありましたのでご紹介致します。
共にベーシックな無地ですが、ネイビー無地のSuper100's+カシミア混とダークグレーのサマーキッドモヘア+ウール+カシミア、の2点です。
私がオーダーの世界に入った際、師匠より無地のスーツを仕立てる時は最高の品質の物を選べ!と教わりました。
それは無地は巣材の良さがストレートに表現されるから
質の良い無地スーツは決してユニフォームライクにはなりません。
その点からするとこのH.レッサー、正に打ってつけのファブリックではないでしょうか。
1956年イタリアボローニャで創業のマーチャント
社名には“仕立屋の為の服地商”という意味が込められており、他のイタリアのテキスタイルメーカーのデザインには無いような、非常に個性的な色柄を多く取り揃えているのが特徴です。
それはいかにもイタリア人が好むような光沢があり、非常に滑らかで、且つ軽く、仕立て映えのする洒脱な色柄の生地ということです。
こちらのドラッパーズも1点のみの在庫となりますが、キャメルカラーに赤のストライプの入ったTHE ITALY!な色柄となっております。
今回のヴィンテージの中にはこのドラッパーズを始め、カルロパラッツィやザノベッティなどのイタリア生地も多く、どれもヴィンテージでありながら滑らかさは失っておりません。
英国物は硬くて重量感があるから苦手なんだよな、といった方にも今回のフェアは楽しんで頂けるかと思います。
以上、軽くお薦め生地をご紹介させて頂きましたが、掘り出し物もまだたくさんございます(私自身も全ては把握しきれておりません)ので、是非皆さん、スタートダッシュでご来店ください!
お待ちしております!