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ブラウンは難しい???


予想通り緊急事態宣言が延長されましたが、大規模店舗の営業が一部緩和されたので、少し日常が取り戻された感がありますね。
5月の末までは飲食店はともかくとして、百貨店やファッションビルなどの大型商業施設はどこも休業していたので、急に入用なアイテムすら購入出来ずで本当に困りました。
というのも、私、夏用のビジネスソックスはなんばパークスと阪急三番街にある専門店で扱っているコットンリネンの物を愛用しているのですが、1シーズン履くと口ゴム部分がどうしても緩くなるので、シーズン前にまとめ買いするようにしています。
今年はGWが明けて例年よりかなり早く梅雨入りしたので、急いで用意をしなければ、と思ったら両店舗共に臨時休業,,,,,,
"ソックスすらまともに買えないのか"と絶望に近いものを覚えました(大袈裟ですが笑)
NETで買え、ということなんでしょうが、実店舗で買える物は赴いて手に取り納得してから購入したいタイプなんで、そこは営業再開するまで我慢し、先日ようやく無事に手に入れる事が出来ました。
ただ線引きが難しいところなんでしょうが、横並びで一律に大型店舗だけを休業を求めるのはちょっと違うのでは?と感じました。
お客さんも"ビジネス用の靴が1足ダメになったので、取り急ぎ買い足す必要があるのに、マジで買う場所が無い"と嘆いておられました。
サンダルで仕事しても良いなら話は別ですが、そういう訳にもいきませんしね、取り敢えずは通常営業に近いかたちで再開したので良しとしましょう。
あまり考えたくはありませんが、もしもしまた同様の宣言がなされた場合、次はもう少し消費者の利便性を加味した内容にしてほしいものですね。

さて、今回はお題目だけをみると"なんのこっちゃ?"という感じですが、今回ご紹介するのはご新規のFさんのオーダーです。
初めてのご来店時はあいにく私が代休を頂いていたのですが、Fさんも初めてのご利用ということで下見がてら軽い気持ちでお越しになられました。
その際レディススタッフ大崎氏の対応がよかったのか?2点程候補の生地をお選びになられて後日私の出勤日に改めてお出で頂くことに。

それから約10日程後に今度は事前にご予約を頂いてのご来店を相成りました。
前回お越し頂いた際に候補でお選びになられていたのはネイビーグレーの2色
どちらかにされる前提でお話を進めておりましたら、Fさんから"今流行りの生地ってどういったものですか?"との質問が。

私: そうですね~やはりブルー系が春夏では抜群に人気高し、トレンドであればライトグレーと一押しはブラウンですね。
Fさん: えっ!?ブラウンですか?ちょっと見せてもらえます?
私: もちろん!喜んで。
ブラウンと一言で言ってもブルーやグレーと同じく、ライトな物からダークな物まで様々です。
ライトになればなるほど黒から遠ざかるので黒と合わせづらくなり、反面、ダークになれば黒、チャコールグレー、濃紺との境目が分かりづらくなります。
グレーもネイビーもブラウンも着回し力という観点からするとミディアム(中間色)くらいを選ぶのが経済的ではありますね。
Fさん: なるほど、ではお薦めのブラウンで幾つか見せてもらえますか?
私: 承知しました!

先にお選び頂いたネイビーとグレーの生地はどこへやら笑、Fさん、すっかり気分はブラウンに向いたご様子。
取り急ぎFさんのご予算内に収まり、且つ合わせやすい色目の物を5種ご提案させて頂きました。

Fさん: ネイビーとグレーは持っているので、ブラウンにかなり気持ちが傾いているんですが、着たことが無いのでちょっと不安なんですが、止めておいた方がいいですか?
合わせ方とか難しいですかね?
私: 先にお伝えしたようにライトな物だと黒と合わせると野暮ったくなる上に、そのスーツに合わせてシャツTIE、ベルトにSHOESと全て新に揃える必要も出て来るので少し投資額が大きくなるでしょう。
ですから中間色くらいの物にしてけば、今Fさんが持ってらっしゃるアイテムと合わせやすくなると思います。
それに新しい物にはチャレンジしていかないと手持ちのワードローブが同じようなスーツばかりになってしまいますよ
Fさん: 了解しました。
ではこの5つの生地の中から決めますね。

これまで着たことの無い色目の物は興味を惹かれると同時に、経験値が無いのでどうしても不安になるのも仕方の無いことです。
そんな時、覚えておいて頂きたいことは中間色を選び、シックに纏めたい時はスーツ以外のアイテムはダーク系にし、逆に明るい印象を与えたい時はライトな色目のアイテムで合わせると着回し力が上がりますよ。

私: Fさん、どうぞ生地を肩に掛けて顔映りを見比べてください。
Fさん: 2つの無地は少し明るいですね、ストライプはちょっとキツい感じがするので、チェック柄のどちらかにします。
私: この2つのチェック柄でしたら、私は柄の大きいウィンドウペーンをお薦めします。
Fさん: どうしてですか?
私: この大柄の方は《ポーラ》という生地の種類で、織り方が粗いでしょう。
通気性が良く、涼しいので夏のスーティングに適していて、尚且つカジュアルな雰囲気を与える織り方なので、ブラウンとチェック柄の持つカジュアルさと相性が良いからなんです。
Fさん: わかりました。南浦さんのお薦めに乗っかってこれにします笑
私: ありがとうございます!

こんなやり取りがあり、ようやく生地が確定しました。
お客様とのやり取りの中で自身の提案を採用して頂けるのは正に販売員冥利に尽きるというものです。
その反面、しっかりとお客様のご要望をスーツに落とし込み、格好良く仕上げないと本末転倒ですのでプレッシャーも掛かります。
果たしてFさんは気に入って頂けるのか?
次回の更新ではご着用姿を撮影させて頂けることになりましたので、どうぞ仕上りを楽しみにお待ちください。

それでは最後に今回のデザインをご紹介して終わりにしたいと思います。

【ジャケットデザイン】
基本デザイン シングル3B段返 マニカカミーチャ仕様
ラペルデザイン ハイゴージノッチドラペル
胸ポケット バルカ
腰ポケット ハッキング±1.0cm
ベント サイドベンツ
袖仕様 重ね本切羽4B
【パンツデザイン】
前タック アウト1タック
サイドポケット ストレート
裾仕様 ダブル カブラ巾4cm 糸留

※通常、カブラの留めはスナップボタンとなりますが(リクエストが無い場合)、こちらを糸でまつることも可能です。
糸でまつるメリットはカブラが綺麗に治まることとプレスによるアタリが出ないことです。
スナップボタンで留めた場合、クリーニングのプレスによってスナップボタンの形が表側に浮かび上がったようになったのを御覧になられたことがあるかと思います。
糸留めにすることによりそれを防ぐことが出来ます。