2025年10月20日更新
気付けばすっかり秋になりました。 朝晩は少し肌寒くも感じる今日この頃ですが、読者の皆さんはいかがお過ごしですか? 秋と言えば、なんと言っても《ファッションの秋》ですから、今から思う存分ファッションを楽しむ予定の大阪店SHOPMASTER河本。 今年も本当に残暑が厳しかったですが、無事秋がやって来てくれてホッとしております。 さて そんな待ちに待った秋が到来し、ここ大阪店でも〈衣替え〉で来店される方が非常に多くなってきました。
今年の秋冬は例年に比べ一層カジュアル化の傾向が強く、ビジネスでは言わずもがな『ビジカジファッション』が主流に。 特に、先日【ジャケパンの攻略法】と題したページを更新してからは、大阪店でも“ジャケパンスタイルに挑戦したい!”という方がかなり増えました。
ということで、今回はこのジャケパンスタイルについて、もう少し深堀していこうと思います。 前回の【ジャケパンの攻略法】のページでは、入門編として主に〈アイテム選び〉と〈コーディネート方法〉について紹介しました。 ですので、今回のテーマは《着こなし》について。 例えアイテムそのものやコーディネートが良くても、この着こなしがなっていなければ、スタイルとしては台無しになってしまいます。 ですから、今回で基本の着こなしもマスターしていただき、スマートにカッコ良くジャケパンスタイルを楽しんでいただけると嬉しいです。 是非、最後までご覧ください。
さて これよりジャケパンの着こなし方についてご紹介していきますが、 ちょっとその前に・・・ ジャケパンを検討されているお客様から頂く声として、最も多いのが、 “スーツとジャケパンの着こなしの違いって?” です。 確かに、ジャケパンはスーツに比べ少しカジュアルな印象ですから、ちょっと奇をてらったサイジングやデザインにしないといけない、とお考えの方も多いと思います。 ですが、、、 結論、実は特に大きな違いはありません! はい、そうなんです。 ジャケット・スラックス共に、ジャケパンだからと言って、特段スーツと大きく変化させる必要はないのです。 ですから、全然難しく考えなくて大丈夫です! ただ、その中で上手に着こなすために考えておくべきポイントはございますので、そこだけまずはしっかりと抑えましょう! よく我々スタッフ(特に河本、、、)が、ちょっと派手なジャケットやルーズなシルエットのパンツ等をHPで紹介しているせいで?ジャケパンは難しい・・・と思われてる方もいらっしゃるかもしれません。(すみません・・・) ですが、もちろん先ずはこれからご紹介する基本の着こなしをベースに、きちんとベーシックなご提案をさせていただきますので、その点是非ご安心いただき、何なりとご相談いただけると嬉しいです。
では、先ずはビジカジスタイルのメインディッシュである《ジャケット》の着こなしポイントからご説明していきます。 先述のように、「スーツの上着」と〈ジャケパンのジャケット〉とでは、それぞれ核となる部分に大きな変化はありません。 ただ、その中でジャケットを上手に着こなすポイントが、、、 『着丈』と『肩』です。 まずはこの2つを抑え、ジャケットの着こなしをマスターしましょう。
スーツの上着とジャケットの一番の違い、そして特に気を付けたいポイントは、『着丈の長さ』です。 ココを抑えれば、ジャケットを制すると言っても過言ではありません。
ス―ツの着丈
一般的にスーツの着丈の基本は、「ヒップが隠れる長さ」です。 スーツは基本的にお尻を出すのはNGですので、お尻を隠すが良い長さです。
ジャケットの着丈
一方でジャケットの着丈は、『ヒップトップが少し隠れる長さ』が基本です。 お尻を隠す(見せない)スーツと違い、お尻を少し見せる程度の長さで着こなす。 それが、ジャケットの着丈の良い長さです。 フォーマルで重厚感のあるスーツに対して、カジュアルでスポーティーな着こなしが基本のジャケットは、軽快で軽やかなイメージを演出するために、着丈は短めに設定します。 ジャケットの長さを考える時の基本は、、、
ヒップの高さや大きさにもより変わりますが、まずこれで覚えておくと良いでしょう。
比較するとこんな感じ。 どうでしょう? 2.0cmの差でこんなにも印象が変わるのです。 ですから、ジャケットは着丈が命。 軽やかでバランスのいいジャケットを着こなすために、【着丈】を制しましょう。
着丈に続き、《肩》も軽く仕立てていきたいところです。 ですので、結論から言います。 “肩パットは抜きましょう。”
商談やプレゼンなど自分を力強く見せたいビジネスの場では、カチッとした構築的な肩回りが求められるため、肩パットは必要になります。 ですが一方で、ビジカジなど少しドレスダウンした堅苦しくない場でのジャケットは、着丈同様、軽快感や柔らかい雰囲気を演出するために、《肩パットを抜く》ことがオススメです。 パットを抜きナチュラルな肩周りにすることで、肩が軽くなることはもちろん、肩周りの可動域も広がり、スーツの固い印象からソフトで柔らかい印象に変化させることが出来ます。 ジャケットの顔と言っても良いくらい、着丈同様とても重要な《肩周りの印象》。 スーツの上着との差別化にもなりますし、柔らかな着心地&印象を演出するには、ここもマストで抑えましょう。
上記のポイント2つを抑えるだけで、ジャケットの着こなしとしてはGood!になりますが、、、 折角ならジャケットの表情をよりソフトに、そしてより柔らかく変化させる《コンフィージャケット》で更なる軽快感をプラスさせましょう!
一枚仕立ての『柔らかさ』そして、【圧倒的な軽さ】。 この2つが掛け合わさる事によって、見た目・着心地が抜群に良くなるのはもちろん、気軽に着られる “本当の意味でのカジュアルジャケット” に仕上げることができますので、今までのオーダーでは表現出来なかった〈真のカジュアルスタイル〉をお楽しみいただけます。 このコンフィージャケットについて、ここでも詳しく語りたいところなのですが、物凄く長くなってしまうことがもう目に見えているので、今回はやめておきましょう。 詳しくは、下記のページにて思う存分語っておりますので、宜しければご覧ください!
続いて、ジャケットの絶対的相棒《スラックス》の着こなしポイントについてご説明します。 前回の【ジャケパンの攻略法】のページでも言いましたが、ジャケパンスタイルを攻略するための本当のキーアイテムは”スラックス” です! ですので、ジャケットと同様、スラックスも大切なポイントを抑えていただきたいのですが、ではスラックスの抑えるべきポイントは・・・ “ジャケットの素材感に合わせた生地選び・サイジング” です。 ジャケットのように部分的な話ではありませんが、実はこの「素材感に合わせる」というのはすごく重要なところで、間違えると全体のバランスが一気に悪くなってしまうケースがよくあります。 ですので、極論を言えば、デザインは二の次でOK。 まずはココをしっかり抑え、上手にバランスの良い着こなしが出来るよう意識しましょう。 それでは解説していきます。
梳毛ウール生地とは、 生地の表面の毛羽がクリアにカットされたウール生地のことで、簡単に言うと、つるんとした肌触りが特徴の一般的な生地です。
まず、この梳毛ウール生地で作られたジャケットでコーディネートする場合は、結論、スラックスはどんな素材感・シルエットでも問題ありません。
ジャケットは、上記で説明したように軽快に仕立てた上、スーツと同じようにスッキリとしたシルエットのスラックスを合わせるのも良し、少しリラックス感のあるシルエットのスラックスを合わせるのも良しと、着こなし方は自由です。 また、素材感もクリアなものから起毛感のあるものなど、季節柄に合ったものを組み合わせてOK。 ですので、梳毛ウールジャケットは比較的簡単にコーディネートすることが可能です。 ですが、問題は次です。
紡毛ウール生地とは、 生地の表面の毛羽がカットされていない(敢えて整えていない)ウール生地のことで、簡単に言うと、見た目は暖かみがあり肌触りはフワフワ・ゴアゴアした秋冬の肉厚生地に多く見られる生地です。
〈フランネル〉や〈ツイード〉が、この紡毛ウール生地の代表格ですが、これらのジャケットをコーディネートする際、まず意識していただきたい重要なポイントがあります。 それが・・・ 『スラックスの素材感』です。
では、こちらの2つのコーディネートを比較しましょう。 どちらもフランネルのジャケット+スッキリとしたシルエットのスラックスを着用していますが、見ると、左の画像では一般的な「梳毛ウールスラックス」、右の画像では同じ生地感の「紡毛ウールスラックス」をコーディネートしています。 皆さん、どちらかのコーディネートに違和感があることをお分かりでしょうか。 見どちらも普通のコーディネートに思われるかもしれませんが、実は違和感があるのは、、、
フランネルジャケットにスッキリとした梳毛ウールスラックスを合わせている、この左のコーディネートです。 “そりゃ上下同じ生地感で合わせたほうが合うに決まっているやん!” そうお思いの方もいらっしゃると思いますが、実はもっと明確な理由があるのです。 ではなぜこのコーディネートが違和感なのか。 それは、《バランス》です。 画像では分かりにくいのですが、 上記のコーディネートだと、上(ジャケット)がボリューム感のあるモノに対し、下(スラックス)がスッキリとしたモノになっていますよね。 これだと、実際に見てみると、ジャケットの存在感が目立ち過ぎてしまい、上半身にバランスが偏ってしまっているため、非常に野暮ったく見えてしまうのです。
では一方で、同じ生地感のスラックスを合わせたこのコーディネートはどうでしょう。 スラックス自体のシルエットはスッキリしているものの、生地感により、ジャケットと同様のボリューム感もスラックスにしっかりあるため、全体で見てもどちらかにバランスが偏っていない。=違和感のないコーディネートになっているのです。 これが、フランネルやツイード等のジャケットをコーディネートする際に抑えていただきたいポイントです。
上述したことを要約すると、『紡毛ウールジャケットをコーディネートする際は、上下のボリューム感の統一が大切』ということです。 ですので、ジャケットと同様の生地感のスラックスを合わせる以外にも、例えば「スラックスのシルエットでバランスを取る」という方法もあります。
このように、フランネルのジャケットに、一般的な梳毛ウールスラックスを合わせる場合でも、スラックスのシルエットにボリューム感 (ルーズシルエット)を待たせてあげると、どうでしょう。 ジャケットに負けないぐらい、スラックスにも存在感がありますので、変にどちらかに偏っていないバランスの取れたコーディネートになっていると思います。 ですので、「上下で生地感を合わせる」というのが最も簡単な方法ですが、決して方法はそれだけという訳ではありません。 大切なのは『全体のバランス』ですから、このことを抑えていただけると、フランネルやツイードのジャケットのコーディネートも、もうお手の物です。 とは言っても、そのバランス感が難しかったりすると思いますので、オーダーの際は是非、我々スタッフにご相談ください!
以上、今回は『ジャケパンの基本の着こなし術』をご紹介しました。 前回の【ジャケパンの攻略法】のページと合わせて見ていただくと、もうバッチリ! きっと上手にカッコ良く着こなせること間違いなしですので、是非本ページを参考にしていただき、今季ジャケパンスタイルを存分にお楽しみください。 それでは、皆さんのご来店を心よりお待ちしております。